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読んだり、書いたり、編んだり 

ガラスの家族(キャサリン・パターソン)

ガラスの家族ガラスの家族
(1989/06)
キャサリン・パターソン

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元同僚さんにオススメされて、『ガラスの家族』ってパターソンの本やなー、むかし読んだ気がするなーと思いながら借りてきた。表紙にもみおぼえがある。私はいつもこの横顔をちょっとコワイと思っていた。

どんな話やったっけと読みはじめてみたら、物語をほとんどまったくおぼえていなかった。まるで初めて読むようだった。

里親のもとを転々としてきたギリー、11歳。3年たらずのうちに、こんど預けられる里親は3軒め。どこへ行っても、自分が主導権を握っている限りはがまんできるギリー。里親も、転校先の学校の先生も、自分がどうにでもできると思えるうちは。心の支えは、お母さんがきっと迎えにくるという希望。お母さんの写真のすみに書かれている「いつも愛しています」という言葉。

新しく預けられたトロッターさんは、でぶでぶ。こんなサーカスの見せ物みたいな人のところへつれてこなくても、と思うギリー。トロッターさんちには、もうひとり先に預けられている里子のウィリアム=アーネストがいた。どうみても脳みそが足りてるとは思えない子。その日の夕食の支度のときから、ギリーは「そんなつもりじゃない」と何度か言いたくなる。なんとかまるめこめると思った相手が、手強い。おまけに、夕食には隣家の黒人、全盲のランドルフさんまでやってくる。

なんとかしてお母さんの居所をみつけて、私はこんなはきだめにいると伝えなければ。このかわいいギリーを迎えにくるように手紙を書かなければ。こんなところにいたら、自分はだめになってしまう。強い人間にならなければ、そうでないとまるめこまれてしまう。

残される者たちへ(小路幸也)

残される者たちへ残される者たちへ
(2008/12/18)
小路幸也

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こないだ出先で久しぶりに本屋をうろうろしたとき、文庫棚をぐるぐると見てまわって、手に取ったりぱらっと見たり3周くらいして、気になった本が3冊あった。買おうかどうかとかなり迷った3冊(買えよ)。いま図書館で借りてる十数冊の本のことをちらちらと考え、週明けの仕事のことを考え、なにも買わずに店を出た(買えよ)。しかし、気になるので、店を出たところで、本のタイトルのメモをとった(買えよ)。

最寄り駅に戻ってきたところで、またふらふらと本屋に入り(駅前のそう大きくない店)、さっきの3冊をつい探す。店の規模がちがうので、ないかもしれへんなと思っていたが、3冊のうち2冊はあった。またぱらぱらっと開いたり、棚に戻したりしたあげく、管啓次郎の『コロンブスの犬』の文庫を買って帰って読んだ。

『残される者たちへ』は、買わなかった2冊のうちの1冊(買えよ)。1週間して、ちょっと本のスキマができたので、図書館で単行本を借りてきた。これがどうも大きな「団地」の話らしいというところが、気になる。私も千里ニュータウンというけっこう大きな団地の育ちだから。たぶん。

表紙をひらくと、扉は懐かしいような団地のシルエット。

小暮写眞館(宮部みゆき)

小暮写眞館小暮写眞館
(2010/05/14)
宮部みゆき

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9月終わりに妹に会ったとき、もうずっと前に図書館に予約した『小暮写眞館』が届いたと言っていた。持ち歩いて読まれへん、こんな厚い本やと思わんかったとも言っていて、そうやなー、あれはえらい厚い本やったなあと本屋でチラっと見たのを思い出していた。

うちの近所の図書館はどうかと蔵書検索をしてみたら、去年はたぶん100人か200人くらい予約がついていたであろう本は、44冊もある複本のほとんどが今も貸出中ではあるものの、予約待ちはほとんどいなくなっていた。それで私もさくっと借りてきてみた。本文は700ページあまり。なかなかイッキ読みはできなさそうな厚さ。

さて、いつ読もうかと借りてきてしばらく積んでいて、久しぶりにぐるぐるめまいにやられて、人と会う約束を全部キャンセルしておとなしくうちにいた日に、読んでみた。いろいろと書評や紹介も出ていたのだろうけど、まったく読んでいなかったので、どんな話やろ?と思いながら。

