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青い絵具の匂い─松本竣介と私(中野淳)

青い絵具の匂い─松本竣介と私青い絵具の匂い─松本竣介と私
(2012/07/21)
中野淳

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新聞書評欄の隅、文庫・新書の短評でちらっと見て、むしょうに読みたくなって、中公文庫をまあまあ置いてる2駅隣の本屋へ行ってみるも、在庫なし。最寄り駅の本屋で、チェーンの他店に在庫があるというので、注文して2日後に入手。すぐ読んでしまった。

8月に仙台へ行った時、宮城県美で生誕100年の松本竣介展をやっていた。県美へは行かなかったけど、そのポスターを見て、生誕100年やったら祖母と同い年の人なんやと初めて気づく。81で死んだ祖母はまだ最近の人だが、30代半ばで死んだ松本はもうずっと前の人のようで、同世代という感じがしない。

この本は、生前の松本と親しく行き来していた中野淳が、松本との出会いから、その没後までを書いたもの。中野は、1943年、新人画会展に出品された松本の「運河風景」と出会い、この画家に会いたいと強く思い、その年のうちに知人に紹介してもらって松本を訪ねる。松本が31歳、中野は18歳の画学生だった。

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記(北原みのり)

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記
(2012/04/27)
北原みのり

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ずらっと予約がつくような本かと思ったら、図書室で空いていたので借りてみた(私が借りたあとで、ぱたぱたと予約がついたようだ)。「ブックマーク」つくって発送がすんだ晩に、読む。サブタイトルにあるように、被告人・木嶋佳苗さんの100日にわたった裁判員裁判の傍聴記である。「できるだけ法廷の空気や、佳苗の様子を書いていくことを心がけた」というように、証人の言葉遣い、検事や弁護士の立ち居振る舞い、佳苗の服装や表情が、傍聴する北原自身の感想とともに記されている。

裁判を傍聴した著者の北原みのりは、「木嶋佳苗という女が、全く全く全く、分からなかったから」事件に興味をもったのだという。これまで女性の犯罪者には、どこかで(同じ状況だったら私も同じことをしたかもしれない)という想像ができたし、どこかで共感や同情がもてたけれど、木嶋佳苗に対しては、そういう感情が一切持てなかった、こんなことは初めてだった、というのだ。

▼分からないからこそ、彼女を知りたいと思った。なぜなら、時代と社会の空気と無関係な犯罪なんて、ないから。彼女の事件から見えてくるのが、女と男とセックスの問題ならば、なぜこんな事件が起きたのかを知りたい、知らなくちゃという思いになったから。(p.6)

そして北原は、裁判を傍聴しながら、「毒婦と呼ばれた女とは何か」を考えていく。毒婦、セックスを利用し男たちを陥れる女、という含みのある言葉。だが、女性の犯罪者に「毒婦」と貼り付けながらも、北原が書くように、女に対するダブルスタンダードはずっとある。「女は、毒婦のように魅力的であれ、しかし毒婦にはなるなと、言われ続けているようなものだ。」(p.198)
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在92号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第69回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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