読んだり、書いたり、編んだり 

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界(野村寿子、佐々木正人)

遊びを育てる―出会いと動きがひらく子どもの世界遊びを育てる
出会いと動きがひらく子どもの世界

(1999/06)
野村寿子、佐々木正人

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向井さんの本のなかで私のスキな『たたかいはいのち果てる日まで』で描かれる中新井邦夫さん。そのお嬢さんが野村寿子さんで、障害のある子どもの遊びのことを書いた本があると『We』読者のSさんに教えてもらって、図書館で借りてきたのがこの本。

とべバッタ?!と思ったら、やはり表紙の絵は田島征三の『とべバッタ』だった。裏庭にバッタが跳びだしてきて、そのバッタがつくりだした空間が「バッタの動きとバッタの作る空間を共有することで、だんだんと一つの集団になっていく」話が4章(環境が引き起こす子どもの動き)と、巻末の対談で語られている。

そのバッタの話がよかった。

うつくしい人(西 加奈子)

うつくしい人うつくしい人
(2011/08/04)
西 加奈子

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前にみかけた別の文庫本を借りようと思ったら貸出中だったので、西加奈子の他の小説を借りてみる。

職場で急に泣き出して、会社をやめた百合。私はだめだ、何もできないという強烈な自己否定。18のときから引きこもっている姉に加えて、自分も社会の落伍者になってしまったという思い。

何かを変えたかった。変えるべき「自分」もないのに、何が変わるというのか、と思いながら、外に出なければとほとんど強迫的に百合は旅に出る。

瀬戸内の島にあるリゾートホテル。ウェルカムドリンクをサービスするというバーにいたのは、不器用でみっともないバーテンダーの坂崎。ホテルの敷地で、死んでるかと思うような寝方をしていたのは、流ちょうな日本語を話すマティアス。彼は時間がたくさんあるという。仕事をしていなくて、たくさんお金があるという。

ホテルの地下にある図書室と、バーと、島のなかをぐるぐるとめぐりながら、物語はすすむ。百合は坂崎とマティアスと話しながら、姉と自分のことをぐるぐると考える。

▼母親に、それが「人生」というものだからと言われ、男の子らしく友達とサッカーに興じ、酒を飲んで冗談を言い、肩を叩き合って、女に恋をした、ような気になる。でも、心のどこかでは、いつも「これで合っているのか? 間違っていないか?」と思っているマティアス。誰かに答えを聞かないと、不安になる。合っている? 間違っていない?
 マティアスの気持ちが、痛いほど分かった。(pp.106-107)

おやじがき 絶滅危惧種中年男性図鑑(内澤旬子)

おやじがき 絶滅危惧種中年男性図鑑おやじがき 
絶滅危惧種中年男性図鑑

(2012/02/15)
内澤旬子

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『おやじがき』が文庫になったというので、図書館にあるかな…と検索したら既に入っていた。ので、借りてきた。もとの単行本に、15人の「おやじ」を描きたしてある。

内澤本がスキな私は、これが単行本で出たときに、本屋で立ち読みしたか図書館で見たのか、とにかくなかを開いてみたのだが、ナマナマしい「おやじ」がけっこうなサイズでどーんと迫ってきて、うっっっ…と、正直ちょっと引いてしまい、ぱらぱらっと見たきりだった。

文庫になって、ほどよく小さいサイズでおさまった「おやじ」絵は、自分が少しは歳をくったせいもあるのか、思いのほかたのしめた。ほとんどが"東京物件"のおやじだが、関西おやじが4枚、バンコクおやじが1枚まじり、しかし"関東と関西"とか"ニホンとヨソの国"と分けるだけの相違は私には見いだせず、どこいっても「おやじ」は一緒なんかなーと思った。

海が呑む 3.11東日本大震災までの日本の津波の記憶(花輪莞爾、山浦玄嗣)

海が呑む 3.11東日本大震災までの日本の津波の記憶海が呑む 
3.11東日本大震災までの日本の津波の記憶

(2011/12/01)
花輪莞爾、山浦玄嗣

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図書館で、震災関連ということで本が集められて展示されていた中にあって、借りてみた本。

花輪莞爾がこれまでに書いてきた「巨大地震津波の痕跡を訪ねて書いた」4篇を編みなおし、それに山浦玄嗣の東日本大震災の体験記をおさめたもの。山浦さんは、聖書をケセン語に訳した方である(『イエスの言葉 ケセン語訳』)。