図書館ねこ デューイ―町を幸せにしたトラねこの物語(ヴィッキー・マイロン)

図書館ねこ デューイ―町を幸せにしたトラねこの物語図書館ねこ デューイ
―町を幸せにしたトラねこの物語

(2008/10/10)
ヴィッキー・マイロン

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こないだ本屋で久しぶりに長い時間うろうろしていたとき、この本が文庫になってるのを見かけた。「ブックマーク」の読者さんからもおすすめされていたし、タイトルはしっかりおぼえていたが、図書館ではずいぶん予約がついていて、すぐに借りられそうにはなかった。文庫になったなら、もう本はあいてるかと帰って蔵書検索をしてみると、あいていたので借りてきた。

久しぶりにぐるぐるっとめまいにやられた翌日、うちでおとなしくこの本を読んでいた。「町を幸せにしたトラねこの物語」とサブタイトルにあるこの本を、私はすっかり小説なのだと思いこんでいたが、読んでいてふと気づくと、このねこ・デューイがいる図書館の館長は、作者その人、ヴィッキーだった。ええっ?と、カバーの袖の作者略歴を読むと、これはフィクションではなくて、ノン・フィクションなのだった。ラベルも「645.7」、これは「家畜・畜産動物各論」のなかの「猫」だ。そういえば、目次のページには猫の写真がいっぱいで、それが「デューイ・リードモア・ブックス」という名の猫だった。

図書館に猫? やっと聴導犬や盲導犬はどうぞというようなことになっている日本の図書館のことを考えると、ぬいぐるみの猫ならともかく、生きた猫が図書館にいて、しかも来訪者を出迎え、ひざに乗ったり、棚にのぼったり、カートに乗っていたりするというのは、ちょっと想像を絶する。けれど、この猫・デューイは、小さな図書館を出会いの場に変え、昔ながらの町に活気を吹きこみ、地域全体をひとつにまとめた存在だった。

そんな話がこの本には書いてある。

リッスン ジャズとロックと青春の日々(中山康樹)

リッスン ジャズとロックと青春の日々リッスン ジャズとロックと青春の日々
(2007/03/15)
中山康樹

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ひとつ前の「ビッグイシュー」で、岡崎武志さんが連載「ひぐらし本暮らし」のなかで、この本をとりあげていた。図書館におなじ文庫本があったので、借りてみた。これは「人生の転機にはいつも一枚のレコードとかけがえのない友人がいた」と綴る中山さんの、サブタイトルどおり「ジャズとロックの青春の日々」を書いた本。

私は、子どもの頃から「なにかつくること」や「絵を描くこと」がスキで、小学校では図工がスキで(理科の実験や家庭科もスキだった)、中学でも美術や技術がスキで、高校の"芸術"選択では3年とも迷うことなく「美術」を選び、ドクターストップで水泳部をやめなければならなかったあとには、美術部に入っていたこともある。

だから、「音楽」よりは「美術」で、美術方面がどうのこうのとおもしろがれるほどには、「音楽」には詳しくない。はっきりいって疎い。

この中山さんの本のなかでも、ワカラン人名、ワカラン曲名はいくらでもあって、それがわかればこの青春記はさらにさらにおもしろくなるのかもしれないが、わからなくても、この若い頃の話はえらいおもしろかった。

装丁を語る。(鈴木成一)

装丁を語る。装丁を語る。
(2010/07/07)
鈴木成一

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図書館の企画コーナーにあった本を、たまたまカードが1冊分あいていたので借りてみる。ぱらぱら見てみると、私がスキな『グッドラックららばい』の装丁もこの人だったりして、へえええと思って。(中をよく読んでいくと、同じく平安寿子の『くうねるところすむところ』もこの人の装丁だった。)

学生の頃に劇団のポスターをデザインしていて、演出家が戯曲集を出すというのでその装丁を頼まれて、見よう見まねでやってみたのが、鈴木成一が本の装丁の仕事をするようになったきっかけ。

