読んだり、書いたり、編んだり 

『We』176号ができました(特集:支えあって軽やかに生きのびる)

『We』176号ができました。ウチにもどーんと50冊届いています。web注文をお受けしています。定期購読者の方あてには、明日(1/31)横浜より発送です。

この号だけ!の購入もできます。ご注文はこちらへ↓
▼1冊800円(送料80円)
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特集:支えあって軽やかに生きのびる

We176号【インタビュー】武藤類子さん(ハイロアクション)
壁が垂直に立ちはだかっているなら
私たちは横につながっていこう

【シンポジウム】土屋春代さん、樋口わかこさん、皆川万葉さん、長谷川輝美さん
被災地支援にいかされた〈支えあいの知恵〉
【複眼でみる】田中恒子さん
変わり続ける自分が楽しい
―現代アートのある暮らし
Genre : 日記 日記

読むとだれかに語りたくなる わたしの乱読手帖(大竹昭子)

読むとだれかに語りたくなる わたしの乱読手帖読むとだれかに語りたくなる
わたしの乱読手帖

(2011/10/22)
大竹昭子

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この人の名前の字面は、私のアタマの中で「料理研究家」となぜかごっちゃになるのだった(それは「村上昭子」や)。料理の人の名前みたいやと思いながら、たしか管啓次郎の本をたどっていくなかで、この大竹昭子という名をみて、図書館にあった新しい本を借りてきてみた。

紀伊國屋書店のブックウェブ内にある「書評空間」で書かれたものを、本にするにあたって大幅に加筆改稿した、という文章が編まれている。この「書評空間」で著者の写真を見て、やっと私のアタマは「料理研究家」とのつながりを、リセットできた。

このコラムは「好きなときに、好きな本を、好きな長さで書ける」そうで、その好きに書けるよさが、たしかにあるなあと思いながら読む。

そして「読むとだれかに語りたくなる」というタイトルがまたいい。読むとだれかに語りたくなる本のことを、それぞれに書いたものをまとめたこの本もまた、"読むとだれかに語りたくなる"のだ。

著者のことばも、著者が本から引くことばも、書きとめておきたくなるものがあって、そしてその本を読んでみたいと思わせるのだった。たとえば、

日常を愛する―「ハーフ・タイム」56・1-58・9(松田道雄)

日常を愛する<br />―「ハーフ・タイム」56・1-58・9日常を愛する
―「ハーフ・タイム」56・1-58・9

(1983/11)
松田 道雄

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荻原魚雷の『本と怠け者』で読んだ松田道雄の「おだやかとまとも」が読んでみたくて、『日常を愛する』を借りてくる。松田が毎日新聞で毎週1000字余り書いていたという「ハーフ・タイム」欄の文章をまとめた本がこれの前に『本の虫』、そして『ハーフ・タイム』上、とあることを読んでいて知る。

この巻におさめられている昭和58年の秋、75歳の松田は「特別どこがわるくなったというのではないが、七十五歳は、としである。おっくうなことがふえた」と言い、17年書いたこの「ハーフ・タイム」欄を退いた。年相応の医者通いも含めて、なにごともおっくうがることの増えた父も75歳を過ぎた。そんな歳なんやなと思う。

「日常を愛する」を本のタイトルとした、その松田のこころが書かれたものの中にある。
▼きのうのように、きょうも体が使え、きのうのように、家族そろって夕食がたべられるということを維持するのは、必ずしも容易でない。日常なるものが、実にこまごましたものからなりたっているのだから、それを変わらないように支えるのには、まめに動かねばならぬ。生きていくのに必要なこまごましたものは、だれにでもつきまとっているものだから、新規でなく、センセーショナルでない。まめに動いているが、人にはめだたない仕事の連続が日常を支える。(p.121)

松田自身、学生のころには「地球全体の体制がかえられるように思い、半生をその考えにとりつかれて生きたものの」、結局は日常に密着して生きねばならなくなった。
▼そこで得た思想は、人間は日常のこまごましたことに深くかかわるのが、いちばん精神の安定にいいということだ。大志をいだくことは青年の日のしげきにはなる。だが、日常そばにいる人間に、この人につくしたいという気持ちになれることのほうが、大志をいだくより骨が折れる。(p.181)

海月文庫 四回シリーズ合同展「私の晴れ着」展(1/21~27)

