FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

ろうあのよっちゃん苦闘物語 口話と手真似の狭間で(鈴木義夫)

ろうあのよっちゃん苦闘物語 口話と手真似の狭間でろうあのよっちゃん苦闘物語
口話と手真似の狭間で

(2012/05/01)
鈴木義夫

商品詳細を見る

出たころに、すぐ図書館へリクエストしていたのが入る。タイトルからは、なんとなく『わが指のオーケストラ』時代の話かなと思っていた。あのマンガは、口話法全盛の時代に、「大阪城はまだ落ちぬか」と言われながらも、ろうの子どもらのために手話による教育をまもりつづけた大阪市立聾学校の高橋潔を描いたものだったが、このよっちゃんの本は、そんな時代に、ろう学校で"手真似"を厳しく否定されながら育ったろう者自身が書いたもの。

鳩山一郎が口話法推進の訓辞をたれたのは、昭和一桁のころ。それまで手話(当時は手真似といわれた)を使って教育がおこなわれていた各地のろう学校も、なだれをうつように口話主義に変わっていき、ろうの教師が止めさせられたという。

いのちといのちの間で 私たちにとっての脳死・臓器移植問題(「臓器移植」の性急な立法化に反対する連絡会・編)

「臓器移植」の性急な立法化に反対する連絡会・編
『いのちといのちの間で―私たちにとっての脳死・臓器移植問題』 バオバブ社、1994年

3年前、臓器移植法が改正されたときにも読んだ本を、また読んでみる。

巻末の「用語解説・年表」を読んでいて、QOL、Quality of Lifeって、こういう使い方もするのかと思う(前に読んだときにはまったく頭に入っていなかった)。私がこれまで読んだり見たり聞いたりしてきた経験では、このことばは「生活の質」と訳されて、ある治療を受けるか受けないかと、それによる暮らしの質とを比べるような話のなかで出てきたと思う。

例えば手術で、がーっとガンを切り取る。抗がん剤や放射線で、ガンをたたく。そういう治療で、ガンはやっつけられるかもしれないが、ガンもろとも身体もこてんぱんにやられて、下手をするとその治療のせいでヨレヨレのへろへろになって、楽しい時間もなにも失ってしまう、それでいいのか、というような話のなかで、QOLということと治療の成果というものを比べる、というのが私のいままでの「QOL」の使い方だった。

この用語解説では、こんな風に説明されている。

内田魯庵全集 8 随筆・評論 IV

『内田魯庵全集 8 随筆・評論 IV』 ゆまに書房、1987年

「焚書」が気になって図書館で蔵書検索をしていたときに、魯庵の「焚書是非」や「典籍の廃墟」「図書館の復興と文献の保存」「書籍の破壊」などがこの本に入っているのをみつけて、借りてきて読んでみる。

魯庵が書いているのは、征服者などが書籍に対してはたらいた狼藉のこと、宗教者が異端の信仰を滅ぼそうとしたこと、そして地震(関東大震災)によって破壊された本のことである。

征服者によって、文化が破壊され、書籍が焼かれるということは、歴史をみるかぎり、くりかえし、くりかえしおこっている。災害による亡失もまた、同じである。

「池水火風に亡び易い書籍が燼滅し亡佚するは當然の運命で、藝術は永しへであつても之を盛るの書籍は決して不朽不壊では無い。古今各國書籍の散亡が屡々繰返されるは書籍を構成する材料が耐久的で無いからで、永しへの生命あるべき藝術や思想が不慮の災禍の爲めに灰となり土となつて、空無に消えて了つたのも亦必ず少なくないだらう。」(p.280)と魯庵は書いている。 *燼は、[火偏に盡]、佚は[人偏に失]

焚書というと、そりゃイカンという考えがすぐさま浮かんでしまうが、魯庵が書いているのを読むと、震災で本が焼けて残念なのかよかったのか、どっちなのかという感じである。

Weフォーラム2012 in 福島「来て、感じて、伝えてほしい …放射能汚染の中で生きのびるために」(8/4-5、福島・二本松)

この夏のWeフォーラムも3週間後になりました。今年は、福島で開催します。
福島で、私は何を感じるだろうと思いながら、福島へ行く。(プログラムの中で、8/5の福島県美へ行くオプショナルツアーの担当です。)
ぜひご参加ください
転送転載歓迎お友だち、お知りあいにお知らせください
チラシに赤つぶイラストを提供してくださった柚木ミサトさんが、「大切な人に伝えてほしいお知らせ。」とブログで書いてくださいました。大切な人に、伝えてください。

Weフォーラム2012 in 福島
来て、感じて、伝えてほしい
…放射能汚染の中で生きのびるために
 

チラシ表面(pdf)+裏面(pdf)
Weフォーラム2012 in 福島(8/4-5、福島・二本松) Weフォーラム2012 in 福島(8/4-5、福島・二本松)
<日程> 2012年84日(土)~5日(日)
<会場>  福島県男女共生センター「女と男の未来館」(福島県二本松市※アクセス
Genre : 日記 日記

