読んだり、書いたり、編んだり 

こぼれ種が芽吹いてしまった

10月になっても、ゴーヤはなぜかぐんぐんとツルを伸ばし、葉を繁らせ、雄花も雌花もけっこう咲くのだった。わさわさと繁った葉にかくれて、ことしもせっかくの実をいくつかはじけさせてしまった。

この春、こぼれ種から芽吹いたゴーヤがあったので、また来春もと思い、はじけた実のなかの熟した種は落ちるままにまかせていた。

ところが、来春どころか、落ちた種がもう芽吹いてしまった。

ゴーヤ20101029.jpg

さすがに気温も下がってきたし、これから大きくなるのは無理な気がするが、芽吹いてしまったものを「種に戻れ」とも言えないので、とりあえず様子を見守っているところ。
Genre : 日記 日記

編み物シーズン到来

気温が下がってきて、編み物シーズン到来。DVDを見たりしながら、手を動かすこの頃。本のあっちとこっちに重石を置いて読みながら編んでいたこともあるが、やはり本を読みながら編むのはちょっと大変(ページめくらなあかんし)。

グレーの帽子と緑の帽子

グレーの帽子と緑の帽子
昨シーズン、編みかけになっていたのを帽子にしあげる。グレーの帽子につーっと入ってるラインは、何かの残り糸を2周ほど入れてみたやつ。妹と、その友人にもらわれていった。

ドキュメント 憲法を獲得する人びと (田中伸尚)

ドキュメント 憲法を獲得する人びとドキュメント 憲法を獲得する人びと
(2002/04)
田中 伸尚

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益永スミコさんも載ってるというので借りてきた本。カバーの袖には、憲法とは「守る」ものではなく、「獲得する」ものだ、とある。「権利の上に眠るな」を思い出させる。

「おかしい」「ヘンだ」「納得がいかない」と声に出し、動いてきた人たちを追ったドキュメントの著者は、「まえがき」でこう書く。
▼異議申し立てをした彼らの思いを支えている意識は、紛れもなく再び植民地支配/侵略戦争をくり返さない、荷担者にはならないという歴史認識と人権意識である。(p.vi)

それぞれの住む場所で、かんたんには根こぎにされない草の根を張りながら、小さな一歩をすすめる人たちは、すごくトクベツなマネでけんような人というより、思いのほか軽やかだという印象が私には残った。こんなふうに憲法を読み、こんなふうな角度からその「なかみ」を考えて求めていけるんか、とも思った。目を開かされるところが、あちこちにあった。

死刑確定中(大道寺将司)

死刑確定中死刑確定中
(1997/12)
大道寺 将司

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1974年の三菱重工爆破事件で、事件の主犯として死刑判決を受け、確定死刑囚として東京拘置所に拘禁されている大道寺将司さんの本。松下竜一の『狼煙を見よ』を読んだあと、関係者の本でとりあえず近所の図書館にあったのがこれくらいだったので借りてきてみた(他の人の本はいくつかリクエスト中)。

大道寺さんの死刑確定は1987年の3月24日。私が高校2年を終える春である。確定後は一般の人々と面会や文通ができなくなり、大道寺さんが便りを書き、会うことができるのは母親だけになった。その母あての便りを通じた大道寺さんの声を獄外に伝え、友人たちの声を獄内に届けるために、『キタコブシ』という小冊子にそれらは掲載された。この本は、『キタコブシ』に掲載されたものを抜粋して編まれている。

序文にこうある。
▼人間が生きるということは、生物的に存命するばかりでなく、社会的に生きるということでもあるから、現在の確定死刑囚の処遇は、外界との交通を極度に制限することによって、この「社会的な生」を前もって処刑しているといえる。(p.6)

序文冒頭に「政治犯として戦後初の死刑判決を受け」とあるのを読んで、そうか、大道寺さんたちは政治犯なのか、と思った。

たまには時事ネタ(斎藤美奈子)

