読んだり、書いたり、編んだり 

Weフォーラム2012 in 福島(8/4-5、福島県・二本松)

いよいよ今週末となりました。
Weフォーラム2012 in 福島
日程:2012年84日(土)-85日(日)
会場:福島県男女共生センター「女と男の未来館」

来て、感じて、伝えてほしい…
放射能汚染の中で
生きのびるために
  

8/4(土)の全体会・シンポジウムは、定員となりました
8/5(日)の分科会はまだ席に余裕があります

妊娠を考える―〈からだ〉をめぐるポリティクス(柘植あづみ)

妊娠を考える―〈からだ〉をめぐるポリティクス妊娠を考える 
―〈からだ〉をめぐるポリティクス

(2010/10/22)
柘植あづみ

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出生前診断の章があったので、借りてきていた本。けっこう厚く、字が多く、読めるかな~と思っていたが、読みはじめたらおもしろくて、一晩で読んでしまった。著者は、量的データも見つつ、質的調査を続けてきていて、その一つひとつの事例の紹介に際しては、自分自身を通した問いかけがあり、そのときどきに感じたことが率直に書かれていて、読んでいてその姿勢に好感をもった。

▼この本では、「赤ちゃんが生まれること、生まれないことがその社会や文化においていかに意味づけられ、それが一人ひとりの女性の人生にいかに作用するか」を紹介しながら、妊娠・出産、避妊や中絶、そして不妊をめぐる政治、経済、社会・文化について、いろいろな軸から読み解いていきたいと思っています。(p.v)

▼この本は、子どもを妊娠すること、出産することに関わる医療や生命科学の発達が、それぞれの社会や文化において、いかなる問題を解決しようとしているのか、その応用によってどんな新たな課題や問題をもたらすのかについて、医療人類学や社会学、女性学/ジェンダー論、生命倫理学などのアプローチを用いて、答えようとするものでもあります。
 さらに、数多くの社会問題の中で、科学技術によって解決しようとする課題や問題はいかに選ばれるのか、なぜその課題の解決が必要だとされ、それ以外の課題は生命科学や医療の対象として見向きもされないのか。それについても考えようとするものです。(p.vii)

子どもの声を社会へ―子どもオンブズの挑戦(桜井智恵子)

子どもの声を社会へ―子どもオンブズの挑戦子どもの声を社会へ
―子どもオンブズの挑戦

(2012/02/22)
桜井智恵子

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子どもが、いじめや子どもをとりまく困難と取り組めるよう助けるために考案された公的な制度「子どもの人権オンブズパーソン」。兵庫県の川西市でオンブズパーソンを務める著者が、その制度について、オンブスパーソンがどのように関係に働きかけ、社会に働きかけていくかを伝える。そして、「問題」のつくられ方にはその社会のありようが反映しており、どう考えていけば問題解決に向かえるだろうかということも書いている。

オンブズとは、「公正中立の立場に立って行政を監視する機能を持つ市民の代理人の意味で使われ、調査に基づいた勧告などを行う権限がある。」(p.12)

川西市のオンブズパーソンのページには、条例第1条(目的)を子どもたちにもわかりやすくと書きなおしたこんな文章がある。

子どもは、みんな人間として大切にされなければなりません。
子どもを大切にする社会は、みんなが幸せになれる社会です。
一人ひとりの子どもが人間として大切にされる社会をつくることは、おとなの責任です。
だから川西市は子どもの権利条約を大切に実行していきます。
子どもを守る「子どもの人権オンブズパーソン」をつくります。
そして一人ひとりの子どもの人権を大切にして、たとえば、いじめ、体罰、暴力、虐待などで、子どもが苦しむことのないようにします。

3.11後の東日本で起きたこと 避難移住者たちの手記(東日本原発事故体験者ユニット 内部被曝から子どもを守る会 関西疎開移住(希望)者ネットワーク編)

3.11後の東日本で起きたこと 避難移住者たちの手記『3.11後の東日本で起きたこと 避難移住者たちの手記』
東日本原発事故体験者ユニット 内部被曝から子どもを守る会 関西疎開移住(希望)者ネットワーク編

先日の「内部被ばくを生き抜く」上映会&避難者のお話を聞く集いのときに頼んでいた『避難移住者たちの手記』が届く(表紙のデザインが、私のところに届いたやつはちょっと違うけど)。

福島第一原発の事故をきっかけに、西日本へ避難・移住してきた方たちが書いた手記。なぜ避難・移住せざるを得なかったのかを記すのは、「東日本全体におよぶ放射能汚染の実態を伝え、将来、子どもたちに健康被害が出たときの闘いのため。地域や家族から孤立しても避難移住してきた親たちが、家族や西日本で理解者を増やしていくため。避難・移住を希望する家族が、必要な理解や支援を受けられるように。私たちが経験したことを、二度と繰り返さないため。私たち自身が表現し、伝えていくことで、このぎりぎりの闘いを回復と希望として明日につなぐため。」(p.3)

