読んだり、書いたり、編んだり 

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8月に読みおわった本

8月に、てっぺんから最後まで読んだ本のリスト。この半年、映画館へ行ったり、DVDを見たりで、月に何本か映画を見ていたが、今月は映画館へ行きそびれ、DVDも見ずで、本読みにシフト(元に戻っただけか)。

いつもの年より植えるのが遅かったゴーヤは、8月に入ってボチボチと収穫できて、十数本がお腹へ。空は秋めいてきて、あと数本ぶらさがっているのがすんだら、そろそろしまいになりそう。

7月下旬に何日か猛暑日があって、また今年もやってくるのかと身構えていたが、ふたをあけてみれば8月の猛暑日はなく(ウチの最寄りのアメダス地点で観測した8月の最高気温は34.4度だ)、真夏日にならなかった日さえあり、むしろ降る日が多かった。台風による大雨もあったし、傘を持ち歩く日が続き、まるで梅雨どきのようで、ほんとに変な天気だった。

月末の印刷発送をめざして、8月に入ってからちょっとずつちょっとずつ「ブックマーク」82号の支度をしてきて、発送作業も本日ぶじ終了。ことしも3分の2がすぎる。

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てのひらの父(大沼紀子)

てのひらの父てのひらの父
(2014/04/04)
大沼紀子

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大きくて重い単行本を借りて持って歩くのはちょっとアレだったので、なにか…と図書室をみてまわって、文庫の棚から借りたもの。タマヨハウスという、大家のタマヨさんが一人で暮らすには広すぎる一軒家を3人に間貸ししている、朝夕の食事付き「女性専用の下宿屋」が舞台で、そういう設定が、ちょっと『すいか』風。

間借りしている3人は、職を失い求職活動中の柊子、弁護士になる!と司法試験の勉強を続けている涼子、いちばん長く住んでいるデザイナーのでこちゃん(本名は撫子)。大家のタマヨさんがアメリカにいる友達の看病をするのだと突然出ていってしまったあとに、タマヨさんのいとこだというトモミさんが管理人としてあらわれる。

この眼光鋭く、ずいぶん強面のトモミさん(年配男性)が、「それは管理人の仕事です!」と、少々首を突っ込みすぎではないかというところまで下宿人それぞれの事情に介入し、あるいは意見したりもして、30代、20代、30代の女3人が、それでちょっと変わったりもする。

上野千鶴子の選憲論(上野千鶴子)

上野千鶴子の選憲論上野千鶴子の選憲論
(2014/04/17)
上野千鶴子

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父ちゃんから「読むか」とまわってきた本。上野千鶴子が、2013年9月26日に横浜で講演したときの講演録をもとに大幅に書き換えた、というつくり。講演は、横浜弁護士会・日本弁護士連合会主催の「憲法問題シンポジウム第3弾」として開かれたもの。

タイトルの「選憲」とは、現行憲法のええとこも悪いとこも検討したうえで、「選び直しましょう」ということらしい。改憲でもなく、護憲でもなく、「意識して、今の憲法を選ぶ」のだと。

改憲だ!という自民党の憲法草案と、日本国憲法の条文を照らして、かなりツッコミを入れている。一方で、護憲を主張する人たちにひそむエリート主義にもツッコミを入れている。

きみはいい子(中脇初枝)

きみはいい子きみはいい子
(2014/04/04)
中脇初枝

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単行本のときに読んでみたいと思っていた本が、気づくと文庫になっていた。「虐待」をめぐる短編集、ともいえる。ある町に暮らす子どもやおとなの姿。それぞれのつらい経験が封じこめられている。

いつも給食をおかわりして食べるのに、やせっぽちで、いつも同じ服を着ていた神田さんの「おかしさ」に気づけなかった、教師になって2年目の「ぼく」。

「神田さんは、わるい子じゃないよ」「先生は知ってる」「神田さんは、いい子だよ」。
▼本当は、ぼくではないだれかがすべきこと。神田さんが本当に望んでいるのは、ぼくではない。だれか。
 でも。
 そのだれかから、どんなに望んでも、与えられないとしたら。(p.70)