灰色の畑と緑の畑(ウルズラ・ヴェルフェル)

灰色の畑と緑の畑灰色の畑と緑の畑
(2004/02/17)
ウルズラ・ヴェルフェル

商品詳細を見る

このところ、ぱらぱらと岩波少年文庫を読んでいて、久しぶりにこれが読みたくなって借りてきた。前に読んだのは2年前の夏

▼ほんとうの話はめでたく終わるとは限らない。そういう話は人に多くの問いをかける。答えはめいめいが自分で出さなくてはならない。
 これらの話が示している世界は、必ずしもよいとはいえないが、しかし変えることができる。(p.9)

ウルズラ・ヴェルフェルはこの本で、差別、偏見、貧困などの現実を、「人間がいっしょに生きることのむずかしさ」を14の短編として描いている。こうあってほしいという理想的な世の中ではなく、むしろ、そうした願いがふみにじられるような現実の一端を、子どもたちの経験として書いているのだ。

だから、読んでいると、どの話にも思い当たることがある。自分が見聞きしたかぎられた経験にてらしても、残念だけれど、こういう現実はある、という思いにさせられる。

長い長いお医者さんの話(カレル・チャペック)

長い長いお医者さんの話長い長いお医者さんの話
(2000/06/16)
カレル・チャペック

商品詳細を見る

この本にも入っている「郵便屋さんの話」は、まえに別の訳本で読んでいた。が、「へのへのもへじ文庫」へ行ったときに、この中野好夫訳の岩波少年文庫をみかけて、『マルコヴァルドさんの四季』と一緒に借りてみた。

表題作の「長い長いお医者さんの話」や「郵便屋さんの話」のほかに、「カッパの話」、「小鳥と天使のたまごの話」、「長い長いおまわりさんの話」、「犬と妖精の話」、「宿なしルンペンくんの話」がおさめられている。さし絵は、兄のヨセフ・チャペック。

訳者違いで読むと、やはり話の印象も変わる。中野好夫は、じつにうまく日本語にのせて訳してるなと思うところがあった。あとがきでは「日本の少年少女読者のために、もとの本でもない、英訳本でもないようにかえたところもあります」と書いてあり、こういう翻訳が、とりわけ物語にはいいなと思った。

鎌仲監督 vs. 福島大学1年生:3.11を学ぶ若者たちへ(鎌仲ひとみ、中里見博・編)

鎌仲監督 vs. 福島大学1年生:3.11を学ぶ若者たちへ鎌仲監督 vs. 福島大学1年生
3.11を学ぶ若者たちへ

(2012/06/27)
鎌仲ひとみ、中里見博・編

商品詳細を見る

こないだ土曜にみた映画「内部被ばくを生き抜く」のサイトから、ひさしぶりにミツバチブログへ飛んで、そこで見かけて、ぽちぽちっと買って読んでみた。

タイトルどおり、鎌仲さんと、福島大学の1年生(昨年度)が、1泊2日の中里見ゼミの合宿で、語りあった記録。ことしの3月まで福島大学に勤めていた中里見さんは、昨年の原発震災が起こる前から、ゼミで原発をテーマにすることを決め、4月に入学してくる新1年生に案内していたそうだ。そして、思いもかけず起こった原発震災のあと、厳しい現実と向きあうことになるであろうゼミに、15人の1年生が参加した。

中里見さんはこう書いている。
▼…原発事故後の福島を覆う独特の「空気」には、原発事故をめぐる、いくつかのきわめて重要な問題を口にしにくいという雰囲気があります。たとえば、私たちの健康被害のリスクがそうです。福島でくらし続けるうえで、だれもが真剣かつ深刻に話題にしなければならない問題の一つであるはずなのに、かえって口にすることが憚られるのです。…(pp.4-5)

マルコヴァルドさんの四季(イタロ・カルヴィーノ)

マルコヴァルドさんの四季マルコヴァルドさんの四季
(2009/06/16)
イタロ・カルヴィーノ

商品詳細を見る

こないだ読んだ『マルコヴァルドさんの四季』は安藤美紀夫訳だった。ふと、訳者違いの版違いが出てるのを見つけて、図書館で借りてきて、またマルコヴァルドさんの話を読む。この新版は関口英子訳。

表紙カバーに使われている絵は違うが、イラストはかわらずセルジョ・トーファノ。

新版には、作者のカルヴィーノ自身による解説もおさめられていて、それを読んで、マルコヴァルドさんのお話は最初に書かれたものが1952年(60年前!)で、最後のは1963年に書かれたということも知る。もう半世紀前のイタリアで書かれた話が、どこか今の日本社会を思わせる。

