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読んだり、書いたり、編んだり 

株式会社 家族(山田かおり、山田まき・絵)

株式会社 家族株式会社 家族
(2010/02/10)
山田かおり
山田まき・絵

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なにかで、この本の続き(?)の『株式会社 家族 ~私も父さんに認めてもらいたい篇~』が言及されているのだったか紹介されているのだったかを見て、読んでみたくなり、しかし今年出たその新しい本は図書館にはなくて、前の本があったので、とりあえずそれを借りてくる。

文章は二色で刷られていて、文章の合間(合間としか言いようがない)や、ページのすきまに、よろよろ~とした線で描いた絵が入っている。誰が描いた絵なんやろ、ご本人かなと思っていたら、読み終わって奥付まできて、絵を描いてる山田まきさんは、著者の山田かおりさんの妹だと判明。

読んでる途中で、わ、誰か前に借りた人がしおり代わりに写真挟んでるデと思ったら、それはこの本ができたときから綴じ込まれている写真であった。

妹と母と父と私と、家族のことが、そこはかとなくおかしみのこみ上げる文章で綴られている。ドライブスルーでフライドポテトのことを「ポテトチップ」と言い、スターバックスのことを「オートバックス」と言う父に、「そのままでいて欲しくてなかなか本当のこと言えないままでごめん」(p.15)なんてことが書いてあったりする。

弱き者の生き方(大塚初重、五木寛之)

弱き者の生き方弱き者の生き方
(2009/07/03)
大塚初重、五木寛之

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梯久美子の『昭和二十年夏、僕は兵士だった』に出てくる大塚初重さんと、『昭和二十年夏、子供たちが見た日本』に出てくる五木寛之との対談をまとめた本。予約待ちが何人かいてはったので、しばらく待っていた。

取材仕事に出た行き帰りに読む。

大塚さんは、下士官として乗った輸送船が二度も撃沈されながら、生き残った。五木寛之は、平壌で敗戦を迎え、引き揚げてきた経験をもつ。その途中で、女性を人身御供にして自分たちが三八度線を越えたことを忘れない。

二人はそれぞれに、それぞれの経験を語ってきた。二人はこう述べている。
大塚 …私はこれまで何度となく自分の体験を語ってきました。でも、それでもなおくり返しくり返し語らなければと思うのです。私たちの世代の人間には、その体験を次の世代に伝える義務がある、とね。だからこそ、人に話せないような恥ずかしい体験も語るのです。五木さんもそうでしょう?
 五木 ええ。日本の歴史、とかいうけれど、一人ひとりの個人の体験をふまえない歴史なんて、フィクションにすぎないんじゃないかと。(p.18)

棺一基 大道寺将司全句集

棺一基 大道寺将司全句集棺一基 大道寺将司全句集
(2012/04/03)
大道寺将司
辺見庸(序文・跋文)

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大道寺将司さんのことを読んだのは、松下竜一の『狼煙を見よ』だった。戦後、政治犯として初めて死刑が確定した人だ。

大道寺さんの『死刑確定中』は1997年の本で、この句集には、ほぼその後の期間にあたる1996年から今年まで、大道寺さんのよんだ数千句のうちから、1200句ほどを収めている。タイトルは、2007年夏によまれた「棺一基四顧茫々と霞みけり」の上五からとられている。

友が病む獄舎の冬の安けしを
夏深し魂消る声の残りけり
大逆の刑徒偲ぶる寒暮かな
母の日や差し入れらるる本二冊
それぞれの命輝く冬木の芽
狼や見果てぬ夢を追ひ続け
冬ざれの空アフガンに続きをり
いくたりを犯さば忠か敗戦忌
死はいつも不意打ちなりし十二月
日月を試練と思ふ木の葉かな
ゆきしものみなはしけやし初桜
国家より一人一人ぞ霜の声
ははそはのははのいまさぬ四月尽
異なものを除く世間ぞすさまじき
日を仰ぐその喜びや寒に入る
衣更着や存ふことは痛むこと
揺れ動く壁鳴り止まぬ浅き春
胸底は海のとどろやあらえみし
秋の水百年の忌を修しけり
新玉の年や原発捨てきらず

みんなの図書室(小川洋子)

みんなの図書室みんなの図書室
(2011/11/17)
小川洋子

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しばらく前から、本屋の前をとおると、小川洋子の『みんなの図書室2』というのがあって、2があるなら1もあるんやろと図書館で1冊目を借りてきた。

本を紹介するラジオ番組の放送をもとにまとめたというもの。毎週1冊の本について自由におしゃべりするという番組は、今も続いているらしい(日曜午前の30分、全国38局ネットだそうだ)。

