読んだり、書いたり、編んだり 

おんもに出たい―身体障害児の苦悩について(朝日新聞社学芸家庭部)

おんもに出たい―身体障害児の苦悩について(朝日新聞社学芸家庭部)おんもに出たい
―身体障害児の苦悩について

(1967)
朝日新聞社学芸家庭部

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『We』177号でお話をうかがった、仙台つどいの家の下郡山和子さん。その話のなかに朝日で連載されていた「おんもに出たい」のことが出てきて、図書館で探してみると、連載をまとめた古い本があったので借りてきて読んでみる。1965年5月~66年6月まで1年あまり連載されたシリーズ。

近江学園の糸賀さん、島田療育園の小林さんの話はもちろん、映画館に捨てられていたという映子ちゃんや中沢婦長の写真もあり、ヘンシェルさんの話も出てくる。

『愛することからはじめよう』を読んで、ちょうど返却期限のきた『おんもに出たい』をもう一度めくっていて、当時の様子がすこしわかる気がした。

民間で、やむにやまれず始まった近江学園や島田療育園など。それらが、国の制度の中で補助金や助成を受けようとしたときに生じる不合理、行政の谷間。

愛することからはじめよう―小林提樹と島田療育園の歩み(小沢浩)

愛することからはじめよう―小林提樹と島田療育園の歩み愛することからはじめよう
―小林提樹と島田療育園の歩み

(2011/04)
小沢 浩

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昨春いちどチェックしたのに、取り紛れて忘れていた本。近所の図書館には所蔵がなく、リクエストするとヨソからの相貸で届く(買ってほしいな~)。

小林提樹は、重症心身障害児者の施設を民間の草分けとしてつくりあげた人。去年読んだ『この子らを世の光に』の糸賀一雄とほぼ同世代で、「西の糸賀(近江学園)、東の小林(島田療育園)」というような人だったらしい(『おんもに出たい』にも、2人の名が揃って出てくる箇所がある)。

かつては死病だった結核を医学部の学生時代に患い、故郷の長野で療養していた小林の心のよりどころになったのが聖書だという。同病の同級生が何人も死んでいくなか、幸運にも小林は回復し、命をとりとめるとともに、信仰に入った。医者になるか牧師になるかを大いに悩むなかで、キリスト教の仲間がひらいていた土曜学校で子どもと接し、将来は小児科医になろうという気持ちが芽生える。

昭和10年に医学部を卒業し、小林は小児科医として障害児にかかわってゆく。お国のために産めよ殖やせよといわれた時代、嫁して3年子なきは去れと跡継ぎを産むことが女のつとめだった時代に、障害児をもった母の涙の理由を小林は考える。

▼その子どもが障害児であると告げられたとき、この母親はその宣告をたった独りで受けとめなければならない。世の中のさまざまな荒波をともに歩んでくれる人もいない。それはあまりにも重い。でも、それを支えてくれる社会体制は何もない時代であった。(p.23)

こうふく みどりの(西加奈子)

こうふく みどりのこうふく みどりの
(2011/04/06)
西加奈子

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前にカードがいっぱいで借りられへんかった西加奈子の別の文庫を借りようと思っていたら、その本が貸出中だったので、書架にあった『こうふく みどりの』を借りてみた。何年か前に、『こうふく あかの』と2冊ならんで本が出て、なんや信号みたいなセットやなーと思っていたが、読んでいなかった。

こないだ読んだ『うつくしい人』とちごて、大阪弁小説の一冊。
大阪の中学生・緑(みどり)が出てくる話。緑のうちは、ばあちゃんは夫が失踪、お母さんは妻子ある男性との間で緑を産み、バツイチ寸前の藍ちゃんにその娘の桃ちゃんと、女ばっかりで、そこにまたいろんな人が出入りする。

だんだんいろんな人がようけ登場してきて、時間もあっちへいったりこっちへいったりして、なかなかややこしい。(この女の人は…あの人と同じか?)とか、(このおっさんは…こっちのこの男か?)などと思いながら読む。

