読んだり、書いたり、編んだり 

11月によみおわった本

11月に、てっぺんから最後まで読んだ本のリスト。今月は、ごつい本を読んだ。ほとんど500ページある小説『百年の孤独』は、西尻幸嗣さんが海月文庫アートスペースでの"木版ブンガク"展の今年のテーマに選ばれていたことから、この機会にと読んだ(私はめったに翻訳小説を読まない)。500ページ超の対談集『素直にわがまま』は、へのへのもへじ文庫で長いこと借りて積んでいたのを、返す前にと読んだ。そして今、借りてきてみたら思いのほか分厚かった小説(540ページほどある)を読んでいる。

昨年度は受けそびれてしまった健康診断をうけにいく。健診前の絶飲食時間もつらいが、バリウムと下剤で、すんでからもへとへとになり、健診とは健康をそこなう…と毎度のように思う。

秘密保護法案がひどい状況で衆議院を通過。「何が秘密か、それは秘密」という法ができてしまうかもしれないこわさ。その中で、ささやかでも自分にできることを、する。

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もらった糸の帽子

先日、長屋の傍房で、よかったら何か編んでくださいと綛の糸をいただいた。久しぶりに、綛から玉に巻く。古い糸だというが、保管がしっかりしておられたのだろう、虫食いひとつない綺麗な糸だ。グリーン系の2色と黒がよりあわされた糸。その糸で早速ひとつ帽子を編んでみる(写真左)。

ぼうし 131123と131130

いくつか頼まれた帽子があって、輪針を探したら、編みかけのままだったので、これも帽子に編んでしまう(写真右)。この糸は、編みもの好きな同居人の母上が、帽子を編むならちょうどいいかもと半端な糸をゆずってくれたもの。ウールに少しシルクが入っている糸で、ちょっとひかる。

手を動かしながら、本を読むのが極楽。
Genre : 日記 日記

言えないコトバ(益田ミリ)

言えないコトバ言えないコトバ
(2012/06/26)
益田ミリ

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同じ大阪生まれの同い年という親近感がそこはかとなくある益田ミリ。この本は、"世間でよく耳にするけれど、気恥ずかしかったり抵抗があったりして、自分ではうまく使えない"と益田ミリが思う「コトバ」について、ところどころにマンガやイラストをはさんで書かれている。

私はこれは使うし、使えるデというコトバで、益田ミリが「使えない」と思うのがあったり、逆があったり、読んでいておもしろかった。

印象に残ったのは「つかえない」。

産直帽子

長屋の傍房の管理人であるAさんから、編みものしにきませんかと便りをいただいていた。"冬支度部"として、10月と11月の「0」のつく日に、編みもの時間をもっているとのことで、手を動かしながらおしゃべりしにいきたい…と思っていた。

やっと定休の水曜に重なった10月20日、ちょうどこの日はYさんの出張紅茶屋"TEASPOT"の紅茶ふるまいの日でもあるというので、昼から編みかけの毛糸をもって、お茶飲みに。

私が訪れた前後にお茶好きの若いおふたりがいらして、Yさんのいれてくれた紅茶を飲みつつ、おしゃべりしながら手はずんずんと編んでいく。"冬支度部"が目的とおぼしき人はぜんぜんあらわれないが、歓談の時間。

帽子 131120
Genre : 日記 日記

離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち(朴順梨)

離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち離島の本屋
22の島で「本屋」の灯りをともす人たち

(2013/07/19)
朴順梨

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「LOVE書店!」というフリーペーパーは、何度か手にして読んだことがあるが、残念ながらうちの最寄りの書店には置いてないため、たまに梅田へ出たときに、これを置いてる本屋があったらもらってくる。このフリーペーパーでの連載「離島の本屋」が本になったもので、一部は、本紙で読んだおぼえがあった。

巻頭で「旅のはじめに」として、著者はこう書いている。
▼日本には6000以上の島があり、そのうちの約400の島では人が暮らし、人口5000人以上の島には大抵、「本屋」がある(と、取材を通した実感でそう思っている)。
 とはいえハードカバーから文庫、マンガや雑誌までが並ぶ"絵に描いたような本屋さん"から、雑誌や新聞コーナーがほんの片隅にあるような商店まであるので、何をもって「本屋」と呼ぶのかは定かではない。だから明確なデータを、私も正直なところ持ち合わせていない。(p.3)