三陸海岸の綾里と大船渡(明治三陸地震、昭和三陸地震、チリ地震津波)、津軽半島と秋田の能代(日本海中部地震)、紀伊半島(南海地震)、奥尻島(日本海南部地震、北海道南西沖地震)について、花輪さんは現地へ赴き、その経験について話を聞いている。

津波でやってくる海水は、コールタールのように真っ黒だという描写。津波の前には海が異常に引いてゆくという現象はよく知られているというが、そうした現象なしにあっという間に津波が押し寄せた例もある。

特別寄稿として巻末におさめられた山浦さんの「3.11 巨大地震津波体験記」がよかった。その前に花輪さんが書き綴った「津波の記憶」についてを読んだあとだけに、その状況が少しは想像できる気がした。

ことばで「私」を育てる(山根基世)

ことばで「私」を育てることばで「私」を育てる
(2006/05/16)
山根基世

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「正しい日本語」とか「日本人は」というようなのが最初のほうでは気になった。が、だんだん話にひきこまれた。

月1回の放送を聞いたあとに、いつも便りを下さったという先輩の話。生徒の名をいまもフルネームでおぼえている先生の話。取材で会った魅力的な人のことを話すと、ぜひまた会いたいと思う相手には自分から働きかけなきゃとアドバイスしてくれた先輩のこと。世代による言葉の受けとめかたのズレ。インタビューの醍醐味。書かなければ生きられなかった雫石とみさんの話。

どとーの1週間

iku_bag.jpg先週はクルクルするほど忙しかった。どとーの1週間だった。

次の『We』の入稿!ってんで、ヤスミも飛ばして原稿確認とか校正とか。その合間に『We』の行商に3度出て、またまたその合間に妹のコドモの幼稚園用に袋をちくちく縫っていた。マシンがあれば、こんなのはタッタカターなのだろうが、3晩つづけてちくちく縫って、できた!

いつもはウチでパソコン前の仕事が主だけれど、『We』売りにいったりで外出が多く、いろんな人に会い、いろんな話をきいた。そのいろんな話を、本を読んでみたりしながら、ゆっくり反芻しているところ。
Genre : 日記 日記

第2回ラーの会 西宮大会 今こそ、ひとりひとりの「存在価値」と「命の力」~みんなの暮らしと命について!西宮から!~(3/24、兵庫・西宮)

土曜(3/24)は、これです 会場で『We』など販売  雨やんで~

第2回ラーの会 西宮大会 今こそ、ひとりひとりの「存在価値」と「命の力」~みんなの暮らしと命について!西宮から!~(3/24、兵庫・西宮)

3月24日(土)10:00~16:35+懇親会17:30~20:00 @西宮市勤労会館・ホール
参加費1000円+懇親会費3000円
※ラーの会(重症心身障害児者といわれる方々らと共に生きる会)の設立経緯を含め、詳しくはこちら(JUNOさんのブログ)
Genre : 日記 日記

今晩、行商:らいとぴあ21連続セミナー「1人親家庭ってどうなの?」(3/22、大阪・箕面)

今晩、これです

大阪・箕面のらいとぴあ21の連続セミナー会場で、昨年に続き、『We』フェミックスの本を販売させていただいています。
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“これ知っトコ!”らいとぴあ21連続セミナー企画
1人親家庭って
~ちょっと気になるホントのところ~

らいとぴあ21連続セミナー「1人親家庭ってどうなの?」(3/22、大阪・箕面)今や結婚する3組に1組が離婚する時代。また、離婚に限らず皆さんの周りにも様々な理由で1人親家庭の人は多くいらっしゃると思います。

でも、実際1人親家庭って何に困っていて、何が不安なのか、ホントのところは分からない… そもそも1人親家庭って大変なの? と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

そんな課題として見えにくい1人親家庭のこと、その支援を行われている中野冬美さんの講演や、現役大学生の実体験トークを通して少し考えてみませんか?

