西加奈子と地元の本屋(大阪の本屋発行委員会)
![]() | 西加奈子と地元の本屋 (2014/06/13) 大阪の本屋発行委員会 商品詳細を見る |
大阪の書店員有志によるプロジェクト「大阪の本屋発行委員会」がつくった小冊子。ちょっと前に、こんなんができたと知って、近所の本屋にあるかとすぐ見にいったときにはなかったけど、数日後に行ったらあった!税込み380円という買いやすい値段だったこともあり、買ってみる。
メインは、西加奈子×津村記久子の対談。私は西加奈子の本はそんなに読んでないけど、津村記久子の本はかなり読んでるので、この二人のしゃべりを読んでみたかったのだ。「具体的に地名があるほど、大阪弁で書かなかったりする。逆に、大阪っぽいけれど設定が細かく決まってないものほど、大阪弁で書いたりする。」(p.9)と津村は語り、「自分を上から見てるような感じ。『舞台』の主人公は、カッコ悪い自分を上から見て笑うということに救われる。それはすごく大阪的ですよね。」」(p.9)と西は語る。
二人が、「すべての場所はローカル」ということを語りあうところは、なるほどなーと思った。「すごく近しいことを書く方が、実は世界中に広がるんじゃないか。(p.12)と西が言い、「もしかしたら、「ここにおるから、こんなにしんどいんやけどな」みたいな感覚は、日本の他の街の誰かや、どこかの国の人でも下地と共通して思っていることかもしれない。だから、それを突き詰めることは全然無駄じゃない。」(p.14)と津村が言う。
どこかその物語のミクロなところ、ドメスティックなところに「感じる」ものがあるからこそ、徹底してローカルな小説ほど、翻訳しても読まれるのかもしれない。
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