そういう、定義ははっきりしないものの「本屋」を各地の島で取材したのがこの本。22の島のそれぞれで、本が手渡される場があった。連載が本にまとめられるにあたり、取材した本屋の「あの時、その後」が書き添えられている。すでにお店を閉じられたところもあるが、「相変わらず」続けられているところもある。

本屋図鑑(得地直美、本屋図鑑編集部)

本屋図鑑本屋図鑑
(2013/08)
得地直美、本屋図鑑編集部

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夏葉社という版元は気になっていた。一人で営まれている出版社、そういうところがどんな風に本をつくり、売っているのか、食えているのかと気になっていた。最初に存在を知ったのは、ミシマガジンの「本屋さんと私」で紹介されたときだったと思う。2009年の9月にたちあげられた夏葉社の、これは9冊目の本。海文堂書店も載っているというのもあって、借りてきて読んでみた。

あとがきには、この本ができた経緯が書かれている。
▼あるとき、図鑑をテーマにした対談に誘われ、それが雑誌の記事になりました。その記事を読んだらしい夏葉社の島田さんが、お酒の席でこんなことを言うのです。
「ああいう本(図鑑)が作りたいんですよ」
 次の酒席に、頼まれもしないのに、勝手に作った企画書を持っていきました。次の次の酒席には、その本をテーマにしたトークイベントの企画を持っていきました。トークイベントが終わったら、酒席の与太話は、いつのまにか、それなりに立派な書籍の企画になっていました。この「本屋図鑑」はそんなふうにして生まれました。お酒の席で。(p.236)

掲載された本屋のほとんどは島田さんが選んだそうで、そのルールは二つ。47都道府県、すべての県の本屋さんを紹介することと、「図鑑」と銘打っているのだから、いろんなタイプの本屋さんを紹介すること。

オーダー帽子の試作

糸代+編み賃払うからと贈り物用の帽子編みをたのまれて、ウキウキと毛糸を物色に行き、編みはじめたら本など読みつつ、手はずんずんと編んで、3日ほどでとりあえず仕上がる。

サイズ、かぶり具合、色の好みなど、かぶってみてもらって~と送る。ご意見をうかがって、調整の編みなおし、あるいは糸を変えてもう1つ編む予定。

ぼうし 131118

糸は、以前にも編んだことのあるシリーズの色違い。
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傷だらけの店長〜それでもやらねばならない〜(伊達雅彦)

傷だらけの店長〜それでもやらねばならない〜傷だらけの店長
〜それでもやらねばならない〜

(2010/07/31)
伊達雅彦

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海文堂にいてはった平野さんの『本屋の眼』のあと、"本屋モノ"をいくつか続けて読んだうちの一冊。この本、この夏に文庫(『傷だらけの店長 街の本屋24時』)になって、うちの最寄りの本屋でもしばらくのあいだ面陳(表紙を見せて陳列)されていた。

その文庫を何度か手にとって、しかし、どうも、本が好きで勤めた本屋でボロボロになってしまった店長さんの話らしくて、それをうちに買って帰るのはなんだかちょっと気がふさぐ気がして、買わずに図書館で借りてきた。

学生時代のアルバイトから、中規模なチェーン店の書店員になり、そして店長になった著者。でも、儲からないから何かをカットしていくことになる。人は増えないし(むしろ減る)、給料はあがらない。本を売るのが楽しくて、これが天職だと思った著者が、本屋という職場、本を売るという仕事に、削られていくような感じ。

そこが読んでいてちょっとつらかった。

ひさしぶりの帽子編み

昨シーズンは、出張で乗った特急の往復で帽子をふたつ編んだくらいで終わってしまった。編み物のゆとりが少なくて、ちょっといらいらした。編みかけや持ちこしや手をつけられなかった糸がいろいろ山積みで、また編む季節がやってきた。

今シーズンはぼちぼち編もうと、こないだは持ちこしだったマフラー(依頼品)を仕上げて納品、この帽子もあとすこしのところで持ちこしていたのを仕上げた(この帽子は妹にもらわれていった)。

帽子 131117

針も空いたし、これでまた新しいのが編める~
Genre : 日記 日記

大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー(飛鳥井千砂、有栖川有栖、乾ルカ、大崎梢、門井慶喜、坂木司、似鳥鶏、誉田哲也、宮下奈都、吉野万理子)