たまには、時事ネタたまには、時事ネタ
(2007/01/06)
斎藤 美奈子

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こないだ『ふたたび、時事ネタ』を読んだら、前のやつもまた読みたくなって、借りてきた。2001年から2006年まで、「婦人公論」で連載していた「女のニュース」に加筆してまとめたものである。

2001年、小泉が首相になり、海の向こうでは911の"テロ"があり、その後は、お前こそが大量破壊兵器をもったテロリストではないのかというブッシュがイケイケどんどんになって、小泉がわんわんと尻尾振っておいかけていき、いや~なことがいろいろあったなあと思う。もちろん、その小泉のあとに出てきた安部も、たいがいのことをしてしまった。

映画 日本国憲法(ジャン・ユンカーマン)

映画 日本国憲法 [DVD]映画 日本国憲法 [DVD]
(2005/05/20)
ジャン・ユンカーマン

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父が買ったDVDが、「ぜひ見ろ」ということで妹を経由してウチにきたのを長いこと積んでいた。父は自分がDVDを買ったことを忘れているのか、テレビでやっていたこの映画を録画していて、6月にそれを実家で見たのだが、その時はざわざわしていて、集中して見ることができなかった。

このDVDも、編み物の手を動かしながら見た。DVDには特典映像として監督のジャン・ユンカーマンのインタビューも収録されていて、それも見た(このインタビューの字幕では監督の映画「チョムスキー9・11」が、勘違いだろうけれどムーアの「華氏911」になっていた)。

ジャン・ユンカーマン監督は、辺野古の活動のなかに、アメリカ軍と日本政府の権力に一歩も引かず戦争に「ノー」を唱え続けてきたところに、日本国憲法が存在していると語る。

憲法は六法や教科書や資料集に載っている条文であるだけでなくて、まさにここにその内実があるのだ、ということだと思う。
Genre : 日記 日記

社会問題連続ベーシックセミナー 「セクシュアリティの多様性」(10/29)

10/29(金)の夜、箕面でセミナー「セクシュアリティの多様性」があります。
会場で『We』を販売させてもらえることになりました♪

焔に手をかざして(石垣りん)

焔に手をかざして焔に手をかざして
(1992/09)
石垣 りん

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りんさんの散文集は、かつてちくま文庫に『ユーモアの鎖国』『夜の太鼓』と、この『焔に手をかざして』の3冊が入っていたが、今は3冊とも切れてしまっている。

この本は、1980年に単行本で出ている。高等小学校を卒業してからずっと勤めてきた銀行を55歳で定年になる間近に書いたものから、定年となったあとに書いたものまで、りんさんの50代のことどもがおさめられている。

それぞれの一文はどれもいいなあと思うもので、手に入らないなら書き写しておきたいと思うところもあった。中でも、「女の手仕事」の一文(pp.50-53)がよかった。

「手仕事」と自分に出題して、「ツギ」とぱっと出た答えが自分でも意外だった、と書き出される文章のなかで、失われたと愛惜される手仕事は手料理、刺繍、編み物くらいしか考えつかなかったが、手が覚えていたのは「ツギ」のような、もっと張り合いのない、しないで済むならどんなに助かるだろうと思われる仕事のほうだった、とりんさんは振り返る。

「A2」(森達也)

A2 [DVD]「A2」
(2003/07/25)
森達也監督作品

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こないだ見た「A」に続き、「A2」を編み物の手を動かしながら見る。

「A」は広報部副部長の荒木浩を追ったところが大きかったが、「A2」は、オウムの信者とオウムではない人たちを合わせ鏡のように撮ってる感じ。オウム信者に「出ていけ」と怒声をあげ、オウム反対、殺人集団、出ていけなどと書いた横断幕やプラカードの連なるデモの様子や、監視を続ける人たちの姿が、ところは変わっても、同じように見える。「オウムに対しては何をしてもいい」というような勢いが、"住民"を結束させていたりする。

