読んだり、書いたり、編んだり 

かさぶたってどんなぶた(小池昌代・編、スズキコージ・絵)

かさぶたってどんなぶたかさぶたってどんなぶた
(2007/09)
小池昌代・編
スズキコージ・絵

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へのへのもへじ文庫での探しもの…スズキコージのブタで、お経で、絵本サイズというのは、『ぶたのぶたじろうさん』ではなくて、『かさぶたってどんなぶた』がアタリというので、図書館でさっそく借りてくる。

「絵本 かがやけ詩」という、詩を編んだシリーズの一冊目「あそぶことば」。収録詩のひとつ、阪田寛夫の「お経」というのが、おかしすぎる! スズキコージの絵もイイ。そして、声に出して読むのがキモチイイ。読んで、楽しい。声に出してて、からだが笑うかんじ。

これは、まるで、はせみつこが編んで、飯野和好が絵をかいている、あの『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』とか、『みえる詩あそぶ詩きこえる詩』のようである。

田中角栄─戦後日本の悲しき自画像(早野透)

田中角栄─戦後日本の悲しき自画像田中角栄
─戦後日本の悲しき自画像

(2012/10/24)
早野透

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書評などもいくつか出てたので、図書館ではふさがってると思っていたら、空いていたので借りてみた。新書ながら、400ページ超というボリューム。

朝日新聞で角栄の首相番だった著者は、ロッキード事件による逮捕から最期まで、至近距離で角栄を追い続け、話を聞いた。途中では新潟支局勤務を希望して、角栄の産まれ育った地、そして選挙区であった「新潟三区」を歩きまわった。

小学生のころ、テレビから聞こえるニュースで何度も聞いたのは「ロッキード」とか「コーチャンシ」「マルベニルート」「ゼンニックウルート」。年表を見ると、角栄が逮捕されたのは、私が小1のときである。その頃はまったく意味が分からなかったが、こうして通史のように角栄の足跡を読むと、そういうことなのかとようやく腑に落ちる思いがする。

角栄と中曽根が同年だというのも驚いた。同い年で、同じ戦後二回目の選挙で当選したという中曽根と角栄だが、いまも生きている中曽根、私が中学生から高校生の頃ずっと首相の座にあった(靖国参拝やロンヤスなどくっきり記憶にある)中曽根と、亡くなって20年経とうという角栄、私が小学校に入る前に首相だった(だから現役の首相という記憶がない)角栄とは、一世代くらい違う気さえしていた。

現役の議員とか首相としての記憶がほとんどなく、角栄といえばロッキード事件、選挙区への利益誘導や金による政治と、私は思っていた。その根本的な像は大きく変わらないものの、この本で、1918年、大正7年うまれの角栄が、どのように生い立ち、若い頃にどう飯を食ってきたか、どうして政治の世界へ出るに至ったかというところから読んで、角栄が何をしようとしたか、そして「戦後日本」がなぜ今のようになってきたかが、少し分かる気がした。

ぶたのぶたじろうさんは、だれかにてをふりました。(内田麟太郎・文、スズキコージ・絵)

ぶたのぶたじろうさんは、だれかにてをふりました。ぶたのぶたじろうさん
は、だれかにてをふりました。

(2011/06)
内田麟太郎・文、スズキコージ・絵

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このところ忙しすぎて飛びがちな「休み」の振替を半日とって、金曜の午後は、へのへのもへじ文庫へ。モンキーさんの『特急おべんとう号』をオモロイ、この絵がイイと読んでいた子が、いちど読んだ本をまた読みたいと探していた。なんだったか思い出せなくてもう一度借りたいけど探せないのだという。

・絵はスズキコージ
・表紙はブタ
・ふつうのサイズの絵本
・お経みたい
・わりと新しい本

という情報を、その子と母上から聞く。図書館でも探してもらったらしいが、みつからなかったそうで、「図書館で借りた気がするけど、もしかしたら文庫で借りたのだったかな」との話。

文庫にあったスズキコージの本は、違うのだという。周りの大人は、それだけ情報があれば探せそうな気がするが……と言いつつ、私もたいへん気になって、「もし、何の本か分かったら、おしえてください!」と頼んで帰ってきた。

スズキコージの絵本もやまのようにあるので、「スズキコージ ぶた」で検索して出てきた中で「表紙がブタ」の『ぶたのぶたじろうさん』シリーズから、昨年出ている9巻目を借りてみた。

出生前診断とか遺伝子検査とか

明日(12/23)はこれ↓

12月23日(日)、大阪・東京で「新型出生前診断」をテーマに集会同時開催!