海月文庫 四回シリーズ合同展「私の晴れ着」展
2012年1月21日(土)~27日(金)
haregi.jpg
いつも楽しい海月文庫の合同展。このたびお誘いをうけて、同居人の母上が出品することに。本日、代理で作品搬入。お時間のある方、ようおこし、粟おこし!
最寄り駅の地下鉄「西中島南方」または阪急「南方」から西へ歩いて10分弱。木川小学校の近くです。「十三」「新大阪」からだと15~20分くらい。
海月文庫への地図
Genre : 日記 日記

こども東北学(山内明美)

こども東北学こども東北学
(2011/11/17)
山内明美

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12月に借りてきたときに半分くらいまで読んで、それから1度延長して、そろそろ返す日が近づいて、またてっぺんから読む。『フクシマ論』を読んだあとだからか、本の見た目はだいぶ違うけど、この本も同じことを書いてるなと思った。

「まん中じゃないところにも目を向けてみよう」「ほんとうに、まん中なんてあるのかな」という問いを含んだ"東北学"。世界中にある《東北》=まん中じゃないところ、について考えること。それは、社会がどんな仕組みでつくられ、動いているのかを、自分の目で見て、考えること。

▼…むかしから冷害をはじめ、大きな地震や津波が来ることは多くのひとたちが知っていた。そしてそのつど、背負った傷を必死に手当して、一からやり直してきた。そのことだけでも生死をかけたことだったのに、それに加えて、原子力発電所がこの土地に建てられたのはなぜなのだろう。
 わたしたちが、東北に住まいながら、持続的に暮らしを成り立たせるにはどうしたらよいのかという問題が、そこにはある。…東北という土地の暮らしが、どんなふうにあれば、「田舎」の、そして同時に「都会」の人々が「豊か」に暮らせるのだろうか。…(p.124)

「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか(開沼博)

「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか「フクシマ」論
原子力ムラはなぜ生まれたのか

(2011/06/16)
開沼博

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『We』で「遊びをせんとや生まれけむ」を書いてもらっている西川さんが『「フクシマ」論』を読んでいると聞いて、図書館の本を調べたらほとんど予約もついてなくて、年末にまわってきた。編み物の手を動かしながら、ゆっくりゆっくり読んだ。

この本は「原子力ムラ」をテーマに、「中央と地方」と「日本の戦後成長」の関係を論じた修士論文がもとになっている。「原子力ムラ」といっても、"原子力を推進してきた中央の原子力行政や御用学者"といった、この数ヶ月の間によく言及されるようになったムラのほうではなく、「原発及び関連施設を抱える地域」を指す。

そして「加害/被害」「支配/被支配」といった二項対立ではなく、そういった捉え方をアタリマエだと発想する常識や世界観そのものを問い直そうとしている。別のことばで言えば、「服従の主体があってはじめて支配という客体が成り立つという、一見常識と矛盾するような支配のあり方、服従が自発的になされるようなあり方」を考えようとしている。そのときに参照されているのは、ポストコロニアルスタディーズだという。たとえばスピヴァクのような。

戦後成長が地方やムラをどう変えたか、それがひじょうによく見えるケースとして福島の「原子力ムラ」を対象とした論文は、去年の1月14日に提出された。3/15の修了を待つばかりだったという論文は、奇しくも「3.11以前の福島原発について書かれた恐らく最後の学術論文」となった(この「福島原発」という言い方は3.11後にあらわれたもので、地元では「第一原発」「第二原発」あるいは「1F」「2F」と、二つの原発を区別してよぶのが通例だったという)。

芸術新潮 2012年01月号 特集 ベン・シャーン

ほとんど全くテレビを見ないこの頃、こないだ土曜に「明日の日曜美術館でベン・シャーン」という情報をみつけ、しかも「アーサー・ビナードが朗読する」というので、久しぶりに朝の9時にテレビの前で番組を見た。 日曜美術館 「静かなるプロテスト~反骨の画家 ベン・シャーン~」

途中で電話がかかってきて、ちょっと見逃したところもあるが、『ここが家だ』のアーサー・ビナードの朗読や、福島県美の荒木康子さん(12月に東京でトーク・セッションを聞いた)のお話もあって、そして今やってる葉山での大きな回顧展の展示風景もちらちらと見られて、よかった。再放送が1/22(土)夜8~9時にあるらしい。

