読んだり、書いたり、編んだり 

「働き方」の発想を変える(『We』93号、2001年6月号)

「乱読大魔王日記」で池田貴族の本のことを書いたのはいつやったかな…と『We』のバックナンバーをあちこち繰ってみる。

2001年6月の『We』93号でした。
「乱読大魔王日記」は23回目。しばらく入院していたうちの同居人が、この号が出た頃に退院した。
この回でタイトルがあがっている本は、

『村山聖名局譜』

『聖の青春』
『ガンを生きる ミュージシャンの孤独な闘い』
『ガンを生きる2 愛娘・美夕の誕生』
『内田魯庵山脈 「失われた日本人」発掘』
『はみ出しの文法 敗者学をめぐって』

の6冊。この頃の私は、病人(こいつも本読み)の要望もあって、ネット本屋でぺんぺんと本を買いまくっていた。

もう7年半も前である。
「7年半も」と書いてしまうが、『We』を見ると、ぜんぜんそんなことないのである。

この号でのインタビュー2本は

・「スローワーク」を創り出す--福祉コンビニ」のコンセプトは家族を開く(二神能基さん)
・ワーク/ライフバランスを考える(パク・ジョアン・スックチャさん)

ワークライフバランスって、内閣府が最近になって旗を振っているせいか、やたらと便乗本のようなのが出ているが、7年半も前に、もう『We』には載っていたのである。

バックナンバーも読める雑誌、といつも思っているが、いやー、ほんまに。

連載のほうも

・竹信三恵子さんの「家事神話 女性の貧困のかげにあるもの」…これは今でも名連載だったと思う
・こないだ本が出た中畝さんの「ひげのおばさん子育て日記」
・吉原令子さんの「英語で女性問題を語るためのワンポイント・レッスン」…これもフェミックスから本が出ている

のほか、

・蔦森樹さんの「ジェンダーフリー大曼陀羅図鑑」、
・木村栄さんの「女が歳をとるといこと」、
・入江さんの「ひまわり」の前の連載「食の歳時記」

などなど、バックナンバーを一つ手にとると、つい前後の号もまた読んでしまうのであった。
Genre : 本・雑誌 雑誌

MiYOU(池田貴族)

病院の帰りに、コーヒーを飲みにいって、そのあと中古のCDやDVDを売ってる店をのぞき、3枚で1000円というCD棚を見ていた同居人が1枚つかんでいるので、私も棚をながめていた。
池田貴族の「MiYOU」というCDが目に留まる。

池田貴族の本のことは、ずいぶん前の『We』で書いた。
いつの号だったか、バックナンバーをひっくり返さないと思い出せないが、たしか同居人が入院していた頃である。

病気関係というか、闘病記のような本をいろいろと読んでいた。
その頃に、池田貴族の本も買った(あの頃はバカスカと本を買っていたのである)。

池田貴族は、本名の池田貴(いけだ・たかし)で、『ガンを生きる』と『ガンを生きる2』を出している。
その2冊目のサブタイトルは「愛娘・美夕の誕生」だった。
妻のため、娘のために生きると書いた本だった。

「MiYOU」は、貴族が娘にのこしたアルバムである。
今日、はじめてその現物を見た。
プロデュースはみうらじゅん。

▽辛いだろうが今の気持ちを詞にしてみないか?
 貴族は見事に答え、病室で寝ていた奴とは思えない声量のあるボーカルでレコーディングを終えた。ガンを克服するより前、すでに貴族は奇跡を起していたのだ。命尽きるまで歌い続けろ!貴族!!
 1999年2月 みうらじゅん
(ライナーノーツより)

池田貴族が私の印象にのこっているのは、本を読んでそれを『We』に書いたせいもあるが、貴族の誕生日が私と同じだったせいもある。
私より6つ上だった貴族は、このアルバム「MiYOU」を出した1999年の暮れに亡くなった。
かぞえてみると、今の私より若い。36歳だ。