そのなかで、オウム信者と、そもそもはオウムを監視し排斥をうったえていたはずの近隣住民たちとが、日々顔をあわせ、言葉を交わすなかで、親しくなっている場があった。「マスコミには絶対出ないですけどね」という、その近所どうしの世間話の様子がうつされる。背後にはまだ「殺人集団、出ていけ」みたいな看板が掲げてあるけれど、その前で、顔見知り同士の会話が交わされている。話してみると、まじめな若者たちだ、というようなことを近所のおっさんやおばちゃんが言っている。そして、監視小屋の撤去を信者が手伝っていたりする、ほんとに不思議な関係ができていた。
Genre : 日記 日記

中村のイヤギ(張領太) 二度目

一ヶ月前に見た「中村のイヤギ」、上映がまた近所であったので、もう一度見にいった。

大野松吉さん、朝鮮名では権松吉さんの話と、一世のハルモニ、カン・ムニョルさんの話がとりわけ心に残る。「中村地区」は、第二次大戦中の空港拡張工事に徴用された朝鮮人たちの飯場があったところが始まり。その歴史的経緯もあって、空港内の"不法"占拠の地域と言われながら、市も国も長く手を出しがたく放置していた。

自治会長は、伊丹市が環境改善の話をもってきて、国交省が移転の話をもってきた、「反対してもしゃーない」といい、二世、三世は同化の方向にかたむく、一世もそのなかで今の流れに身を任せるだろうと言う。

大野さんは、この移転は「反対」を言える人、一世たちがほとんど死んでからの話だと言う。「さみしいというより、人間の弱いところを突かれた」と語る。亡くなった一世のオモニは昔のことは話したがらなかった、たくさんのきょうだいを一人も欠けずによく育ててくれたと思うと語る。

中村地区のなかでも数少ない一世となったハルモニ。カン・ムニョルさんは、ハタチで日本へ来てから60年まもってくれた家が解体されていく前で「さびしい」と語る。私には聞き取れない「ハルモニの歌」を聞き、解体されていくかつての自宅をふりかえりふりかえり、目元をおさえながら立ち去るハルモニの姿を見て、そのあとに更地になった中村がうつされたとき、ここにあった暮らしはもう消えてしまったのだなあということが胸にせまった。
Genre : 日記 日記

あなたは私の手になれますか(小山内美智子)

あなたは私の手になれますか―心地よいケアを受けるためにあなたは私の手になれますか
―心地よいケアを受けるために

(1997/03)
小山内 美智子

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わりと最近、なにかの本を読んでいてこの小山内さんの本のことが出てきたのだったと思うが、それがどの本だったか今思いだせない。

小山内さんは生まれながらにして手足があまり動かず、人の手を借りてずっと生きてきた。この本では「泣き言でもなく文句でもなく、どうしたらうまくケアを受けて生きていけるか、また、発展的な希望をもって生きていけるかということを書き綴りたい」(p.4)と、冒頭にある。これは43年ケアを受けてきた"ケアを受けるプロ"が口述筆記で書いた本。

私はこの世に生きていてもいいのか、と思い悩んできた小山内さんは、堂々と生きていてもいいのだとやっとふっきれたという。初めてケアをする人には「自分のお尻だと思って拭いてください」と言っている小山内さんも、かつては「もう一度拭いてください」とは言えなかった。介助者と気まずくなると思い、気持ちが悪いのをがまんして(あなたも自分のお尻をこうして拭くの?)と心の中で繰り返していた。

地下足袋の詩(入佐明美)

地下足袋の詩―歩く生活相談室18年地下足袋の詩
―歩く生活相談室18年

(1997/10)
入佐 明美

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JRの雑誌「WEDGE」に載ったという入佐明美さんの記事「借用書なしで金を貸す西成のねえちゃんの「人を信じる力」」をおしえてもらって読む。

24歳で、看護婦として勤めていた病院をやめて釜ヶ崎に入り、以来ケースワーカーとしてはたらいてきた入佐さん。本があるらしいが、近所の図書館には一冊もない。読んでみたいと思って入佐さんの本をすぐ注文した。

届いた本の帯にはこう書いてある。
ねえちゃんな、人間は
本音をはける相手がいることが、
いちばん大切なんや
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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