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読んだり、書いたり、編んだり 

〈男文化〉よ、さらば―植民地、戦争、原発を語る(辛淑玉、富山妙子)

〈男文化〉よ、さらば―植民地、戦争、原発を語る〈男文化〉よ、さらば
―植民地、戦争、原発を語る

(2013/09/05)
辛淑玉、富山妙子

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借りてきたブックレットのタイトルを『異文化よ、さらば』と見間違っていた。異文化にさらばって、どういう意味や?と思いながら、辛淑玉と富山妙子の組み合わせに興味があって借りてきたのだ。よく見たら「男」文化だった。

冒頭で、辛淑玉はこう書く。
▼「男」という存在は、どうしてこんなに進歩がないのだろうか。
 「女」は、奴隷状態から着実に這い上がってきた。しかし男は、暴力、支配、金と力を決して手放そうとしない。考古学者によると、余剰の富が生まれてから人殺しが始まったというが、弥生時代から始まった人殺しを、今も懲りずに続けているのだ。(p.2)

いきなりこうくると、「男」と十把一絡げにまとめないでくれという人もいるやろなと思う。思うけども、辛淑玉がこう書き始めた「はじめに」の末尾で、「殺してもいいという命があるという点では、国境を越えて、どいつもこいつも同じなのだ。弥生時代から退化し続けている「男」たちに未来を預けてはいけない。」(p.3)と書くのもわかるー、と思う。

情報の呼吸法(津田大介)

情報の呼吸法情報の呼吸法
(2012/01/10)
津田大介

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Twitter方面では、"tsudaる"という流行語がいっときできていたそうだ(そういうのが流行っていた、というのも知らなんだ)。その"tsuda"がこの著者。表紙には、肺(裏表紙には情報の「吸い込み方と吐き出し方」云々と書いてある)に鳥(これはTwitterの"さえずる"から来ているのだろう)がつながった表紙イラストの下には「発信しなければ、得るものはない。」とある。

冒頭には、本書のテーマを一言で表現すればと、こう書いてある。「デジタルやネットワーク技術が発達し、かつてないほど大量の情報に溢れかえっているこの日本において「情報」を活かして何か物事を実現するには、情報のインプット(入力)とアウトプット(出力)のバランスを取ることが重要だ」(p.7)。

私はTwitterもFacebookもやってないし、(かなり強力に誘われるものの)いまのところやる気もないが、こういうソーシャルメディアを使いたおしてきた著者の経験が書かれたなかで、おもしろいなと思ったのは、「誤配を通じて自分を知る」「発信の「軸」を決めて、直感を信じる」の小見出しのあたり。

わたしの旅に何をする。(宮田珠己)

わたしの旅に何をする。わたしの旅に何をする。
(2000/05)
宮田珠己

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ひょんなことから宮田珠己の本を初めて読み(いちばん最初に読んだのは『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』)、「こ、これは…」と、もう20年くらい会ってない友にはがきを書く。このニオイは、かつて友からもらった、あの原田宗典の本に似ている。あれを思い出したよー、と書いて送った。

すると、友から打ち返すようにはがきが届く。はたして友はすでに宮田珠己の本を愛読していたのだった。自分にとって、この本はこうであの本はああで、「宮田珠己が好きな人がいてウレシイな~」と書いてあった。

友が、電車の中で読むことはすすめられない、飲物を飲みながらもすすめられない、と書いてきたのが『わたしの旅に何をする』だ。内容はたしかに友の注意のとおりであった。装画も著者本人だというところもイイ。

乙女の密告(赤染晶子)

乙女の密告乙女の密告
(2012/12/24)
赤染晶子

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この作品は、芥川賞をとったころに雑誌に載ったのを読んだ。その後、単行本になり、いつのまにか文庫にもなっていたのかと、久しぶりに借りて読んでみる。関東の図書館や本屋で『アンネの日記』が破られたり切り裂かれたりしているという事件が気になっていたせいもある。

この小説の舞台となっている京都の外国語大学で、ドイツ語のスピーチのゼミを担当するバッハマン教授は、テキストに『ヘト アハテルハイス』(つまりは『アンネの日記』)のドイツ語版を使っている。

