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オレは世界で二番目か?―障害児のきょうだい・家族への支援(広川律子編)

オレは世界で二番目か?―障害児のきょうだい・家族への支援オレは世界で二番目か?
―障害児のきょうだい・家族への支援

(2003/08)
広川律子編

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これもしぇあメールで知った本。図書館にあったので借りてきて読む。親、きょうだい、障害者当人の手記や往復書簡などがまとめられている。

障害をもつ弟、自閉性障害もあって親に甘えることすら難しいような弟に、母親がことあるごとに「世界一かわいいたけちゃん!!」とことばをかけ、一緒に歩いたり飛び跳ねたり抱きしめたりしていたある日、兄が半分冗談のような口調で言ったのが「それやったらオレは世界で二番目か? やっぱりな」

その時のことをふりかえって母親の播本裕子さんはこう書いている。
▼あわてて
「いや、あんたも一番やで。たけちゃんは世界で一番かわいい赤ちゃんで、あなたは世界で一番かわいいおにいちゃんやねん」と答えたのですが、
「アーア、それでパパは世界一素敵なご主人とでも言うんか…」と切り返されて返事に詰まってしまいました。
 息子は、障害をもつ弟に一番手をかけてやらなければならないことなど百も承知の上で、あえて母親の自分に対する気持ちを確かめたかったのに、差し障りのない「常識」で片付けられてしまい、きっとがっかりしたことでしょう。本当は嘘でもいいから「みんなには内緒やけど、まさひでくんが世界で一番好きやねん」ぐらいのことを言ってほしかったのだろうと思います。(p.131)
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きのう、火星に行った。(笹生陽子)

きのう、火星に行った。きのう、火星に行った。
(2005/03/16)
笹生陽子

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こないだぶんぶん文庫で借りてきた一冊。笹生陽子の小説は去年だったか、一昨年だったか、しばらく読んだが、これは知らなんだ。

やる気ナッシングの小6、山口拓馬。席替えで、教室の窓際の一番うしろの席になって、居眠りしまくり。気がついたら、連合体育大会の個人走の部に出る選手に決まっていた。その日はとことんついていなかった。家に帰ると、部屋の中は段ボールの山、おまけにベッドにはおれじゃないやつが寝ている。拓馬が5歳の頃から、長いこと病気療養のため別に暮らしていた弟の健児が帰ってきたのだ。弟の言動がむかつく、むかつく、むかつく。

おまけに、そのトンボの化けもの何なんだ。健児が家に帰ってきてから、ずーっとはめたままの「超時空ミラクルゴーグル」。懸賞ハガキで当てた、大切なものだ、「これをかけると行きたいとこならどこでも行ける」と弟は言うが、おしゃれのつもりか、バッカじゃないの。

連合体育大会の説明会では、人気のなさそうなハードル走を希望したらすんなり通って、同じ学校の「でくちゃん」(デブででかくてぬぼーっとしていて、でくのぼうのようだからとそんな変なあだ名がついたという)と一緒になった。練習だとかめんどっちい。でくちゃんは「大会頑張ろうよ、ね? ふたりでさ」と言うけれど、なるべくやりたくない。朝練、昼練、放課後練、休日向けの自主トレ、とでくちゃんが書いてきた練習メニューに。、やってられるか、なんじゃこりゃと思い、塾が毎日あって、朝は低血圧で弱くてとすらすらウソをついて断った。でも、「じゃ、いっしょに練習できるの、お昼休みと日曜くらい?」と言うでくちゃんを断る勇気は、さすがになかった。

高峰秀子の捨てられない荷物(斎藤明美)

高峰秀子の捨てられない荷物高峰秀子の捨てられない荷物
(2003/03)
斎藤明美

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『芸術新潮』の1月号(ベン・シャーンの特集)→そこに載ってたクレー小論の後編→前編をたどって『芸術新潮』12月号(高峰秀子の特集)→そこで強く印象に残った斎藤明美の「まさに"食う"ように」から、この本を借りてくる。斎藤明美は、高峰の養女となった人。高峰のことを敬愛し、「かあちゃん」と呼んでいる。

高峰秀子=デコちゃん、というくらいは私もかろうじて知っていた。しかし高峰映画を見たこともなく、子役時代から働き続けた半世紀の役者人生、そしてたくさんの本を書いていることも、『芸術新潮』の「高峰秀子の旅と本棚」の特集記事で初めて知った。

高峰秀子が背負ってきたデカい荷物―女優業、デカい家、大量の家財、別荘、執筆業。そのなかでも一番捨てたかったのは"女優"だった。これさえ無くなればあとのものも自然となくなる。その悲願だった引退を、養母の死から一年後に果たした高峰は、デカい荷物を処分していく。

思い出の詰まった品もある。普通はなかなか処分できないものだ。そこのところを、斉藤のインタビューに、高峰はこんなふうに答えている。
▼…かあちゃんは『徒然草』が好きだろ。あの、何でもかでも『いと見苦し』のオジサンが書いてるじゃない、『身死して財残ることは智者のせざる処なり…』って。だから思い切って物への執着は捨てて、思い出だけを胸にしまおうと思ったわけ。思い出は何時でも何処でも取り出して懐かしむことができるし、泥棒に持っていかれる心配もないからね。…(p.257)

青いリボン(大島真寿美)

青いリボン青いリボン
(2011/12/06)
大島真寿美

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年明けに、妙にハマってぐるぐると3周ほど読んでいた大島真寿美の『虹色天気雨』『ビターシュガー』のことは、『We』176号の「乱読大魔王日記」で書いた。

この大島作品が原作のドラマを、昨秋テレビでやっていたと妹がおしえてくれた。「ドラマになってたんか」と私はあとから知ったが、「本もあるんやー」と妹は原作のことを知らなかった。ほかに何人かからも、ドラマをみた、でも本があるのは知らなんだと聞いた。有川浩の『阪急電車』もそうだったが、本がいいと、映像のほうを見るかどうかと迷う。私のアタマの中でくりひろげられている会話と風景のイメージを、なんとなくこわしたくない。

もうちょっと大島本を読みたくて、図書館で借りてきた『青いリボン』。高2の依子の両親は、もうずっと長いこと"家庭内別居"だった。びみょうな距離を保ちながら続いてきた生活が、父の転勤と母の海外長期出張を機に、動く。

父の転勤先の福岡へ行くか、母方の祖父母のいる北海道へ行くか、学校は転校すればとか休学すればと、両親それぞれの勝手な話に、「学校を変わりたくない」依子は、親友の梢との相談で、梢のうちへ居候することになる。

核家族の一人っ子のうえに、親がそんなびみょうな距離でいて、ずっと一人で暮らしているようだった依子は、梢に、その妹と兄、両親、おじいちゃん、おばあちゃんのいる大家族のなかで最初は戸惑う。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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