ぼくは、神田さんがおびえないように、だきしめた。全然だめな教師のぼくだけど、「この子のためにだけでも、がんばりたい」(p.71)と思う。「明日も、学校に来よう。この子のために、来よう」(p.71)と思う。

風の墓碑銘(エピタフ) 上下(乃南アサ)

風の墓碑銘(エピタフ)〈上〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫) 風の墓碑銘(エピタフ)〈下〉―女刑事 音道貴子 (新潮文庫)

音道貴子のシリーズ、この上下巻も前にいちど読んだような読んでないような…記憶がアイマイ。文庫で上下巻のなかなかのボリューム。捜査線上の点と線をたどっていって、何度も(こいつが犯人か?)と思わせながら、ちがーう。

民家の解体現場から出てきた白骨死体が3つ。1つは胎児か嬰児かも分からない小さな骨。貸家だったから、家主に訊いて借りていた店子が分かればそう難しい捜査ではないだろうと思うが、もちろんそうはいかない。

家主のじいさんは認知症を発していて、老人ホームにいる。夏の暑いなか、老人ホームに何度も通って話を聞こうとするが、じいさんに話が通じるかと思えば、ぜんぜん分からなくなったり、ふらふらと徘徊に出たりで、はかばかしい成果なし。しかも、このじいさんが殴り殺されてしまう。

捜査本部が設置されて、音道は、ベテランのおっさん刑事・滝沢と組んで、靴底をすりへらして歩きまわる。捜査の中で、20年以上もさかのぼる父娘の惨殺事件も浮かびあがる。別々だと思われていた事件が、実はつながっていたことが、明らかになってくる。

季節のうた(佐藤雅子)

季節のうた季節のうた
(2014/05/08)
佐藤雅子

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図書館で本を返したあと、珍しく受けとる予約本もなく、面陳棚をぶらーっと見ていたら、この本が目に入って、なんとなく借りてきた。文庫カバーの袖にある著者略歴を見ると、1909年うまれ、1977年に亡くなったこの人の夫は、元人事院総裁の佐藤達夫氏とあった。

佐藤達夫の名は、『日本国憲法の誕生』で見たおぼえがある。法制局部長で、日本国憲法がつくられていくときに深く関わった人だ──と、思っていたら、一月から順に、月ごとの暮らしぶりを書いた中に、三月「憲法起草のころ」という文章があった。

▼昭和22年3月4日の晩、これまでだまって家をあけたことのない主人が、いつまで待っても帰ってまいりません。物騒な時代のことで、私と娘たちは一睡もせず朝を迎えたのでございました。(中略)
 6日の朝、主人の帰りを待ちながら立ちつくしておりますと、坂道をはうようにしてのぼってくる主人の姿が見えました。とても生きた人間の顔ではありません。GHQ(当時の占領軍総司令部)で一晩、首相官邸で一晩、二日二晩ぶっつづけの徹夜作業だったとのことでございました。当時は何の仕事か主人は一言も申しませんでしたが、ずっとあとになって、それが憲法起草の仕事のはじまりだったことを知りました。(pp.58-59)

日本の百年〈9〉廃墟の中から―1945~1952(鶴見俊輔)

日本の百年〈9〉廃墟の中から―1945~1952日本の百年〈9〉
廃墟の中から―1945~1952

(2008/06/10)
鶴見俊輔

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この「日本の百年」シリーズは、1巻の『御一新の嵐』をはじめ、各巻をちょろちょろと読んだことはあったが、1冊まるまる最初から最後まで読むのは初めてな気がする。「占領下」のあたりのことが読みたくて、この1945~1952とある9巻『廃墟の中から』を図書館で借りてみた。600頁近い文庫本を、数日かけて読んだ。