出生前診断とか遺伝子検査とか、技術はどんどんスゴイことになっていく。遺伝子検査は、十数年前に母にくっついて難病連のあつまりに行ってたころにも話題になっていて、とくに"遺伝"の可能性のある病気の方は、子どもさんの遺伝子検査を受けるかどうか、その結果を子どもに伝えるかどうかという話をしていた。「知らない権利」というのを、そのときに知った。

私の母が罹った神経難病は、遺伝型と孤発型があるそうで、難病連に来ていた方のなかには、子どもさんが遺伝型で発症して、先に亡くなられているケースもあった(弧発型よりも、遺伝型のほうが発症が早い傾向があった)。母は孤発型と診断され、遺伝はないだろうということになっていたが、同じ病気の遺伝子は私にもあるかもな~と思うことはある。

遺伝子検査を受けるつもりは私には全くないけれど、かりに私に病気を発するであろう遺伝子が見つかったとして、それは、どんなことになるかなとは考える。サベツにつながるのかもしれない。意欲や希望に陰りがさすかもしれない。発症したなら、尊厳死とかいうことにつながるのかもしれない。母がそうだったように、治療法の実現を期待するかもしれない。
Genre : 日記 日記

海を守るたたかい(松下竜一)

海を守るたたかい(松下竜一)海を守るたたかい
(1981/03)
松下竜一

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『暗闇の思想を』
を読んだあと、図書館で松下センセの名前を検索してみると、近所の図書館の書架ありの本のなかに、この『海を守るたたかい』があった。もしかして豊前火電阻止と関係あるかと棚を見にいくと、それは差し止め訴訟に「アハハハ…敗けた、敗けた」という、"敗けたたたかい"が記された本だったので、借りてきて読む。内容の一部は
『暗闇の思想を』
とも重なる。

なつかしの、ちくま少年図書館の一冊。この松下センセの本のことは知らなかったけれど、むかしこの少年図書館の本はけっこう読んだ。

1979年8月31日、豊前火電の差し止め訴訟は、みごとに敗けた。満6年にわたって全力をつくしてきた裁判だったが、完敗だった。「環境権」を掲げてたたかった裁判は、審理をつくすどころか、門前払いされたのである。

その判決理由を一言でいえば、「原告が主張するような環境権という権利は、いまの法律のもとでは認められないから、原告たちにはこの裁判をおこす法的根拠がないということになる。したがって、この裁判はそもそも成り立たないものとして、却下する」(p.252)ということである。

暗闇の思想を―火電阻止運動の論理(松下竜一)

暗闇の思想を―火電阻止運動の論理(松下竜一)暗闇の思想を
―火電阻止運動の論理

(1985/05)
松下竜一

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松下竜一の『暗闇の思想を』を図書館で探すと、朝日新聞社から1974年に出た初版が出てきた(上の画像は、その後に出た現代教養文庫版のもので、この表紙に使われている絵は、『草の根通信』第9号に"七人の侍"のイラストとして出たもので、初版の239ページに載っている)。

サブタイトルの「火電」とは、周防灘開発の電源基地として建てられようとしていた豊前(ぶぜん)火力発電所のこと。大分・福岡・山口の三県に囲まれた海域である周防灘は遠浅の海で、松下さんはそこで子どもらと貝掘りを楽しみ、浜の松原を眺めていた。その海を埋め尽くして、巨大なコンビナートが来ようとしていた。

ちょうど私が生まれた5月に出された新全総=新全国総合開発計画によって、この周防灘開発は進められようとしていた。6月に周防灘を視察した国土開発審議会視察団は、「沿岸後背地に近接して、広域にわたり市街地があるので公害防止対策がむつかしい」(p.23)と指摘している。