↑クリックでチラシ拡大(pdf)

日時:2012年3月22日(木) 19:00~21:00
場所:らいとぴあ21 3F視聴覚室 交通アクセス
参加費:無料
問い合わせ:らいとぴあ21 (TEL:072-722-7400)
共催:らいとぴあ211人親家庭支援NPOあっとすくーる
講師:中野冬美さん(女性のための街かど相談室ここ・からサロン共同代表)
Genre : 日記 日記

眺望絶佳(中島京子)

眺望絶佳眺望絶佳
(2012/02/01)
中島京子

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図書館の新着リストで、(お、中島京子)と見つけ、こういう新しい本が珍しく空いていたので借りてきた。どんな話かな~と思ったら、いきなり東京スカイ・ツリーの手紙から始まる。中島京子が、ちょっと川上弘美風になったのだろうか、スカイツリーは誰と手紙を交わすのかと思いながら読んでいくと、あとは東京のあちこちを舞台とする短編が続く。そして、巻末にいたって、こんどは東京タワーのお手紙で、この本は終わる。

この1年の大きなニュースを思い出すようなエピソードが含まれた話もあった。もとは昨年の1月~8月に「デジタル野生時代」に書かれたものらしい。中島京子の小説は、長編か、そうでなければ短編といっても連作のシリーズものみたいなのしか読んだおぼえがなかったので、へー、こんなのも書くんやと思いながら読んだ。

どの話にも、ちくっと刺すおもしろさがあった。私が気に入ったのは「亀のギデアと土偶のふとっちょくん」と、「おさななじみ」。

災害がほんとうに襲った時―阪神淡路大震災50日間の記録(中井久夫)

災害がほんとうに襲った時―阪神淡路大震災50日間の記録災害がほんとうに襲った時
阪神淡路大震災50日間の記録

(2011/04/21)
中井久夫

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中井久夫が阪神大震災時後に書いた『1995年1月・神戸』は、昨年の3月の大震災後に、まずネットで無償公開された(そのきっかけとなったのは最相葉月さんで、東京の住まいで落下した本のなかにこの本があり、これはいま役に立つと判断したことだという)。

その後、編みなおされて新たな本が出る予定だということは知っていた。その新しい本を図書館で見かけたので借りてきた。冒頭には新しい稿として、「東日本巨大災害のテレビをみつつ 2011年3月11日-3月28日」が置かれ、『1995年1月・神戸』から「災害がほんとうに襲ったとき」が再録されている。

『1995年1月・神戸』を去年の春に読んでいたけれど、新編のこの本を読みなおして、「災害がほんとうに襲ったとき」の末尾、1/17からおよそ40日後の3月2日に記されている、この一節が印象にのこった。

▼夕方、秘書とJR神戸駅前に向かって歩いた。春の匂いを風が運んでいた。すべてはほどけてやわらかかった。「終わったという感じが流れているね、まだ不通の電車も避難所もあるのに」「4、50日しかスタミナは続かぬだよ、生理的に」「その間に主なことをやってしまう必要がありますね」。われわれはやりおおせたのだろうか。(p.111)

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯(クレア・キップス)

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯ある小さなスズメの記録
人を慰め、愛し、叱った、
誇り高きクラレンスの生涯

(2010/11/10)
クレア・キップス

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社納さんから貸してもらった、美しい箱入りの本。装画は酒井駒子さんという人。どっかで見たことがあるような…と思ったら、RDGレッドデータガールのシリーズ装画の人でもあった。

タイトルどおり「ある小さなスズメの記録」が綴られた本。このスズメは、著者のキップスさんに拾われ、クラレンスと名付けられて、以後の生涯をキップスさんとともに過ごした。

第二次大戦中のロンドンで、市民防衛隊の一員として任務を終えて帰ってきたキップスさんは、玄関先で小鳥を見つける。夜のうちに死んでしまうだろうと思いながら、のどにミルクを一滴たらし、温かな戸棚にスズメをしまって、キップスさんは床についた。翌朝、スズメは朝食をねだって鳴いていた。

キップスさんは、スズメが自分の力で飛んで食糧を確保できるようになれば、すぐ外へ放すつもりだった。しかし、スズメは足と翼に欠陥を抱えていて、飛ぶというより、ぴょんぴょんと跳び、身を守るのに必要な高さまで飛べそうもなかった。

あほでよし おならでるでる 法隆寺(椿﨑和生)

3月はじめに海月文庫であった椿﨑和生作品展「絵本」

あほでよし おならでるでる 法隆寺仕事が立て込みすぎて、キィーとなりそうやったところ、すべりこみで見にいって、長崎の五島の風景や、オヤジギャグ風味のかずかずのツバキ絵を見る。

椿﨑さんとも会えて、作品のこと、島のこと、国字のことなど、おしゃべりが楽しかった。椿﨑さんは、『We』176号の田中恒子さんのインタビューも読んでくださっていた。

ツバキ絵の一枚、「あほでよし おならでるでる 法隆寺」とともに、ココロほがらかに帰ってきた。仕事にくたびれると、この絵をみる。
Genre : 日記 日記
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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