大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー大崎梢リクエスト!
本屋さんのアンソロジー

(2013/01/18)
飛鳥井千砂、有栖川有栖、乾ルカ、大崎梢、門井慶喜、坂木司、似鳥鶏、誉田哲也、宮下奈都、吉野万理子

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「ブックマーク」読者の方から聞いた大崎梢の別の本をリクエストしたときに、この本も目についてリクエストしていた。

"新刊の本屋さん"という縛りのリクエスト小説で編まれたアンソロジー。あとがきで、大崎梢はこんなふうに書いている。
▼不特定多数の人が自由に利用できる、本がたくさん詰まった場所といえば、図書館や古書店も浮かびます。古今東西、恋愛ものからミステリーまで、さまざまな作品が生まれています。魅力的なモチーフです。
 でも今回は、新刊書店に限らせてもらいました。連日、雑誌や書籍が大量に送られてくるあわただしい現場。そこを主たる舞台に、腕をふるっていただきたい。(p.334)

大崎自身がかつては書店員として働いていて、本屋を舞台にした小説でデビューした(これはかなりおもしろくて、私は単行本で読んだあとに、文庫でも読んだ)。

10本の小説の作者は、読んだことのある人もいれば、初めて見る名前もあるが、どの"本屋さん"の話もおもしろかった。ロバが出てくる話もあるのだ。ロバ?と思うが、これもまた本屋の話。

コースター(井上知子作品展「残りモノ大集合」にて)

海月文庫で、井上知子さんの「残りモノ大集合」という作品展の終わりがけにすべりこみ。井上さんは、2センチ以上の端糸は捨てないそうだ。20センチくらいあると私もつい糸の山に残していたりするが、2センチだったら私は捨ててしまってるなと思う。

このごろはハンカチもみなさんタオルでしょ、昔のローンのハンカチがたくさんありますね、あれを裂いて…というのが、井上さんのコースターづくりのワークショップだった(そのハンカチも縁のしっかりしたところは別にして、それを編んで鍋つかみになっていた)。

ハガキサイズくらいの厚紙に、タコ糸をまいたのが縦糸。割り箸を1本、縦糸の下へはさんで浮かせる。こうすると作業がしやすいでしょ、と井上さんはあくまで合理的だ。最初の何段か、大きな針でタコ糸で往復したあと、裂いてひも状になったハンカチを交互に通していく。

コースター(井上知子作品展「残りモノ大集合」にて)
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わが盲想(モハメド・オマル・アブディン)

わが盲想わが盲想
(2013/05/16)
モハメド・オマル・アブディン

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図書館で数人の予約待ちをしていたのが届く。私のうしろにも数人の予約待ち。
もとは、ポプラビーチで連載されていたものらしい。ポプラビーチ発の本は、なかなかおもしろい。有名なのは大野更紗さんの『困ってるひと』とか。

この『わが盲想』の著者、モハメド・オマル・アブディンさんは、スーダン生まれ。本の時点で35歳のおっさん。19歳で来日し、福井の盲学校で学び、その後いろいろあって東京外語大へ。いまもそこで研究を続けてはるらしい。

この本は、音声読み上げソフトを使って、アブディンさん自身が書いたもの。漢字変換がちょっとへんだったところは、編集者が指摘して直したりもしたというが、母語が日本語でない人が、しかも漢字圏の出身ではない人が、そして見えない人が、的確に漢字を綴っていることに、すげーと思う。

『We』で、みんぱくの広瀬浩二郎さんにインタビューをもうしこんだとき、初めていただいたメールで、私の姓名がきちんと漢字変換されていて、ほんとうに驚いた。見える人からのメールでも違う漢字で変換されることがしょっちゅうあるので、読み上げソフトでどのように漢字を選ぶのか、そしてたとえば「冠」という字はどう説明されるのかと思った。

弱視だったのが12歳で視力を失うなど、アブディンさんは、ちょっと広瀬さんに似ている。おやじギャグをかましまくるらしいところも似ている。この本の章タイトルも、最初がトライ(try)と渡来をかけてあったり、とちゅうでは「酒って避けては通れない道」とか、ダジャレにまみれている。スーダンの広瀬浩二郎か?という感じである。本のタイトルも、『わが闘争』ならぬ"盲想"だ。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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