『ビッグイシュー』194号(7月1日号) 特集=文月。被災地からの手紙

『ビッグイシュー』194号(7月1日号) 特集=文月。被災地からの手紙昨日は、鎌仲ひとみさんの最新作「内部被ばくを生き抜く」上映会&避難者のお話を聞く集いだった。

上映の合間に、最新号の『ビッグイシュー』194号(7月1日号)を買う。7月=文月にちなみ、特集は「被災地からの手紙」。こないだの月曜にお話を聞いた吉野裕之さん(子ども福島)の手紙もあった。

「内部被ばくを生き抜く」は、福島県二本松の風景から始まる。8月のWeフォーラムの会場でもある二本松。分科会1「いま、いのちを守るために」に来ていただくことになった佐々木道範さんのご家族や、そのまわりの子どもたち大人たち。

河野康弘チャリティーコンサート:一時保養・吹夢キャンプ応援(7/27、吹田・山田)

吹田で、「放射能汚染地域の子どもたちを招いてのびのび遊ぼう」と一時保養のキャンプに取り組んでいる『We』読者さんからのご案内です。キャンプの開催・運営のためのチャリティーコンサートは、7/27(金)の午後と夜の2回! 会場の夢つながり未来館には、新しい「山田駅前図書館」も入っています。
-----
一時保養・吹夢(スイム)キャンプ応援
河野康弘チャリティーコンサート
吹夢キャンプからのお願い
福島第一原子力発電所の事故から、すでに1年4ヶ月が過ぎ、いまだ事故は収束せず、放射能汚染の拡散は続き、新たなホットスポットが各地にできている状況です。昨年の夏休み、フクシマ事故により被曝をよぎなくされている子どもたちを吹田に招き、初めての保養キャンプを開催しました。「今、わたしたちにできることは何か!」を常に問いながら、春休みに続き、夏休みにも吹夢キャンプを実施します。キャンプの運営は、反原発やフクシマへの思いを共有する個人の集まりです。ぜひ、このキャンプへのカンパにご協力お願いします。
2012年・吹夢キャンプ ご協力のお願い

河野康弘チャリティーコンサート河野康弘チャリティーコンサート
♪ はじめてのジャズライブ ♪

2012年727日(金)
開演 1530分~ (開場15時)

会場:夢つながり未来館・多目的ホール
(モノレール・阪急「山田駅」東口すぐ)
このコンサートは予約が必要です
06-6380-2656(楽童)

↓夜の部

鎌仲ひとみ監督最新作「内部被ばくを生き抜く」上映会(7/7、豊中)

月曜に、吉野裕之さん(子ども福島)のお話を聞きにいったときに、「内部被ばくを生き抜く」上映会の案内をいただき、私も見にいくことにしました。会場で『We』を販売させていただけることになりました。
内部被ばくを生き抜く

鎌仲ひとみ監督最新作「内部被ばくを生き抜く」上映
 & 避難者のお話を聞く集い


日時:2012年77日(土) 
1回目 午前9:30~12:00/2回目 午後2:00~ 4:30/3回目 午後6:30~ 9:00

会場:とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ・視聴覚室
     (阪急豊中駅・西口直結のエトレ豊中ビル5階) アクセス
午後と夜はすてっぷホールに変更とのことです(追記)

マルコヴァルドさんの四季(カルヴィーノ)

マルコヴァルドさんの四季マルコヴァルドさんの四季
(1977/11/18)
カルヴィーノ

商品詳細を見る

「へのへのもへじ文庫」で借りてきた本を、こないだ休みの日に布団でうつらうつらしながら読む。

主人公は、ズバーブ商会で人夫として働くマルコヴァルドさん。包みや木箱をあげたりおろしたりの仕事は、「みんなからはあまりみとめられない力仕事」(p.17)。8時間労働にくわえて、超過勤務。うちへ帰れば、妻とは、何をしゃべっても、すぐ口げんかになったり、借金の話になったりする。天井が低くて、暑苦しいへやに、家族5人が一緒に寝ている生活。三度の食事もろくろく食べられず、すきっぱらをかかえていたりする。

この本には、イタリアの大都会のど真ん中に住みながら、四季のうつりかわりに敏感なマルコヴァルドさんの話が、春夏秋冬×5だけ入っている。なによりマルコヴァルドさんが飄々としていて、周りからちょっとズレて浮いていたりして、そんなところに私はなんとも親近感をおぼえたりする。

マルコヴァルドさんは、ある日なにかに気づく。それは、都会の大通りの並木のまわりに生えた小さなキノコだったり、夜のしずけさの中で聞こえてくる音だったり、会社の植木のことだったり、ひまつぶしにネコについていって見えてきた世界だったり。

そうして気づいたなにかを追いかけていくマルコヴァルドさんの話は、そっちへいくか!と、ちょっと意表を突かれたりする。そこがおかしい。
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