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読んだり、書いたり、編んだり 

レモンタルト(長野まゆみ)

レモンタルトレモンタルト
(2012/10/16)
長野まゆみ

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まだ図書館も開いてへんしーと、駅前の本屋を半時間ほどうろついて、長野まゆみのこの文庫を買う。長野まゆみ、なつかしーなー、『少年アリス』ってどんなんやったっけなーと思う(『少年アリス』は、そのむかし保育園から学童と一緒だった幼なじみに貸してもらった本である)。

若くして死んだ姉、その夫である義兄と、弟の私。姉の思い出がところどころに差しはさまれつつ、二世帯住宅の一軒家で、義兄と壁を隔てて隣に暮らす私の二人のちょっとフシギな話。私の周りで起こる妙な小事件について、推理好きの義兄は物語につくってみせる。そこは、ちょっと坂木司風。

短編工場(集英社文庫編集部)

短編工場短編工場
(2012/10/19)
集英社文庫編集部

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2013年さいしょに寄った本屋は、いつもの駅前と違って、ターミナル駅のちょっと大きいとこ。小一時間うろうろして、暮れにもろた図書カードがあるしー、図書館もまだ開いてへんしーと、文庫2冊と新書1冊を購入。その1冊。

なんか小説読みたいなーと思い、しかし長ーいのを読むには疲れ気味で、短編集を選ぶ。12人の作者のうち、読んだことある人は半分。"とびきりの12編を厳選しました"というだけあって、どれもなかなかの佳作。時代ものあり、児童よみもの風あり、青春小説あり、SF風のもあって、(へー、この人こんなんも書くんや)と思ったのもあった。

きもちのこえ 十九歳・ことば・私(大越桂)

きもちのこえ 十九歳・ことば・私きもちのこえ 十九歳・ことば・私
(2008/03/29)
大越桂

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2013年さいしょの一冊。『重症児者の防災ハンドブック』の巻頭「悲しみを越えて、小さな希望の種をまきましょう」には、大越桂さんの詩があった。その大越(おおごえ)さんが、筆談という表現手段を得て、言葉で自分の「きもち」を書いた本。

大越さんは819グラムの未熟児で生まれ、重度の脳性まひと未熟児網膜症による弱視のある子どもとして育った。大越さんが小学生の頃から、精神的ストレスによる周期性嘔吐症(思春期によくある摂食障害のひとつらしい)にみまわれていたのは、「伝わらない苦しみ」が大きかったのだろう。

▼…いろいろなことを考えるようになったり、自分の気持ちや欲求が複雑になってきているのに、心身の障害で多くのことを制限されていることで、思いが伝わらないストレスが大きくなるのではないかと秘かに考えていました。
 たまたま、私は表現できないけれど考えることはできて、言葉にするかどうかは別にしてもいろいろ思いが通じない苦しみを味わっていました。それを自分でどうすることもできない現実や、周囲の人々が関わる行動や考えていることが、どうやら私の願いとはだいぶ違っているということに気づきました。気づいても伝えられないので、吐く、という方法で体が反応したのだと思います。(pp.98-99)

夜の光(坂木司)

夜の光夜の光
(2011/08/28)
坂木司

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2012年さいごの一冊。この作者の名前は「ブックマーク」の本のアンケートでどなたかが書いていたことがあって記憶していたが、私のアタマの中ではなぜか「坂本司」に変換されていた。「坂本司」でいくら検索しても出てこんと思ったら、棒が一本なくて、坂「木」司だった。

いちど読んでみたくて、予約がないのを借りてみた。ぴらっと著者略歴をみると、同い年の人だった。しかも覆面作家だと書いてある。その昔、北村薫も覆面作家だったというが、はたして坂木司はどんな人なんやろ、、、と思いながら読む。

戦場とよぶ高校で、部員は「週に一回部室に集まり、季節ごとに夜空を望遠鏡で観察すること」というだけのゆるゆるの天文部に集まった4人の話が書かれていく。

それぞれの章には、ちょっとした謎があり、4人の経験と推理で、それが解かれていく。血なまぐさいシーンがない謎解きという構成は、大崎梢風でもある。

アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士たちの40年(朝山実)

アフター・ザ・レッド  連合赤軍 兵士たちの40年アフター・ザ・レッド
連合赤軍 兵士たちの40年

(2012/02/14)
朝山実

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12月にいっしょに飲んだKさんが、最近読んだ本としてこの『アフター・ザ・レッド』と、『戸塚ヨットスクールは、いま』の話をしていた。そもそもの関心は尼崎の(容疑者の女性が自殺してしまった)あの連続変死事件、いったいなんであんなことになったのかということへの興味だそうで、"閉鎖された系"で人間はどういう発想や行動をするのかというようなことを、いくつかの本を読みながら考えた、と聞いた。

『戸塚…』の本はあいにく近所の図書館になかったが、『アフター・ザ・レッド』はあったので、借りて読んでみた。

連合赤軍というと、あさま山荘事件。私にはリアルタイムの記憶はなく、鉄球がどーんという映像をテレビ番組で何度か見た記憶だけ。そして、後から判明した同志のリンチ殺人事件。読んだことはないが(図書館でぱらっと見たことはある)、永田洋子の『十六の墓標』という本がある…というくらいが、私の連合赤軍についての知識だった。

この本は、「連合赤軍事件」に関わった人たちが「その後をどう生きてきたのか」を聞いたもの。発端は、連赤事件をモチーフにマンガ『レッド』を描いている山本直樹を取材して人物ルポを書く仕事だったという。しかし、仕事はそこで終わらず、著者は、連赤事件の当事者たちと出会い、強い関心をもった。

よるの美容院(市川朔久子)

よるの美容院よるの美容院
(2012/05/23)
市川朔久子

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平田オリザの『幕が上がる』の前の日に読んだはなし。

幼なじみの交通事故がきっかけで黙りっ子になってしまったまゆ子は、親元をはなれ、遠い親戚のナオコ先生の「ひるま美容院」で暮らしはじめた。

「声が出なくなっていちばん困ったのは、自分が思っていることを伝えるのがむずかしくなったこと」(p.30)、おかげで筆談で自分の言いたいことをぱぱっと書くのは上手になった。

まゆ子は、美容院の開店準備を手伝い、ナオコ先生に頼まれた買い物を、メモ帳に字を書きながら商店街ですませていく。商店街のお店では、まゆ子のような"わけあり"の子だって構うことなく声をかけてくる。

「あら、まゆこちゃん、お使い?」「今日はサンマがいいけど、いらないかい?」「ねえ、まゆ子ちゃん。明日はお店の予約どう? つまってた?」等々と。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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