この9巻全体の編著をうけもった鶴見俊輔が、巻末の「解説」で、こう書いている。

▼戦後日本史をつらぬく太い線は、敗戦による窮乏とその窮乏からのたちなおりの過程である。窮乏状態が『日本の百年』の第9巻(『廃墟の中から』)、たちおなりが第10巻(『新しい開国』)である。
 窮乏の中で、もっともはげしく未来の形がさがし求められる。敗戦前後の窮乏状態の記録の次に、未来像の創造の記録をおくことにした。
 日本百年の歴史の中で戦後史にのみある主題は、敗戦とともに、占領である。日本人がどのように占領をうけとめたかの記録を次においた。
 日本戦後史の中で、経済の復興、貿易の再開、技術の進歩と生活の技術化、大衆消費生活の向上、マスコミ・広告・大衆娯楽の発達などは、第10巻にゆずった。戦争裁判は時期としては、第9巻にいれるべきだったが、再軍備論争・憲法改正論争との関係で、第10巻にまわした。松川事件・鹿地事件も、事件のおこったあとで問題が深くなったので、第10巻にゆずることにした。原水爆反対運動・基地闘争も、同様である。(pp.567-568)

なので、9巻のあとは、やはり10巻の『新しい開国』を読みたいところ。

フランスの異邦人―移民・難民・少数者の苦悩(林瑞枝)

フランスの異邦人―移民・難民・少数者の苦悩(林瑞枝)フランスの異邦人
―移民・難民・少数者の苦悩

(1984/01)
林瑞枝

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『娘に語る人種差別』をこないだ読みなおしたとき、巻末のあたりに出てきたフランスの反人種差別法のことが知りたくて(『ヘイトスピーチとは何か』にはヨソの国の立法の例があげられていたが、フランスは入ってなかった)、できれば本で読めるものをと図書館にレファレンスを頼んでいた。

図書館では親切に探してくれて、本はなかなか新しいのがないようだと、まずインターネットで見ることのできる論文をいくつか教えてもらった。

それからしばらくして、本はやはり古いものばかりですといくつか出してもらった中に、これも入っていた。「フランスの人種差別禁止法と表現の自由」『部落解放研究 59』、1987年2月)という古い論文のある著者の本(この古い『部落解放研究 59』も貸し出してもらった)。

1967~71年、そして77年~81年のあいだフランスにいたという著者が、サブタイトルのとおり、フランスにおける「移民・難民・少数者の苦悩」について取材して書いたものだ。30年前の本だが、今の日本もこんな感じ…「今の」というより、ずっとそうだったのだろうけど。

1972年の人種差別禁止法のことも書かれている。著者の書くところによれば、こういう内容。

チポリーノの冒険(ジャンニ・ロダーリ作、杉浦明平訳、B.スチェエーヴァさし絵)

チポリーノの冒険(ジャンニ・ロダーリ作、杉浦明平訳、B.スチェエーヴァさし絵)チポリーノの冒険
(1987/07)
ジャンニ・ロダーリ作
杉浦明平訳
B.スチェエーヴァさし絵

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『パパの電話を待ちながら』の著者が、『チポリーノの冒険』の作者でもあると知り、サビのところだけ聞き覚えている「ゆこうよ ゆこう~よ くじけーず ゆこう~ チッポリーノ チッポリーノ~ ぼーくーもなーかーまー」の歌がアタマの中で鳴って仕方がないので、図書館で借りてきて読む。

巻末に、楽譜付きで「チポリーノのうた」が収録されている。…私が聞き覚えているものと、歌詞はやや違うが(私は楽譜がよめないので、私のアタマで鳴っているのがこの曲なのかは判然とせず)、「ぼくもなかま」とか「たかい垣根はぼくらにゃいらぬ」とか、断片的に聞き覚えのある言葉が入っている。妹が歌っていたのは、きっとこの『チポリーノの冒険』がらみの歌なのだろう。