教授はゼミの学生たち(全員が女子学生だという)を「乙女」と呼び、スピーチコンテストに向けて「乙女の皆さん、血を吐いてください」とのたまう。指定されたページは、「1944年4月9日 日曜日の夜」だ。隠れ家の隠しドアのすぐ後ろまで警察がやってきた日だ。教授はこの日が『ヘト アハテルハイス』の中で最も重要な日だと言う。「乙女の皆さん、アンネ・フランクをちゃんと思い出してください!」と言う。

『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ(森まゆみ)

『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ『青鞜』の冒険 
女が集まって雑誌をつくるということ

(2013/06/27)
森まゆみ

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2月に、Googleのトップで「平塚らいてう生誕128周年」が出ていたときに、ちょうど図書室でこの本を見かけ、サブタイトルの「女が集まって雑誌をつくるということ」に興味をひかれて借りてきた。第一章のタイトルは「五人の若い女が集まって雑誌をつくること」。

森まゆみ自身が『谷根千』という雑誌をやっていたこともあって、復刻版の『青鞜』をこまごまと読みながら、雑誌というもののあり方や、それをつくるのに集まった人たちや、読者のことを書いているところが、私にはおもしろかった。「編集後記が一番おもしろい」とか、この記事はどうかと思うとか。

平塚らいてうが『青鞜』の言い出しっぺだったが、お金が足りなくなったときに補填してたのはらいてうの母だったとか、らいてうが誌面を私物化してるのはどうかと思うとか、そんなんも書いてあって、『We』を引退した私は、つい『We』のことと重ねたりもした。

木版画の三色摺り

2014年3月14日 木版画の三色摺り

金曜の午後は税務署やハローワークへ寄ったあとに、へのへのもへじ文庫へあそびにいく。ここはときどき「遊び名人」が来られる日があるが、こないだの金曜はちょうど名人の日だった。

以前にもここでお目にかかったことのある木版画の村田美菜子さんがいらしていた。三つの版を重ねて、三色摺りの体験。版がずれないように合わせるための「かぎ見当」「ひきつけ見当」のこと、馬簾(バレン)のことなど話を聞いて、おとなが手を貸しながら、子どもらが次々と摺っていく。「もういっかいやるー!」という子も一段落したころに、私も三つの版を摺るのをやらせてもらった。バレンを握るのなんか、いつ以来だろう…!
Genre : 日記 日記

いのちを選ぶ社会 出生前診断のいま(坂井律子)

いのちを選ぶ社会 出生前診断のいまいのちを選ぶ社会
出生前診断のいま

(2013/12/20)
坂井律子

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著者の坂井律子さんの本は、15年前の『ルポルタージュ出生前診断』を、今も十分通じると思いながら昨年読んだ。リケジョがどうのという岩波ジュニア新書に、新型出生前診断のことがおざなりに(誤り含みで)書かれていたことのモヤモヤが晴れなかったときだ。

坂井さんのこの新著が出たのを知ったころから読もうと思い、図書館にもリクエストしながら、本屋で立ち読みしたという人から「背筋の凍る事実が書かれていた」と聞いて、読むのに気合いがいるなーと思い、借りてきた本を積んでいた。それで返却期限がきたので、返す前に読む。

『We』188号でまとめた、玉井邦夫さんのお話(「新型出生前診断をめぐる取り組みから見えるもの」)を、なぞるような内容だった。

▼…間もなくあまりにも多くの、あまりにも判断できないようなことを「どうぞ選べます」といって差し出される日が来る。そのような、簡単に選ぶことのできる道具が、本当に私たちの使いたいものかどうかわからないが、いま着々と準備されている。それを前提に、どうしたら病気や障害を持つ人への差別や偏見が強まらないか、女性が子どもを産むことがかけがえのない幸せな体験であり続けるにはどうしたらいいのか、真剣に考え続けなければならない。(p.260)

新たな技術を使うかどうかは「女性やカップルの選択」なのだという話と、この技術の使用は「障害者の生や尊厳」を損なうことにはならないのだという話とは、ほんとうに両立するものなのか。

