町かどのジム(エリノア・ファージョン)
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へのへのもへじ文庫で借りてきて、一度ちらっと読みかけたときには乗らず、また積んでいて、それから再び読みはじめたら、町かどのポストのそばのミカン箱にいつもすわっているジムじいさんと、通りに住むデリーとのやりとり、そしてジムがデリーに聞かせる話に、ぐぐっとひかれて、イッキ読み。
「ことしの8月10日まで生きていたら、わしは80になる」というジム。8歳のデリー。むかしは「ゆり木馬号の第一水夫だった」ジムがこの目でみて経験したという話は、なんとも奇想天外で、読んでいてわくわくするし、心がほころぶ。このお話を読みながら、私は紙芝居劇むすびのおっちゃんたちを思い浮かべたりした。
最終話は「ジムの誕生日」。8月10日、デリーは「お誕生日おめでとう、ジム!」と大はしゃぎで、そしてパパの車で「いっしょに海岸へ行くんだよ」とジムに言う。
デリーは自分の誕生日に、ジムに「お誕生日に、なにがいちばんほしい?」ときいたとき、「海をみることだよ」「ほかのなによりも、わしは海が見たい」と言ったジムのことばをしっかりおぼえていたのだ。
エリノア・ファージョン、いいなあ。カバーと中の絵はアーディゾーニで、これもいい。
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