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読んだり、書いたり、編んだり 

これでよろしくて?(川上弘美)

これでよろしくて?これでよろしくて?
(2009/09)
川上弘美

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この本はすでに文庫になってるらしいが、おもしろいと聞いたので、図書館で単行本を借りてくる。川上弘美を読むのは久しぶりな気がする。

日々の自分の足跡をたどってみると、"買いもの道"は、まるでけもの道のように、決まりきった道筋になるなあという菜月だが、その考えごとは、あっちこっちに飛ばそうと思っているわけではないのに、すぐ横っちょにずれていく。「油断していると、知らない間にわたしはどんどんいろいろ連想してしまうのだ。そうすると、最初に考えていたことは、自然にどこかにみえなくなってしまう」(p.5)という菜月。

ある日、買いもの道の途上で、菜月は土井母に声をかけられた。土井母とは、そのむかしつきあっていて振られた男の子の母である。

土井母は「あたしの入っている会に、一緒に来てみない」と菜月を誘い、(え、勧誘?)と身を硬くする菜月に『これでよろしくて? 同好会』という名刺大のカードを差し出した。

菜月はこの同好会に結局参加する。この同好会で扱われる議題がおかしい。集まっている人も、とりどり。土井母が「この人は、結婚正社員、という職業の人だから」という人がいたりする。その土井母は「あたしの結婚はアルバイトみたいなものだけどねえ」と言うのだ。

ヘンな日本美術史(山口晃)

ヘンな日本美術史ヘンな日本美術史
(2012/11/01)
山口晃

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この本が近所の本屋で平積みになっていた頃、なんべんか、ぺらーとめくっては、買おうかな~と思いつつ、結局図書館で予約待ちをしていて、こないだまわってきた。

この本で山口が言及している「絵」とか「美術」作品は、実際にどっかで見たことがあるのも少なからず含まれていたが、なんというか、私がぼやーっと見ていたのとは全然違うところからパシーッと光を当てられたような、私が「見たつもり」でいた絵やら作品は、もしかして、こんど見たら全然違うように見えるかも…と、しまいまで読んで思った。

たとえば写実的な絵のことを"写真みたい"と評して、しかもそれが「スゲエ」という意味あいだったりするのは、やっぱり美術の教育というのが、こんなのがエエのやと指し示してきた結果なのかなーとも思った。

私が5年まで通った小学校(いまは廃校になった)では、毎年春に写生会があった。そして、どの学年も、毎年万博公園へ行って絵を描いた。写生がものすごくうまかったM尾君のことを、いまでも思い出す。その「うまいなあ」というのは、見たままのサイズで建物が並んでいるとか、遠近法がくるってないとか、今思えば、"写真みたい"なうまさなのだった。M尾君の絵は、真ん中にばーんと観覧車を描いたら、そのまわりはちまちまとなってしまうような絵とは違うものだった。そういうのを、私も含めてまわりの子どもは「うまいなあ」と思っていたのだな、と思う。

そんなことを思い出すと、「写生」というのを学んでしまったら、できなくなってしまうことがあるねんデという山口の指摘は、天動説じゃなくて地動説だというくらい、私にはどっかーんときた。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第67回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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