オレは世界で二番目か?―障害児のきょうだい・家族への支援(広川律子編)
![]() | オレは世界で二番目か? ―障害児のきょうだい・家族への支援 (2003/08) 広川律子編 商品詳細を見る |
これもしぇあメールで知った本。図書館にあったので借りてきて読む。親、きょうだい、障害者当人の手記や往復書簡などがまとめられている。
障害をもつ弟、自閉性障害もあって親に甘えることすら難しいような弟に、母親がことあるごとに「世界一かわいいたけちゃん!!」とことばをかけ、一緒に歩いたり飛び跳ねたり抱きしめたりしていたある日、兄が半分冗談のような口調で言ったのが「それやったらオレは世界で二番目か? やっぱりな」。
その時のことをふりかえって母親の播本裕子さんはこう書いている。
▼あわてて
「いや、あんたも一番やで。たけちゃんは世界で一番かわいい赤ちゃんで、あなたは世界で一番かわいいおにいちゃんやねん」と答えたのですが、
「アーア、それでパパは世界一素敵なご主人とでも言うんか…」と切り返されて返事に詰まってしまいました。
息子は、障害をもつ弟に一番手をかけてやらなければならないことなど百も承知の上で、あえて母親の自分に対する気持ちを確かめたかったのに、差し障りのない「常識」で片付けられてしまい、きっとがっかりしたことでしょう。本当は嘘でもいいから「みんなには内緒やけど、まさひでくんが世界で一番好きやねん」ぐらいのことを言ってほしかったのだろうと思います。(p.131)
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