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読んだり、書いたり、編んだり 

未来のだるまちゃんへ(かこさとし)

未来のだるまちゃんへ未来のだるまちゃんへ
(2014/06/25)
かこさとし

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単行本はめったに買わないのだが、図書館に入るのはまだしばらく先だろうし、いまは図書カードが潤沢にあるし、何度か本屋でチラ見したあげく、やはり買って読む。年明けに読んだか『絵本への道―遊びの世界から科学の絵本へ』がよかったので、かこさんが「未来のだるまちゃんへ」何を伝えようとしているのかが読みたかった。

敗戦のときに19歳だったかこさんは、こう書く。
▼19歳というのは、当時の数え年で言ったら20歳ですから、もう大人です。
 子どもではありません。当時の大人は、私を含め、開戦にも敗戦にも責任があります。
 軍人を志した同級生たちは、みんな、死んでしまった、自分はその生き残り…というより「死に残り」でした。死に残りの自分は、これから何の償いもせず、出来ずに、おめおめと生きていくのか。そう思うと、自分が本当にだらしなく、はずかしい大人であり、必要のない人間に思えました。
 それでも生きるなら、その先の人生をどうして過ごすのか。だから必死で考えました。(pp.11-12)

何をすれば少しでも償いができるのか、せめて人間らしい意義あることがしたい、「大人ではなく、せめて子どもたちのためにお役に立てないだろうか。せめて自分のような後悔をしない人生を送るよう、伝えておきたい」(p.12)というのが、この本。
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花ならば赤く(有吉佐和子)

花ならば赤く花ならば赤く
(2014/07/18)
有吉佐和子

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有吉佐和子の文庫本は、5月にhappy birthday to meで一冊買い(『仮縫』)、この没後30年の復刊がおもしろかったので、もう一冊買って読み(『処女連祷』)、こないだ『音のない世界と音のある世界をつなぐ』を探した本屋で、単行本未収録の「50年前の長編」を文庫化したばかりというこの本を買った。

昔むかし、『週刊明星』に連載されていたそうで、単行本にならなかった理由は今となってはハッキリしないらしい。巻末で娘の玉青は、ある編集者の「忙しくて単行本にするひまがなかったのではないか」との推測とともに、実際に次から次へと作品を発表し、くわえて人生の大事が続いたその頃の母親の数年に言及している。

これは20歳の晴子のお仕事小説であり、恋愛小説でもあった。それを当時30歳だった有吉佐和子が書いている。

知人から、夫がこれから始める事業を手伝ってくれないかと声がかかって、短大を出たばかりの小河内晴子は、口紅を製造販売する小さな会社に入る。いるのは老人と、おっさんが数人、若い科学者がひとり。

▼どうせ此の中では事務も雑用程度だろう。それが不満とは思えなかった。何より、晴子はこんな大人たちの中に一人で混りこむことに、ある新しい魅力を感じていた。どの人たちも、晴子がこれまでに見たこともない「変な」ところがある。(p.19)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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