芸術新潮 2012年 01月号 特集 ベン・シャーン『芸術新潮 2012年01月号』の特集が「ベン・シャーン」だったので、これは暮れに買ってきた。(ここにも荒木さんの文章がはいっていた。)

これまで、ベン・シャーンの絵や版画はいろいろなところで見たり、図録なんかで見たりもしていたが、シャーンはこんな風貌の人だったのかとまじまじとシャーンの写真をみる。

サッコとヴァンゼッティ事件のことも描いたシャーン。死刑論の本でこの事件のことを思い出し、2年前の今頃は、いくつか本を読んだ。そのなかでも、樹村みのりの『あざみの花』は今も印象深い。

世界中から二人の処刑に抗議するアピールが出され、世論は死刑反対にわきたっている、といわれていたそのとき、ボストン・ジャーナル誌の記者・サンドバーグは、「こんなにたくさんの人たちが反対しているのに、止める手立てはないのか」と問う助手のジョーンに、こう言うのだ。
Genre : 日記 日記

「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会 + 監督トーク in 豊中市(1/22、大阪)

今週末(1/22)に『We』売りにいきます
『We』173号『We』173号で「世界に変化をもたらしたければ自らがその変化となれ」のお話を聞いた鎌仲ひとみ監督のトーク付き「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会です。上映は3回あります。
会場で、鎌仲監督の掲載号をはじめ、『We』の販売をさせていただく予定です。
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「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会
+ 監督トーク in 豊中市


「ミツバチの羽音と地球の回転」日時:2012年1月22日(日曜日)
 10:00~12:15 上映1
 14:00~16:15 上映2
 16:30~18:15 鎌仲監督講演会
 18:30~20:45 上映3

会場:とよなか男女共同参画推進センター すてっぷホール(阪急宝塚線「豊中」駅の西に直結する「エトレ豊中」ビルの5階、エレベーターあり) アクセス
参加費:前売り1000円 当日1200円
主催:男女共同参画社会をつくる豊中連絡会 
共催:とよなか「市民力」フェスタ実行委員会
【問合せ先】坂本 tel 06-6841-9911 yasuko-sakamoto(at)nifty.com
Genre : 日記 日記

らいとぴあ21連続セミナー「たのしみながら変えていく! ~3.11後のわたしたちの暮らしとまち」(1/21、大阪・箕面)

今週末(1/21)、また『We』売りに行きます
We175号大阪・箕面のらいとぴあ21の連続セミナー会場で、昨年に続き、『We』フェミックスの本を販売させていただいています。

こんどの講師はパーマカルチャーを学んだトランジション・タウンの実践者。『We』175号でお話を伺ったリック・タナカさんも、パーマ・カルチャー、そしてトランジション・タウンのことを語っています。「暮らしを自分の手に取り戻す」ことがエネルギーの問題にも自分たちの住む地域づくりの話にもつながります。セミナーとあわせて、ぜひお読みください!
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“これ知っトコ!”らいとぴあ21連続セミナー企画

たのしみながら変えていく!
 ~3.11後のわたしたちの暮らしとまち

大地震、津波、原発事故…。
3.11以後、「私たちの暮らしや社会って、このままでいいの?」と
モヤモヤしている、そんなあなたと一緒に考えたい。
これからのエネルギーのこと、暮らし方のこと、地域づくりのこと。


↓クリックでチラシ拡大(pdf)
たのしみならが変えていく! ~3.11後のわたしたちの暮らしとまち日時:2012年1月21日(土) 13:30~15:30
場所:らいとぴあ213F視聴覚室 交通アクセス
参加費:無料
主催・問い合わせ:らいとぴあ21 (TEL:072-722-7400)

講師:吉田俊郎(よしだしゅんろう)さん
NPO法人トランジション・ジャパン
1960年米国生まれ。外資系医療機器メーカーでセールス、マーケティング、トレーニングのマネジメントに携わる。
パーマカルチャーを学び2008年に退社しパーマカルチャーの仲間とイギリスでトランジション研修を受講し2009年にNPO法人トランジション・ジャパンを共同創設。
トランジション葉山を立ち上げ約3年が経過。現在は南阿蘇でトランジション南阿蘇を仲間と展開。ゲルに住みながら2反の田んぼ・2反の畑を自然農で作り、エネルギー自給率100%の家作りを半セルフビルドで挑戦し全国にトランジションの普及に努める。
Genre : 日記 日記