カミさんとホトケさんという名の猫が出てきたりする。おまけにポックリさんという名の犬が出てくる。

いま、先生は(朝日新聞教育チーム)

いま、先生はいま、先生は
(2011/10/29)
朝日新聞教育チーム

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年末から図書館で予約待ちして、2月終わりにまわってきたのだが、読みきれないまま一度返し、どなたかが借りていたのが戻るのを待って、もう一度借りてきた。

2010年の春、朝日の教育担当記者たちがチームを組んで取材を始め、朝刊社会面で「いま、先生は」と5回連載した企画に大幅に加筆したという本。

▼「大変だったら辞めればいいと人は言うけれど、疲労の極致だと、辞めると決めることもできないと、いまならわかる」(p.xviii)

養護教諭として都内の公立中学で働くマリコさんが、赴任時を振り返って語る。出勤途中で、すべりこんでくる電車にすうっと吸い込まれそうになったこともある。それでも自分は死ななくてすんだ。それはなぜか。「あなたが悪いんじゃない」と励ましてくれた先輩の存在が大きいという。

野の花ホスピスだより(徳永進)

野の花ホスピスだより野の花ホスピスだより
(2012/03/28)
徳永進

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週明けからぐりぐりと一仕事おわらせ、さすがに疲れて、図書館へ寄ったあと、階下の本屋へ。久しぶりに徳永進の本をみかけて、似たようなタイトルの本を読んだような読まなかったような…と思いつつ、表紙カバーの赤い郵便ポストと猫の後ろ姿に、ふらふらと購入。このところ、いただきものの図書カードがあるせいで、本を買い気味。

読んでいて、先週の「尊厳死ってなんやねん!?」での話を思いだしたり、こころゆさぶられるところがあって、ところどころで涙をこぼす。同じくらい、笑いがこぼれる。そんな本だった。

野の花診療所にやってきた人の人生、思い、揺れる心、変わる意思。

ALSの東さん。
「死は覚悟できている、延命の必要なし」という確固たる意思を持った日本男児。しだいに病状は進み、自分でおしっこの始末もできず、食べられず、人の世話になるのはプライドが許さん、死にたいと言う東さん。
当直ナースが声をかける。「東さんのプライドも大切にしたいけど、家族や私たちにとって、オシメした東さんでも一日でも長く生きてほしい」。
東さんは突然泣きだし、「アリガトウ、イエニカエッテミタイ」。

医者のぼくの前では起こり得ない出来事だと、徳永進は書く。
▼意思は変わる。確固とした意思さえ変わる。考えてみた。おそらく「本人の意思」は自分の所有物と考えやすいが、本来、他に帰属する部分が多い、のではないか。(p.55)
Genre : 本・雑誌 雑記

JCIL緊急学習会 「尊厳死ってなんやねん!?」(4/10、京都)

明日行く予定です。講師の桑山さんとは、昨春の李国本修慈さんの講演会のあと、「ビールを飲みにいきましょう」というのにご一緒し、こないだラーの会@西宮で久しぶりにお顔をみました。

JCIL(日本自立生活センター)緊急学習会
「尊厳死ってなんやねん!?」
2012年4月10日(火)13時半~16時
@京都市地域・多文化交流ネットワークサロン
講師は桑山雄次さん(全国遷延性意識障害者・家族の会

詳しくは以下、
Genre : 日記 日記

ミルフイユ 04 今日のつくり方/支援 Vol.2 「当事者」はどこにいる?

ミルフイユ 04 今日のつくり方 支援 Vol.2

昨日と今日買った本。ひとつは、せんだいメディアテークの『ミルフイユ 04 今日のつくり方』。もうひとつは、生活書院の『支援 Vol.2 「当事者」はどこにいる?』。たぶん、それぞれはどちらかといえば「雑誌」だが、ISBN付きで、流通上は「本」ということになる。

どちらも紙が似ていて、厚さのわりに軽い。

昔を思えば本を買わなくなったといっても、こうしてやはり少しずつ増えていく。
Genre : 日記 日記

『くらしと教育をつなぐWe』177号(特集:つながるために耳をすます)ができました

we_201204.jpg『くらしと教育をつなぐWe』177号ができました
(1冊800円+送料80円)