コンビナートにやってくる企業サイドの利点として、陸海空の交通至便だとか北九州・周南・大分などに既存の工業集積があるなどとあげられているが、「公害防止対策がむつかしい」という一点からだけでも、企業サイドの利点という条件を否定しさる権利があるのではないだろうか、と松下センセは書いている。

週刊金曜日 部落差別を考える(2012年11月16日号)

週刊金曜日 部落差別を考える週刊金曜日
部落差別を考える

(2012/11/16)


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特集が「部落差別を考える 『週刊朝日』問題の本質」というので、どこかで買おうと思ってるうちに、もう次の号が出ていて手に入れそびれ、図書館で借りてきた。11月に参加したらいとぴあのセミナー「いま、"部落"をこどもにどう伝える?」が取材されていたのも載っていた。

特集記事は3本。
・角岡伸彦「『週刊朝日』問題の本質」
・野中大樹「大阪ルポ うちって「部落」なん?」
・編集部/構成「知っている人もそうでない人も! 部落問題Q&A」

『週刊朝日』の当の記事を私は読んでいないのだが、このかんに書かれたものをいくつか読むかぎり、それはアカンやろという内容だと思える。

角岡さんはこう書いている。
▼…[橋下氏の]「非寛容な人格」「厄介な性格」を問題にするために、橋下氏の両親や橋下家のルーツを徹底的に調べなければならないという論理には、飛躍があり過ぎる。これでは、被差別部落にルーツを持つから問題ある人物になった、としか読めない。…(p.19)
 …佐野氏の記事は、「非寛容な人格」「厄介な性格」と父親の出自を安易に結びつけたことが問題なのであり、「同和地区を特定した」のは、問題の本質ではない。(p.20)

みんなの図書室 2 (小川洋子)

みんなの図書室 2みんなの図書室 2
(2012/11/17)
小川洋子

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こないだ読んだ『みんなの図書室』がよかったので、2冊めを読むのもたのしみにしていた。

この2冊めは、週1度のラジオ番組で2009年夏~2010年夏のあいだにとりあげられた40数冊についてまとめてある。

1冊めは、紹介されているうち読んだ本が半分くらいあったが、この2冊めは(タイトルは知っていても)読んだことのない本のほうが多かった。小川洋子が「ただ面白い本について思うままを語る。それに尽きます。」(p.3)とまえがきに書いているように、その紹介は、小川が感じ、考えたことを自由に書いていて、読んでいて気持ちがいい。

そして、未読の本も、むかし読んだ本も、読んでみたくなる。自分がいまこの本を読んだら、どう感じるだろう、どう思うだろうと、考えると心がおどる。

マローンおばさん(エリナー・ファージョン)

マローンおばさんマローンおばさん
(1996/10/25)
エリナー・ファージョン

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へのへのもへじ文庫で、ファージョンの本やと借りてみた。どんな話かなと思ったら、これは、マローンおばさんがどんな人であるかをうたった詩なのだった。

森のそばでひとり暮らしのマローンおばさん。おばさんをの様子をたずねる人はひとりとてなく、心にかける人もいない。

おばさんの家へたどりついた、スズメ、ネコ、母ギツネと子ギツネ、ロバ、クマ―みな弱りはて、やせこけて、おなかをすかしていた。おばさんは、動物たちを中へ入れ、「あんたの居場所くらいここにはあるよ」と声をかけ、わずかずつでも食べ物を分けあった。

「神さまは ご存じさ、どんな動物たちだって みんな 生きていかなきゃいけないってことを」(p.25)

私は私らしい障害児の親でいい(児玉真美)

私は私らしい障害児の親でいい私は私らしい障害児の親でいい
(1998/10)
児玉真美

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『アシュリー事件』『海のいる風景』に続き、児玉真美さんのその前の本『私は私らしい障害児の親でいい』を図書館で借りてくる。近所の図書館にはなくて、ヨソからの相貸。