ほのさんのいのちを知って 長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活(西村理佐)

ほのさんのいのちを知って 長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活ほのさんのいのちを知って
長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活

(2010/01/29)
西村理佐

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秋にも読んだ『ほのさん』の本を、「おとしだま」にするため購入。そしてまた読む。図書館の本ではめくれなかった表紙カバーをとってみる。カバーで3体並んでいたマトリョーシカの小さいひとつが「ほのさん」なのは見えていたが、隣に並んでいたのは「かあさん」「とうさん」だった。帯もついていて、「臓器提供側になりうる家族をご存知ですか?」と書かれていた。

秋に読んだときには、「かあさん、ほんとに大切なのはへその緒ですか? そうですか?」というのが、もひとつわかっていなかった。

「ほのさんとかあさんを繋げる、大切な大切なへその緒が切れた」と、そのせいでほのさんの人生が試練の連続になってしまったと、かあさんは随分自分を責めもしたという。

本の最後には「いのちの誕生を思い出そう」という文章が収められている。ほのさんのいのちと向き合ってきた時間を経て、かあさんはこう書いている。

▼私は、母と子の絆が切れてしまったかのように一度は思ってしまった自分を恥じ、大切なのは「へその緒」ではなかった、帆花のいのちそのものが、私を母親にしてくれるのだ、と気づいたのだった。これが、「ほのかあさん」誕生の、ものがたり…。(p.221)

郵便屋さんの童話と、手紙

カレル・チャペックの童話の作り方カレル・チャペックの童話の作り方
(2005/02)
カレル チャペック

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カレル・チャペックに「郵便屋さんの童話」があると知って、その話が入っている本が図書館にあったので借りてきた。この本のチャペックの「まえがき」がおもしろい。

▼ねえ、子供たち、もし、だれかが童話なんて、みんなつくり話で、ほんとうのことは一つもないんだよ、なんて言う人がいたとしても、そんな人の言うことを信じちゃだめだよ。童話はね、ほんとうにほんとの話なんだ。そのうえ、ほんとうの話がね、たくさんあるんだよ。…(略)…でも、どうしても信じないって言う人は、これから先を読んじゃだめ。
 それじゃ、お話にはいろうか。(pp.9-10)

訳者のことばづかいのおかげもあるけれど、この「まえがき」を読んでいると、なんだか山崎コマリさんのお話の声が聞こえてくるのだった。12月中旬にあそびにいった「へのへのもへじ文庫」に遊び名人として来ていた山崎コマリさんの話をたっぷり聞いて、あの日は耳福という感じだった。

この本には「とってもながーい猫ちゃんの童話」や「お犬さんの童話」「とってもながーいお医者さんの童話」などと並んで「郵便屋さんの童話」が収められており、それらが「1 童話作りの実践教室」で、本のうしろの三分の一くらいが「2 童話の作り方・総まとめ」になっている。

まずは目当ての「郵便屋さんの童話」を読む。
Genre : 日記 日記

ラジ&ピース(絲山秋子)

ラジ&ピースラジ&ピース
(2011/10/14)
絲山秋子

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借りたい本を何冊か、プラス軽いやつと文庫のなかから何冊かと拾ってきた本。表題作と「うつくすま ふぐすま」の2篇収録。「うつくすま ふぐすま」は、「うつくしま ふくしま」というやつかな~と思ったら、会津出身、横浜出身のふたりの女性の話だった。

表題作は、群馬のローカルFM局で番組を担当する女性の話。仙台のラジオ局で担当していたニュース番組が終わり、無性に新しい土地へ行きたくなった野枝は、あちこちの放送局の面接を受ける。それで受かった群馬のFM局で、野枝は午後の新番組「ラジ&ピース」のパーソナリティを務めるようになる。

リスナーから送られてくるメールも増えてきた。その全てに目を通しながら、野枝は考える。「楽しいトークなんて番組の中だけのものだと思っている。自分の違う人格がやっている仕事だと思っている。」番組のオンエア中にも、自分は何だと思う。「さまざまな恋愛経験をしたふりをしなければならない。いつでも隠していた知恵を取り出せる女のふり。それがパーソナリティ。」
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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