青空に梅、そして木の影

白梅

2年ぶりか3年ぶりで、この公園の梅をみにいった。蝋梅もまだ咲いていて、強い香りがした。
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『サラの鍵』、そして、『からのゆりかご』

本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を書いてる、月刊『ヒューマンライツ』誌。こないだ届いた3月号で、いつも映画のことを書いてはる中村一成さんが、「サラの鍵」のことを書いていた。

私は映画は見てないけど、原作の小説を読んだな~と、過去記事を読みなおしてみる。
サラの鍵(タチアナ・ド ロネ)

中村さんは、映画「サラの鍵」について、こう書いている。
▼…第二次大戦時、フランスが手を染めたユダヤ人弾圧を追うアメリカ人ジャーナリスト・ジュリアと、ホロコーストで家族を失い、絶望的な心の傷を秘したまま生を終えたユダヤ人サラ。あまりに境遇を異にする女性二人の生が時空を超えて繋ぎ合わされる本作は、「過去と向き合う」ことの意味をそっと提示する。(pp.75-76)

そして、もうひとつ、国の「恥ずべき秘密」を描いた本のことを思い出して、こちらも過去記事を読みなおしてみる。
からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち(マーガレット・ハンフリーズ)

どちらも、私は映画になったのを見ていない。でも、見てみようかなと思った。中村一成さんは、『からのゆりかご』が映画になった「オレンジと太陽」のこともいつだったかこの連載で書いていた―あの記事をまた読んでみようと思う。
Genre : 日記 日記

「ろうLGBTサポートブック」と動画「ろうLGBTインタビュー」

ろうLGBTサポートブック私も制作メンバーとして参加した「ろうLGBTサポートブック」が完成。ほしい方は、必要部数と郵送先をlgbtsougi(a)gmail.comまで。送料着払いにて発送されます。

私も50部ほど預かってますので、ほしい方はお知らせください。

パンフレットは、以下でダウンロードもできます。
http://rupan4th.sugoihp.com/contents5panf.html


「ろうLGBTインタビュー」の動画8本も公開中。字幕と音声もついてます(私も一部で吹き替えしました)。 
Genre : 日記 日記

3月8日の夜@京都と、3月9日の午後@大阪

今日、3月7日は、ばあちゃんの命日。
20年前、治療中に「現在の医療では救命不能です」という状態になったばあちゃんは、人工心肺をつけられて出てきた。そして、その機械を私たちは「止める」と決めなければいけなかった。いまも忘れられない。

明日、3月8日(土)の夜、京都で、五十嵐正人さん(千葉・ばおばぶ)のお話し会があります。
今こそ「もうひとつの福祉」☆
逃げようぜ、一緒に!誰もが解放されるために!

3月8日(土)18:20~20:4
http://femixwe.blog10.fc2.com/blog-entry-575.html

明後日、3月9日(日)の午後には、大阪で、「ろうLGBTサポートブック」の完成パーティがあります。
3月9日(日)14:30~16:30
(参加費無料/手話通訳つき)
http://femixwe.blog10.fc2.com/blog-entry-571.html



どちらにも参加しますので、お目にかかれる方はそのときに。
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揺れる心と向き合いながら―遺伝を覚悟で子どもを産む―(大木聖子)

大木聖子『揺れる心と向き合いながら』大木聖子『揺れる心と向き合いながら―遺伝を覚悟で子どもを産む―』(2014年1月発行)

2/22(土)の児玉真美さん講演会のときに、会場で購入。帰ってその日のうちに読んでしまう。

この冊子のもとになったのは、『ペリネイタルケア』(メディカ出版、周産期医療に携わる助産師・看護師・医師のための専門誌)で、同タイトルで2012年1月号から2013年7月号まで連載された全19回の文章で、それが加筆・修正のうえ再編されたものだという。

大木さんの"揺れる心"を綴った文章を読んでいて、「人の感情は、変化するのです」という原田正治さんの言葉を私は思いうかべていた。「十年前に裁判で証言したことが、今の僕の気持ちと判断されているのかもしれませんが、それも僕の人間性を無視されているように感じます。人の感情は、変化するのです。その思いを訴えたかったのです。」
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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