この本にまとめられているのは2008年の夏から2009年の夏までの1年でとりあげた50冊のこと。
▼物語のどこに心揺さぶられたか、登場人物の誰が一番気になるか、どの場面でうなずき、怒り、涙ぐんだか、一生懸命しゃべっているうち、マイクの向こう側にいる読書好きの皆様の、共感や異議申し立ての声が聞こえてくるような気がしてきます。会ったこともない、名前も知らない人々と、たった一冊の本を仲立ちにして繋がり合っているのを感じるのです。(p.3)

とりあげられている本のうち、半分くらいは読んでいるのだが、小川洋子の紹介する文章を読んでいると新鮮で、まるでその本に新たに出会うようで、また読みたくなるのだった。
Genre : 日記 日記

セラピューティックコミュニティ―回復をめざし共に生きる(アミティを学ぶ会)

セラピューティックコミュニティ―回復をめざし共に生きる(アミティを学ぶ会)セラピューティックコミュニティ
―回復をめざし共に生きる

(2004/03)
アミティを学ぶ会

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山下英三郎さんの話や、西鉄バスジャック事件の山口由美子さんのお話など、『アミティ・「脱暴力」への挑戦』の本と重なるところもあった。

これは、2001年10月におこなわれたシンポと、2002年から2003年にかけておこなわれた連続勉強会の記録集。シンポには、アミティ創立者でもあるナヤ・アービターさんとベティ・フレイズマンさんを招く予定だったが、9月に起こったいわゆる同時多発テロによって、来日企画は延期せざるを得なくなり、ゲストやテーマを変更してシンポは開催された。

仙台ダルクの飯室勉さん、山口由美子さん、子どもをめぐる事件を数多く担当するほか子ども虐待防止活動にも関わる弁護士の多田元さん、CAP岡山の市場恵子さんをまじえたシンポ「暴力とアミティ」のそれぞれのお話もよかったのだが、この本の後半に収録されている、連続学習会の記録がとくによかった。

武井麻子さんの「治療共同体としての精神病院」、境屋うららさんの「ピアカウンセリング-自分を認め、受け容れること」、法務教官をつとめてきた魚住(緒方)絹代さんの「少年たちから教えてもらったこと」、大阪ダルク設立者で、フリーダムのコーディネーター、倉田めばさんの「薬物依存とジェンダー」、自立援助ホームの寮母、三好洋子さんの「子どもたちと暮らして、思うこと」。

女性をめぐる暴力―生き延びるためのプログラム (アミティを学ぶ会)

女性をめぐる暴力―生き延びるためのプログラム (アミティを学ぶ会)女性をめぐる暴力
―生き延びるためのプログラム

(2004/10)
アミティを学ぶ会

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アミティを学ぶ会の本を探したら、ヨソの図書館に記録集があって、相貸で借りてくる。

アミティを学ぶ会が2004年1月にひらいたフォーラムの記録集。アミティスタッフであるシャナさんのお話「私の人生体験から得た贈り物」、ロビンさんのお話「希望は語ることから始まる」、ダルク女性ハウスのスタッフ上岡陽江さんのお話「必ず生き直せる、そして願うこと」、薬物依存症のピー子さん(ダルク女性ハウスのスタッフ)の「ハイヤーパワーからの贈り物」、依存症で虐待ママのカズエさん(LMG愛したい母の会メンバー)の「自分の癒しに取り組めるシステムを」。

5人の女性のお話と、シャナさん、ロビンさん、上岡さんによるシンポジウム「暴力を生き延びて―希望と回復への道―」の記録がおさめられている。

ハルエさんの『その後の不自由』や、ダルク女性ハウスの本は以前に読んでいるが、アミティの本を読んでいて、また読みたいと思った。

上岡さんが「人と較べなくていい、自分のことを見ていい」というところが、一番心に残った。アミティやダルクにつながった人たちは、もの凄い激しい体験をしている人もいて、それと較べると、自分はあまり事件がないとかいう話になりがちだけれど、"やさしい暴力"もいっぱいある、殴る蹴るの暴力はなかったにしても、ずっと言えなかった思いがあったり、ずっと孤独だったり、そこを死なずに生き延びてきた「私」を、人と比べちゃいけないと。

▼…人と比べちゃいけないですね、自分自身を。人と比べることはホントよくないね。私にとっての悲しいこと、私が受け入れられない、飲み込めないこと、そういう自分のことをきちんと見ていいんだ、っていうふうに思えるところから始まるのかもしれないですね。(p.54)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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