「まえがきにかえて」を読んだところで、この人やっぱりスゲーと思う。
重症児の施設で暮らしながら養護学校へ通う娘の海さんが、月に一度、地元の小学校へ「交流学習」に行くことになり、その打ち合わせの席でのこと。

校長、教頭、学年の4人の担任がずらりと並び、開口一番言うことには「海さんが来られるからといって、その日だけ給食を一人分増やすことはできません」(p.5)。さらに続けて、こんなことはできません、こんなこともできません、こんなことはまさか望んでないですよね…と列挙した上で、「それでも来たいというのなら、仕方がないから来させてあげてもいい」(p.5)という態度。

挙げ句に言うことが、もし万一、ウチの児童が海さんの心を傷つけるような言動をしたときには、すぐに言えと。

▼…まったく笑わせてくれます。教師の自分たちがこれだけ「本当は、海さんが来るのが迷惑」と暗に邪魔者扱いしておきながら、子どもの「差別発言」にだけはぴりぴりしている。(アンタたちのそういう姿勢こそが、子どもたちの間に無用の垣根をつくってんだよ)
 私はお尻から火を吹いてハワイあたりまで飛んで行きそうな鼻息で、家に帰ったのでした。(p.6)

12月23日(日)、大阪・東京で「新型出生前診断」をテーマに集会同時開催!

『We』読者さんからのご案内です。
新型出生前診断とも呼ばれる検査について、たくさんの立場から考えます。この検査について関心のある方、詳しく知らない方も、ぜひどうぞ。
大阪と東京で、同時開催です。
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2012年1223日(日)、大阪東京で「新型出生前診断」をテーマに集会同時開催!

大阪: 血液検査だけで子どもの「障がい」がわかるって それっていいこと? わるいこと?
   2012年12月23日(日) 13時半 大阪ドーンセンター
東京: 新しい出生前検査について語ろう
   2012年12月23日(日) 13時半 文京シビックセンター

『We』181号(特集:それぞれの私を生きる)のご紹介

『We』181号(2012年12・1月号)ができました。
http://femixwe.cart.fc2.com/ca19/79/p-r-s/
(1冊800円+送料80円)

この号の特集内容と新連載についてご紹介です。

『We』181号 特集:それぞれの私を生きる特集:それぞれの私を生きる

お話:日塔マキさん
ガールズからガールズへ
─福島20代女子たちの「ピーチハート」

福島の若い女性たちが「自分らしく」生きられるよう、本音で語り合い、つながる場づくりをめざして立ち上げた団体「ピーチハート」。メンバーの一人、日塔マキさんの、"ミーハー力"全開の社会起業家としてのセンスと行動力にエールを送りたいと思います。

寄稿:北村みどりさん
今 そして これからをたいせつに生きるために
―みんなの放射線測定室「てとてと」

宮城県南部で、有機・自然農・平飼養鶏などに取り組んできた生産者は、「責任をもって出荷する」ために、放射線を測ることが不可欠だと動き出しました。小さな町の放射線測定室から発信する小冊子『てとてと』は測定室と、避難した人、残った人、それぞれの日常を淡々と綴り心に響きます。

お話:西村理佐さん
いま、そこに在るいのち
超重症児といわれる娘の帆花さんを育む西村理佐さん。一生懸命に生きているいのちが、まるで存在しないように扱われる場面に何度も遭遇しながら、帆花さんが「生きて、ここにいます」と発信を続けてきました。同じいのちを生きる私たちが、お互いに生きていることを喜びあえる社会であってほしいとの願いが伝わります。

新連載:栗田隆子さんの連載がはじまりました
「気持ち悪い」男~リブ的運動内違和感ノート~
運動の中で男たちから感じてきた怒り。その《気持ち悪い》としか表現しようがなかった違和感を言葉にしていきたいと、栗田隆子さんが運動の中の性差別、支配と被支配のテーマに挑みます。

その他、読みごたえのある連載がもりだくさんです
http://femixwe.cart.fc2.com/ca19/79/p-r19-s/

定期購読もぜひどうぞ
http://femixwe.cart.fc2.com/ca15/33/p-r15-s/
(年6冊、送料込み、5,000円)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第43回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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