つながるために耳をすます

特集掲載の4本はいずれも、当事者の声を聞くことの大切さ、この社会で共に生きる者どうしがゆるやかにつながって支えあうことを伝えます。いつもの各連載も、読み応えのある内容です。

巻頭インタビューは、子ども福島の吉野裕之さんの「みみをすます─ゆるやかにつながって放射能から子どもたちを守る」

2/11~12に福島市で開催された「放射能からいのちを守る全国サミット」の事務局長をつとめるとともに、子ども福島で避難・疎開・保養班の世話人でもある吉野さん。

全国サミットに参加した編集部の中村が、吉野さんのお話をうかがいました。
昨年の3月11日から、吉野さんは何を思い、どんなことをしてきたのか。

「日頃生活している範囲内で自分たちでできることを探してもらいたい」という吉野さんは、各地で保養や疎開の受け入れ環境をつくることは、一義的には放射能汚染に苦しむ人のためだけれど、本当は、それぞれの地域のためにすごくいいのだと語ります。つながりをつくり、何かやりたい人が参加できる機会になる、地域がよくなっていくきっかけにしてもらいたいと。

16ページのロングインタビュー、ぜひお読みください。

特集2本目は、「演劇で動き出す力を」。ロンドンの女性劇団クリーン・ブレークの活動について、花崎攝さんに寄稿していただきました。刑務所で服役していた女性たちの自助グループとして始まった「クリーン・ブレーク」。

演劇によって、それぞれの女性が動き出す力を獲得していく姿、「この社会で共に生きる者」として彼女たちと関わるスタッフの姿が報告されています。

※※ 
クリーン・ブレークの活動報告会が4/14に世田谷らぷらすであります
4/14(土)18:30~21:30 @世田谷区男女共同参画センターらぷらす研修室
参加費:1000円 主催・申込み:演劇デザインギルド info(at)edg.or.jp

3本目のインタビューは、「どんなに重いしょうがいのある人も、地域社会で差別されることなく、いきいきと自立した地域生活ができるよう、自己実現の場を保障し、支援すること」を理念とする仙台つどいの家施設長の下郡山和子さん。

重い障害のある娘の母親でもある下郡山さんは、就学免除願いを出せと教育委員会にいわれたことに憤って、養護学校設置の運動をはじめ、卒業後の通える場をつくり、ここまで走りつづけてきました。

「ありのままで生きていける社会を」という下郡山さんの底抜けの明るさとパワーを感じてください。

※※ 
重い障害のある長男と二人のきょうだいを育てた中畝さんの子育て記『障害児もいるよ ひげのおばさん子育て日記』(フェミックス刊、1680円+税)をあわせてぜひお読みください。

4本目のインタビューは、重い障害があっても地域で当たり前に生きることを理念に、理想の通所施設をつくりあげた親たちの取り組みを撮ったドキュメンタリー映画「普通に生きる」プロデューサーの貞末麻哉子さん。ていねいに時間をかけて撮影に関わるなかでみえてきた「この社会の誰にとっても大切なこと」を伺いました。

木村 榮さんの新しい本! 『女友だち』(フェミックスの最新刊)

一時は、空港もヒコーキも見えないくらいのものすごい風雨のなか、新しい『We』177号と、木村 榮さんの新しい本『女友だち』が、どーんと届きました(配達してくださった方には頭がさがります)。

現在、『We』誌上で向井承子さんと「往復書簡」を連載中の木村榮さんの新しい本ができました。たくさんの方に読んでいただきたいので、お近くの図書館や女性センター等の図書室への購入リクエストもぜひお願いします!!

