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読んだり、書いたり、編んだり 

一瞬と永遠と(萩尾望都)

一瞬と永遠と一瞬と永遠と
(2011/06)
萩尾望都

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萩尾望都の本はマンガ以外では『思い出を切りぬくとき』を前に読んだ。『ガラスの家族』をオススメしてくれた元同僚さんは、私はこれはちょっと…と言ってたけど、読んでみたくて借りてきた。収録されているのは、もう30年あまり前の文章から最近のものまで、本の解説やエッセイ。

小学校5・6年のときの担任・高尾先生のことを書いた「先生の住所録」がよかった。鎌倉に行ったとき、突然、小学校のときに高尾先生から受けた授業を思い出して、先生に手紙を書く。返事をいただいた萩尾望都は、お会いしたいと思いながら、両親との間にこだわりがあって、なかなか九州には帰らなかった。そして、いつか先生に会いにいこうと思いながら出した年賀状の返礼が奥様から届いて、先生が亡くなられたことを知る。

もと同級生と一緒に先生のお宅を訪れて、大学ノートを二冊貼り合わせてつくってある、使い込んだ古い先生の住所録を見せてもらう。その晩は実家に泊まって、「こんなことでもなければ私はまだ家に帰ることはなかったのだなと思うと、最後まで先生にお世話をかけてしまった気がした」という萩尾。ニコニコしたお仏壇の写真のお顔を思い出して泣けてくる。
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ガラスの家族(キャサリン・パターソン)

ガラスの家族ガラスの家族
(1989/06)
キャサリン・パターソン

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元同僚さんにオススメされて、『ガラスの家族』ってパターソンの本やなー、むかし読んだ気がするなーと思いながら借りてきた。表紙にもみおぼえがある。私はいつもこの横顔をちょっとコワイと思っていた。

どんな話やったっけと読みはじめてみたら、物語をほとんどまったくおぼえていなかった。まるで初めて読むようだった。

里親のもとを転々としてきたギリー、11歳。3年たらずのうちに、こんど預けられる里親は3軒め。どこへ行っても、自分が主導権を握っている限りはがまんできるギリー。里親も、転校先の学校の先生も、自分がどうにでもできると思えるうちは。心の支えは、お母さんがきっと迎えにくるという希望。お母さんの写真のすみに書かれている「いつも愛しています」という言葉。

新しく預けられたトロッターさんは、でぶでぶ。こんなサーカスの見せ物みたいな人のところへつれてこなくても、と思うギリー。トロッターさんちには、もうひとり先に預けられている里子のウィリアム=アーネストがいた。どうみても脳みそが足りてるとは思えない子。その日の夕食の支度のときから、ギリーは「そんなつもりじゃない」と何度か言いたくなる。なんとかまるめこめると思った相手が、手強い。おまけに、夕食には隣家の黒人、全盲のランドルフさんまでやってくる。

なんとかしてお母さんの居所をみつけて、私はこんなはきだめにいると伝えなければ。このかわいいギリーを迎えにくるように手紙を書かなければ。こんなところにいたら、自分はだめになってしまう。強い人間にならなければ、そうでないとまるめこまれてしまう。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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