この本は、鈴木がこれまで手がけてきた本のなかから120冊ほど選び、その「演出」意図を解説したもの。私が読んだことのある本は、そのうち約1割だった。どっかで見たことあるなーという本もあったけど、こんな本もあるのかと全然しらなかった本もあった。

音楽のレコードやCDでは"ジャケ買い"というのを聞くが、本はそれに比べてほとんどが棚差しで面陳されることが少ないので、棚から引き出して手に取る人はともかく、ふつーの本屋で売ってる本で、装丁家の「演出」がうまく伝わるものなんやろうか?という気もする。

とはいえ、ネットの本屋などでは、表紙を正面から撮った画像が並ぶのだから、そういうところで「見せる」もの、こっちに「見える」ものもあるかなと思ったりする。

11/12(土) 唄う絵描き モンキー岡田の紙しばいと唄のライブ~絵本『ちくわのわーさん』刊行記念

『特急おべんとう号』(福音館)の作者・モンキー岡田(またの名を岡田よしたか)さんの新作『ちくわのわーさん』がブロンズ新社より間もなく出ます。この新しい絵本の刊行を記念して、モンキーさんのライブ!! 11/12(土)18時~ @カフェ ココルームアクセス)。

おいでをお待ちしています!! 参加費は投げ銭(ふところ暖かくしておいでください)。絵本のほか、モンキーさんの作品絵はがきも販売します。会場のカフェ ココルームにて飲み食いできます(カフェメニュー)。
唄う絵描き モンキー岡田の紙しばいと唄のライブ
Genre : 日記 日記

2011年度 プレ国際人権大学院大学講座(前期):「人権の視点から考える東日本大震災」コース開講(1/20~12/2、大阪)

締切まもなくですが、こんな講座がひらかれます。定員に満たないので、電話またはファックスで引き続き申込みを受付中だそうです。
会場で『We』を販売させていただけることになりました。
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2011年度 プレ国際人権大学院大学講座(前期)開講
「人権の視点から考える東日本大震災」

今年3月11日、東北・東日本を襲った地震・津波・原発事故による甚大な被害によって、今もなお被災地では厳しい状況が続いています。このように大規模で多様な被害に直面して、私たち一人ひとりが今後長く続く復興作業に向けてどのように考え、行動するのかが問われています。とりわけ、東京電力福島第1原発事故によって引き起こされた、想像を超える環境汚染と健康被害の可能性という事態に、私たちが目をそむけることは許されません。

そこで、プレ講座では人権の視点で被害の現状と今後の課題について学び、考える場を持ちたいと思います。積極的なご参加をお待ちしています。

開催日時:2011年10月20日(木)~12月2日(金) (全5回) 19:00~21:00
会場:第1講~3講は大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第2ビル5階)、
 第4講、5講は大阪市立弁天町市民学習センター(オーク2番街7階)
受講料:全5講座一括受講4,000円/各個別講座受講1,000円
※受講料は、一括受講の場合は初回に、個別の講座を受講される場合はその受講時に、受付でお支払いください。
定員:30人程度 ※ただし、第3講、第4講、第5講は30人を超えても受け付けます
申込み:チラシ裏面に記載のうえ、または電話で、事務局へ(10/13必着) 各回とも定員に満たないので引き続き受付中
主催・問合せ:国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議事務局
TEL:06-6581-8693 FAX:06-6581-8842

↓ 各回の内容
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記憶を和解のために― 第二世代に託されたホロコーストの遺産(エヴァ・ホフマン、早川敦子訳)

記憶を和解のために― 第二世代に託されたホロコーストの遺産記憶を和解のために
― 第二世代に託されたホロコーストの遺産

(2011/08/11)
エヴァ・ホフマン
早川敦子訳

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新聞の書評欄でみかけて、図書館へリクエストしていたら、思いのほか早くヨソの図書館から相貸で届く。300ページ近い本を、ぎりぎりまで延長して、行きつ戻りつ読む。日本語版への序で著者のエヴァ・ホフマンが地震と津波、原子力発電所の事故のことに言及していることもあって、この本を読みながら、放射能について自分が見聞きするさまざまな言葉のこともずいぶん考えた。