最新刊
 木村榮 『女友だち』  2012年4月刊
四六判・192ページ・定価 1,575円(送料別途)
ご注文はこちら http://femixwe.cart.fc2.com/ca9/75/p-r9-s/
木村榮『女友だち』
女同士の支えあいに希望を託す「女友だち」の物語

「ちょっと手を伸ばせば届く"友だちのいる人生"を手に入れて、女たちに元気に生きてほしい」という木村さんの思い、ユーモラスに描かれる友だち関係のエピソード、《女の友情》の視点から読み解く映画や本の一コマ…それらが織りなされた、味わい深いエッセイです。
Genre : 日記 日記

きなりの雲(石田千)

きなりの雲きなりの雲
(2012/02/01)
石田千

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石田千は、最初の頃のエッセイ何冊かをおもしろいと思って読んでいた。途中の本で、なんかちがうと思い、あわん感じが残って、その後はあまり読んでいない。しかし最初に読んだ(おもしろかったなあ)という感じもあって、名前はおぼえていた。

こないだの「ブックマーク」で、雑誌『群像』に載った「きなりの雲」のことを書いてる人がいて、へぇー石田千の小説??と思い、調べたらその時点で本になっていた。図書館の予約もあまりついていなかったので、しばらく待って借りてきた。

セーターやら毛糸玉のカバー写真で、どんな話やろと思ったら、これは「編み物」が出てくるのだ。主人公のさみ子(フシギな名である)は、隣町の手芸店で編み物教室の講師をしたり、かつての先輩同僚が独立してもった店で編んだセーターを置いてもらったりして、ほそぼそと稼いでいる、らしい。それで一人で住んでいて食えるのかどうかと私は思ったりするが、築47年めになるアパートで、さっぱりと暮らせる程度ではあるらしい(話のどこかに、親が遺したオカネが多少あるようなことが書いてあった)。

私は「編み物」のことと、さみ子がアパートで育てる「アボカド」や「ゴーヤ」に気を取られながら読んでいたが、冒頭では男にふられて半年もドツボにはまり身体を壊してヨレヨレになったさみ子の姿が書いてあって、そのことが「さみ子の話」としてはかなりの比重でもあるらしい。

老若男女がつどう編み物教室の場面がおもしろかった。編み方も、編む動機も、編みたいものも、ほんまに人それぞれやなあと思った。

福島県の歴史(丸井佳寿子、工藤雅樹、伊藤喜良、吉村仁作)

福島県の歴史福島県の歴史
(1997/05)
丸井佳寿子、工藤雅樹、伊藤喜良、吉村仁作

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『福島県の歴史散歩』のあと、レファレンスを頼んで、いろいろと本を探してもらったうちの一冊。「東北」のなかで、私が行ったことがあるのは福島県だけだが、風土も歴史もほとんど知らへんなーと思う。

北海道、岩手県につぎ全国3位の広さをもつ福島県。東西約166キロ、南北約133キロの県域(その7割は山地)の中央を奥羽山脈が南北に走り、その東側の地域を阿武隈山地がさらに二分、この二つの山地によって東から「浜通り」「中通り」「会津」の三つの地域に区分されている。

この三つの地域の気候風土がずいぶん違う。大阪も南の端から北の端まで、気候はそれなりに違いもあるが、天気予報で府域が区分されて示されるほどではない。

もうひとつ

先々週の、どとーの一週間がすぎて、仕事もちょっと息継ぎができ、やすみやすみ、『We』読者の友だちと出かけてギャラリーをはしごしてみたり、健診結果を訊きにいったり、公園のベンチで本を読んでみたり…していた先週。

しかし、3月の終わりとは思えないうすら寒い日ばかり、雨が降るとまた寒くなるし、4月の初め、母の命日のころに桜が咲いていないのはこの10年あまりの間でも初めてのような気がする。13年前、母は死ぬ前の日に近所で友人たちと花見をしたという。出棺の日は桜吹雪だった。

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こないだつくった幼稚園用の袋(妹のコドモがつかう)は、入れるつもりのモノがぎりぎりでやっと入る…と聞いて、そりゃもうひとつつくろう!と、もういちど3晩ほどちくちくやってつくった袋。

追加で少しばかり布を買ってきて、こないだの残り布に継ぎ足し、「持ち手もつけてほしい」と要望があったので、こんなもんかな?とつけてみた。入園式はもうすぐ。
Genre : 日記 日記
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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