それぞれの人が、避難移住を決めるまでに、「気にしすぎ」「心配しすぎ」「神経質」と言われ、子どもや自分の体調の変化に怯え、自分の判断が間違っているのか?と悩みぬいていた。そして、もっと線量が高いところで暮らす子どももいるのに、自分が逃げていいのかという葛藤もかかえていた。西日本へ来てからも、福島からならともかく、東京や千葉、埼玉から逃げてくるのは「気にしすぎ」「心配しすぎ」「神経質」という声に悩まされている。

読むのがちょっときつかった。でもこの「あなたの気にしすぎ」と抑えられてしまうのは、何かに似ていると思えて、何やろう何やろうと思いながら読んだ。

核燃料―探査から廃棄物処理まで(大熊由紀子)

核燃料―探査から廃棄物処理まで(大熊由紀子)核燃料
―探査から廃棄物処理まで

(1977/02)
大熊由紀子

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大熊由紀子さんといえば、『「寝たきり老人」のいる国いない国』? 『恋するように、ボランティアを―優しき挑戦者たち』? あるいは『Volo』でやってた「ゆき@…」の連載? ・・・・・ 大熊さんのサイトにあるように、"福祉と医療、現場と政策をつなぐ"というのが私の知っていた大熊さんの仕事だったが、その昔、1976年の6月から9月にかけて(私が小学校1年生の頃だ)、大熊さんは朝日新聞の科学部記者として、「核燃料―探査から廃棄物処理まで」という48回の連載をし、それが本になったのがこれだ。近所の図書館に所蔵があったので、借りてきて読んでみる。

『福島原発の闇』では、朝日新聞社の場合は科学部記者が「原発礼賛」記事を長期連載し…と書かれている。昨年から、原発推進してきた人のリストみたいなのをネットで見ると、そこに大熊由紀子と入っていることが何度かあって、大熊さんは何をしてきたんかなと思っていた。

「あとがき」の最後にはこう書いてある。
▼…私は、そのような人びと*を含め、すべての人が、核燃料についての実地の基礎知識を持ったうえで、冷静な判断を下してほしいと願い、記事を書き、この本を作った。
 長年、科学記者として核燃料のことを取材し、考え続けてきた私のたどりついた結論は、本文でも述べたように「核燃料からエネルギーを取り出すことは、資源小国の日本にとっては、避け得ない選択である」ということである。 1977年1月 大熊由紀子 (p.305)
*この前段で、核燃料や放射線の人体への影響などについて正確な知識を持ち合わせないまま原発廃絶を訴える多くの人たち、と述べている。

『We』179号(特集: "希望"を集めて流れを変える)は間もなく納品

『We』179号(2012年8・9月号)が間もなく納品になります。
1冊800円+送料80円 ↓ご注文はこちら
http://femixwe.cart.fc2.com/ca19/77/p-r19-s/
※179号ご注文の発送は7/30(月)から※


特集:"希望"を集めて流れを変える

We179【お話】佐々木 真理さん(チェルノブイリ子ども基金
チェルノブイリは今も続いている
【お話】花岡和佳男さん
(国際環境NGOグリーンピース・ジャパン)     
海から食卓へ拡がる放射能汚染
【お話】上野千鶴子さん、木村榮さん
女友だちはおもしろい
【インタビュー】平川和子さん
女たちから女たちへ──24時間ホットラインのスタート

俺に似たひと(平川克美)

俺に似たひと俺に似たひと
(2012/01/20)
平川克美

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医学書院の「かんかん」(看護師のためのwebマガジン)で連載されていたのが本になったもの。図書館で数ヶ月待っていたのが届く。
図書館の分類は913、小説である。
そうか、これは小説だったのか、と読み終えて思う。

父親を介護した1年と半年、その間の「俺」と「俺に似たひと」との物語。
「俺」というフィルターを通して浮かびあがってきた、さまざまな記憶。

読みながら、この2、3年、とりわけヨロヨロとしてきた父のことをずいぶん考えた。「俺」の父親は86歳、父はそれより10年ほど若いが、このあとさらに歳をとっていけば、その体の具合や心のもちようは、こんな風になっていくのかもしれないとも思った。

こども、こころ学―寄添う人になれるはず(石川憲彦)

こども、こころ学―寄添う人になれるはずこども、こころ学
―寄添う人になれるはず

(2005/05)
石川 憲彦

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『治療という幻想―障害の医療からみえること』に続いて読む。
本文挿画は山口ヒロミさんだった。

「バブル後の不況は、こどもをとりかこむ環境やこどもの心に対する見解を激変させ」、「悪質なこども観が、良質なものを学校や社会から駆逐している」との思いで、石川さんはこの本にまとめられた文章を書いたのだという。

おとなになるにつれて、こども時代とはちがった空間感覚、時間感覚をもつようになる。「こどもが待てなくなる未来には、けっこう楽しいことがたくさんあった」(p.15)のに、「待つ楽しさより、待ち時間の無駄のほうが気になるのがおとな」(pp.15-16)なのだ。

