FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

それでも彼女は歩きつづける(大島真寿美)

それでも彼女は歩きつづけるそれでも彼女は歩きつづける
(2011/10/03)
大島真寿美

商品詳細を見る

We読者さんから、これを読んだと聞いて、借りてきてみた。

柚木真喜子(ゆずき まきこ)をめぐる、物語。どこか海外の映画祭で、何かの賞をもらったらしいという柚木のニュース、そこから、いろんな人が柚木を思い出す。柚木はまだ映画を撮っていたのかと思ったり、柚木さんがんばってるんだと思ったり、どうして!と苛立ちをつのらせたり。

それぞれの人が見る柚木、思い浮かべるその言動は、柚木との関わりや距離感、好悪の感情によってもずいぶん違っている。柚木の受賞のニュースで、柚木のことを脳裡によみがえらせた6人の女性の、それぞれの話が編んであるともいえる。

同じ柚木という人物を見ながら、こんなにも人の視点は違うんやと思う。同じ場面にいた者どうしの視点の違いを描いてみせる作品はけっこうあるが、それを、同じ一人の人物にむける視線の違いにかえたところが、コロンブスの卵でもあった。
スポンサーサイト

六ヶ所村―核燃基地のある村と人々(島田恵)

六ヶ所村―核燃基地のある村と人々(島田恵)六ヶ所村―核燃基地のある村と人々
(2001/04)
島田恵

商品詳細を見る

小さな写真集のようなつくりの本。

『いのちと核燃と六ヶ所村』のあと、核燃建設の進行が速度を増していくなかで、1990年、島田さんは六ヶ所村に移り住んだ。だが、引っ越した借家を二週間で追い出された。大家の奥さんから、「いやー、島田さん、実は原燃の人がね、こういうの持ってきて、あんたがこういうやつだって知ってて貸したのかって、毎日来ていくのさ。ほんとに申し訳ないんだけど、出て行ってもらえないか」(p.138)と言われてのことだった。奥さんが置き忘れていったのは、日本原燃サービスの内部資料で、いわゆるブラックリストだったという。

▼大家さんは当時、村議会議員で、息子さんは翌春に日本原燃サービスに就職が決まっていた。奥さんは、私に家を貸したことで息子の就職がだめになるのではないか、と心配していた。仕方なく私は、解いた荷を再びまとめ、そこを出た。(p.139)

島田さんが青森県民になって4ヶ月後、1991年2月におこなわれた青森県知事選挙は、核燃建設をめぐる最大のヤマ場となった。現職で核燃推進の北村氏、白紙撤回を訴えた金沢氏、核燃「凍結」の姿勢で臨んだ山崎氏の3氏の争いとなった。

北村陣営の切り崩し工作はすさまじかったという。のちに山崎氏が発表した「核燃知事選大敗記 われ敗れたりされど」という手記には、こんなことが書いてあるそうだ。

白雪堂化粧品マーケティング部峰村幸子の仕事と恋(瀧羽麻子)

白雪堂化粧品マーケティング部峰村幸子の仕事と恋白雪堂化粧品
マーケティング部
峰村幸子の仕事と恋

(2013/02/07)
瀧羽麻子

商品詳細を見る

文庫棚にあって、裏表紙の紹介をぴらっと読むと「お仕事小説の白眉」とか書いてあるので、借りてみた。長くておぼえられないタイトルである(単行本のときは『白雪堂』というタイトルだったらしいが、それはそれでワカランよな~)。

著者の名前は「たきわ あさこ」。文庫タイトルにある主人公の名前は奥付のルビでは「みねむら ゆきこ」だが、本文では「幸せな子供で、サチコ」(p.79)になっていて、何かが間違っているようだ。(※)

白雪堂化粧品に新卒で入った峰村の、初夏から次の春までが描かれる。「はじめははじめて」「なにかをかえる」「ひたすらはしる」「どんでんがえし」「それぞれのみち」「おわりとはじまり」と、章のタイトルがすべてひらがな書きなのが、ちょっと目をひく。

このお仕事小説はなかなかおもしろかった。まず人物造型がくっきりしている。主人公の峰村、先輩の槙さん、同期の成宮、白雪堂化粧品の創業者の娘で「シラツユ」という主力ブランドを30年率いてきたマダム、といった会社の面々、そして峰村のプライベートでそれなりの存在感がある院生の(それは就職浪人の仮の姿であるらしい)直也など。
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