「集団的な大破局がもたらしたものの意味を考えること…その大破局後の記憶が、個人のそして集団的な人間の次元でどのように変わってきたかを省察したい」(pp.i-ii)という思いで、この本は書かれた。著者のホフマンは、ホロコーストをかろうじて生きのびた両親の娘としてうまれた。

誕生のときからずっと、自分の人生はショアとともにあったとホフマンは書くが、その事実のみに自分の人生は縛られていたわけではない、人生を織りなす糸の中から、初めて意識的にホロコーストの糸を手繰り寄せたのは、自伝にとりかかったときのことだという。

▼私たちの世代は、いまいちどショアから導き出される多くの問いかけに対して、現在とのつながりにおいて考えることができるはずだ。この本は、そのような問いをめぐる一人の人間の思索であり、終わりなき苦難の歴史への長い応答である。(p.7)

難病の脊髄小脳変性症、発症の仕組み一部解明

ネットのニュースで発見。遺伝性の脊髄小脳変性症のうちの1つについて、発症のしくみが解明されたということのようだが、この病気全体をつかむ手がかりになるのかどうか。群馬大の平井さんの研究室のサイトによると、2008年にマウスを用いた脊髄小脳変性症の遺伝子治療に関する論文が発表されているらしい。小脳失調についての研究を重ねている研究室らしい。『1リットルの涙』におさめられていた亜也さんが命つきる前の筆跡は、だんだん判じ物のようになっていった母の筆跡とよく似ていた。

難病の脊髄小脳変性症、発症の仕組み一部解明

群馬大の平井宏和教授(神経生理学)らの研究グループは5日、女性患者の日記を基にしたドラマ「1リットルの涙」で知られる難病の脊髄小脳変性症が発症する仕組みの一部をマウス実験で解明したと発表した。

遺伝子異常で生じた変異型酵素が、正常な酵素の働きを妨げ、運動機能に影響を及ぼすことがわかった。異常な酵素をなくす治療法の有効性が裏付けられた形だ。平井教授は「臨床試験への大きな一歩」とし、5年以内にヒトへの治療開始を目指す。
Genre : 日記 日記

地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学(在日女性文芸協会)

地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学地に舟をこげ Vol.3―在日女性文学
(2008/11)
在日女性文芸協会

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『地に舟をこげ』は、康玲子(カン ヨンジャ)さんの『私には浅田先生がいた』が掲載された文芸誌として知った。いまVol.5まで出ていて、ときどき借りてきて、読む。

Vol.3の特集は「なぜ彼女たちは書くのか」という創作活動をする在日女性へのアンケート。康さんも含む14人の女性が答えたそのアンケートと、巻頭小説の「土」(李優蘭)、第一回「賞・地に舟をこげ」お祝い会の報告記事を読んだ。

エッチのまわりにあるもの―保健室の社会学(すぎむらなおみ)

エッチのまわりにあるもの―保健室の社会学エッチのまわりにあるもの
―保健室の社会学

(2011/03/10)
すぎむらなおみ

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タイトルが気になっていた本の著者・すぎむらさんが、こんど箕面のらいとぴあセミナーに来る!というので本を借りてきて読む。

「すぎむらと同じ気もちのゆれを経験してみよう」と思われるなら、ぜひ第10章からとあったので、10章から読んでみる。10章は「「援助交際」とはなにか」。すぎむらさんを混乱に陥れた、3人の生徒・アヤナ、イズミ、ウヅキの話。

アヤナ「…男の人が、あたしのためにお金を払うんだよ。すごくない? で、みんな、あたしをほめる。あたし、先生なんかより、ずっとたくさんの男の人にほめてもらってるとおもうよ」(p.222)
イズミ「あったりまえじゃん。むこうはお金があるんだし、お金もらうから対等につきあえるんだよ」(p.222)
ウヅキ「…わたしは、気分がいいの! モテモテ気分ってか、女王さまになった気分。ほめられるって、いいよ」(pp.222-223)

どうも、3人とも「援助交際」で自尊心が高まっているらしい。すぎむらさんは混乱しながら、彼女らそれぞれの事情もふりかえりつつ考える。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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