▼同じ一分が、時計を使うおとなにはほんの一分となり、こどもには永遠の待ち遠しさとなる。
…空間の認識。時間の認識。人間の基本的な感覚でさえ、おとなとこどもではまったくすれちがっている。(pp.16-17)

その「すれちがい」を中心に、児童精神医学のさまざまな問題を考えたのがこの本。

福島原発の闇 原発下請け労働者の現実(文=堀江邦夫、絵=水木しげる)

福島原発の闇 原発下請け労働者の現実福島原発の闇
原発下請け労働者の現実

(2011/08/19)
文=堀江邦夫、絵=水木しげる

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1979年の「アサヒグラフ」誌10月26日号、11月2日号に掲載されたルポ「パイプの森の放浪者」がみつかり、昨年、単行本として編集し直されて出た本。

文章を書いている堀江邦夫さんは、1年近く下請け労働者となって3箇所の原発で働き、その実態を『原発ジプシー』(昨年、増補改訂版の単行本と、加筆修正の文庫『原発労働記 』が出ている)というルポとして書いた人である。

その堀江さんから「パイプの森」というような原発内の様子や、そこで下請けとして働く実態について、手振り身振りを交えて聞いた話と幾枚かのイメージ画像をもとに、水木しげるが描きあげたのが、堀江さんをして「原発内のあの闇が、あの恐怖が、どの絵からも浮かび上がってくる。マスクをかぶったときの息苦しさ、不快な匂い、頭痛、吐き気までもが甦ってくる」(p.90)と言わしめたイラストだった。

はるまき日記: 偏愛的育児エッセイ(瀧波ユカリ)

はるまき日記: 偏愛的育児エッセイはるまき日記: 偏愛的育児エッセイ
(2012/06/29)
瀧波ユカリ

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『江古田ちゃん』を描いた人のコドモ本が出ているらしいのはチェックしていたが、現物をみる機会がなく、久しぶりに立ち寄った駅のなつかしの本屋で発見、ぴらぴらっと見たらまんがが入ってて、その4コマにぐぐっと引き寄せられたこともあって、ついそのまま買ってしまう。あとで確かめると、『江古田ちゃん』の6巻も前後して出てるらしい(これは同居人があとでぽちぽちと注文)。

プロローグまんがに続いて、登場人物紹介。江古田ちゃんは、もとい、瀧波ユカリは1980年うまれだと初めて知る。本屋でぺらぺらっとやったときは、もっとまんががあったような気がしたが、笑わせる扉写真をはさんで、間はほとんど字で(イラストがときどき入っている)、エピローグまんがで終わる。

ところどころで、ツボにはいって、ぐふふふふふふふと笑いつつつ読む。

娘と話す 数学ってなに?(ドゥニ ゲジ)

娘と話す 数学ってなに?娘と話す 数学ってなに?
(2011/05/13)
ドゥニ ゲジ

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『娘と話す 原発ってなに?』を借りたときに、ちょうど「数学の本でおすすめがあれば」と聞かれていて、ふと巻末をみると、このシリーズに『娘と話す 数学ってなに?』があるのを見つけて、どんなんやろと借りてみる。

フランス語からの訳で、ビミョ~にわかりにくいところもあったものの、ああそう言われれば納得と思えるところがいっぱいあって、すごくおもしろかった。最初に「何の話をしているのか」から始まって、「数」「幾何」「代数」「点と線」「問題」「論証」と続く。

「なんでこんな操作を数学ではするのか?」とか「数学が何の役に立つのかわからない!」とかいう娘の問いに対する答えかたが、うまいな~と思った。

三角形の各辺の垂直二等分線が交わる点は、その三角形の外接円の中心になるという説明のところや、代数と幾何の関係について話してるところもいかしていた。なるほど~~と思い、手許でちょっと図を書いてみたりしながら読んだ。

娘と話す 原発ってなに?(池内了)

娘と話す 原発ってなに?娘と話す 原発ってなに?
(2011/10/07)
池内 了

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現代企画室の「子どもと話す」シリーズを見かけたので借りてくる。このシリーズには「子ども(たち)と話す ○○○○」というのと、「娘と話す ○○○○」というのがあるが、たまたま執筆者が話した相手が「娘」が多かったのか何だか、なんで「息子と話す ○○○○」はないんやろ?と、いまさら疑問。(なんとなく、わかっていないオンナコドモにかんでふくめるように話して聞かせる、という感じがしてしまう。)

池内了は、あとがきで「対話相手に若者を想定した「娘と話す」シリーズに執筆できたことを喜んでいる」とか書いてるので、そこのところは、ちょっと引っかかりつつ、このシリーズは、「わかるように話そう」という努力もあって、小難しいことを言って煙に巻こうとはしてないところは佳作といえる。

この『原発ってなに?』は、昨年3月の震災と原発事故後に書かれた。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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