訳者は杉浦明平(すぎうらみんぺい)…って、どっかで名前を聞いたことがある。杉浦訳の初版は1956年!岩波少年文庫にはときどきあるが(『マルコヴァルドさんの四季』もそうだった)、今流通してる新版は訳者が違って、関口英子訳

少年文庫で370頁余り、29章あるお話は、なかなか長いけど、おもしろくてやめられず、外出した移動時間の合間合間に読みふけった。

ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーション(芳賀優子、松森果林/まんが たけしまさよ)

ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーションゆうことカリンの
バリアフリー・コミュニケーション

(2003/09)
芳賀優子、松森果林
まんが たけしまさよ

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中途失聴のKさんと、筆談と指文字と手話単語と多少の音声をフル動員して、半日おしゃべり。Kさんも『誰でも手話リンガル』の本を読んでて、私が買った『音のない世界と音のある世界をつなぐ』を貸していたのを返してもらい、松森さんの本の話に。すごーくわかる、そうそう!同じ!って思えて、すぐ読めたとのことだった。

職場では情報に取り残されがちで、何度も聞き返せなくて、結局は笑ってすませることも多いというKさんの話を聞いていて、松森さんが本に書いてた「会議や話しあいのユニバーサルデザインとは、言いたい人が言いたい放題言えることではなく、「参加している人が同じ情報を共有できる」ということが大切なのです」のところ、これ、ほんまに大事やんなー!と言い合った。

それでまた松森さんの本を読みたくなって、別のを図書館で借りてくる。弱視のゆうこさんと中途失聴のカリンさん、二人の経験談がいろいろ書かれてて(笑ってしまうような失敗談もあれこれ)、まんがも入っていて(まんがのたけしまさよさんは、阪神大震災のことを描いた『マンガ・愛ちゃんのボランティア神戸日記』の人だ)、すごーくおもしろかったし、よかった。

明るい原田病日記―私の体の中で内戦が起こった(森まゆみ)

明るい原田病日記―私の体の中で内戦が起こった明るい原田病日記
―私の体の中で内戦が起こった

(2010/09/30)
森まゆみ

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単行本が出たころに読んでみたいと思っていたのに、読みそびれたまま、もう文庫本も出ていたのだった。図書室で単行本をみかけて借りてきて読む。原田病を発症してからの著者の日記をまとめたもののうしろに、ちょっと変わったお医者さんとの対談が2本ついていた(この変わった医者との対話のところが、よかった)。

原田病は、名前だけはぼんやり知っていたけど、詳しいことはほとんど知らなかった。自己免疫疾患の一種で、メラニン色素が攻撃対象になるので、色素の多い目の症状が一番強く出やすく、おおむね眼科の病気と思われているそうだ。が、発症してからの不調その他が綴られた日記を読んでいると、原田病→眼科というような「縦割り」で病気を見るばっかりなのは、どうなのだろうと思った(そこのところが、巻末の対談でいろいろ語られている)。

すれ違う背中を(乃南アサ)

すれ違う背中をすれ違う背中を
(2012/11/28)
乃南アサ

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前科[マエ]持ち二人のシリーズ、『いつか陽のあたる場所で』の次の巻を読む。これも、単行本のときに読んでいるが、読みなおして、前の巻から引き続き、自分の進むべき方向が見えない、わからない、という芭子が、パン職人を目指すという綾香のように自分も何かを持ちたいと試行錯誤し、これなんじゃないかという仕事を掴もうとしていくところに、自分の関心が向く。

▼働かなくてはならない。
 綾香のように、生業を持たなくてはならない。
 ただ単に生活のためというだけではない。これから先の人生を、多少なりとも自信を持って歩んでいくため、誰に頼ることもなく、一人で暮らしていかれるようになるため。そして何より、夢とか希望とかいわれるものを抱くためだ。生きていてよかったと思えるようになりたい。最後の最後に、後悔したくない。それを、ここしばらくずっと考えてきた。(pp.81-82)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第44回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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