330円払うから一緒に買ってくれーと、「MiYOU」のCDも3枚1000円に参加。

帰ってさっそくかける。
池田貴族って、こんな声なのか…
きれいな声。みうらじゅんが書くように、病院で寝てた人とは思えない。

MiYOUMiYOU
(1999/04/21)
池田貴族シーモンキーズwithイカ天ビジュアルズ

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ガンを生きる ミュージシャンの孤独な闘いガンを生きる ミュージシャンの孤独な闘い
(1999/11)
池田 貴

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ガンを生きる〈2〉愛娘・美夕の誕生ガンを生きる〈2〉愛娘・美夕の誕生
(2000/01)
池田 貴

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Genre : 音楽 音楽

パンツの面目ふんどしの沽券(米原万里)

こないだ『We』編集部のNさん宅に泊めてもらったときに、米原万里の『パンツの面目ふんどしの沽券』の文庫本があった。
文庫が出たころから、買おうかな~と強い興味をもっていた本である。
なんだったか忘れたが、この文庫本が出たころ、いろいろ忙しくてすぐに読めそうになく、買うのを迷ったのである。それでも何度も本屋で文庫本を手にとってぴらぴらと眺めていた(そんなに迷うなら買えよ!)。

その文庫本が目の前にある。
しかもNさんが「それはおもしろかったよー、米原万里の本はおもしろいけど、これは突き抜けてる気がする」などと言うのである。

そそくさと寝る支度をして布団に入り、枕元の電気スタンドをつけて最初のほうを少し読む。

うううう、オモロイ。このまま読んでしまっては寝られなくなってしまう。
その日の会議疲れもあって、ぐぐぐっとガマンして、スタンドを消して就寝。

Nさん宅からその文庫本を借りて帰るかどうか迷ったが、乗り物内で本を読まない努力をしているため、帰ってから買うか借りるかしようとココロに決める。

眼科でドライアイと言われていて、眼を酷使している自覚も十分にあり、何がよくないといって「乗り物の中で読むのが眼には大変よくない」と言い聞かされている。「電車に乗ったときくらい、外を見てなさい」とも言われている。

昨日で『We』の発送準備もすみ、おととい図書館で借りてきた『パンツの面目ふんどしの沽券』を今日は病院で順番待ちをしながら、心をふるわせて読む。

あああ、オモロイ。

ネタは全然違うが、まるで松本修の『全国アホ・バカ分布考』のようである。
こ、これはやはり自分でも一冊買おうと思ったのであった。


卵巣癌が再発し、人生の時間がカウントダウンに入ってしまったと「あとがき」に書いていた米原万里は、2006年の5月に56歳で亡くなった。

単行本
パンツの面目ふんどしの沽券  パンツの面目ふんどしの沽券  
(2005/06/24)
米原 万里

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文庫本
パンツの面目ふんどしの沽券 パンツの面目ふんどしの沽券
(2008/04/09)
米原 万里

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全国アホ・バカ分布考 (新潮文庫)全国アホ・バカ分布考 (新潮文庫)
(1996/11)
松本 修

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きのう何食べた?(よしながふみ)

よしながふみの『きのう何食べた?』の1巻は去年の冬に買って、なんどもよみ、いくつかの料理はつくってみて、そしてマンガ本体はあっちやこっちへ回覧の旅に出ていた。中畝本のしまいのほうにも、このマンガのことが出てくるが、それはたぶんウチから回覧の旅に出ていたやつである。

2巻はいつ出るのか?と「何食べ」ブログを時々のぞいていたら、11月21日に出ることがわかった。
それで、「こんどの金曜は何食べ2巻」「こんどの金曜は何食べ2巻」「こんどの金曜は何食べ2巻」「こんどの金曜は何食べ2巻」…と指折りかぞえて金曜を待っていた。

出勤前に本屋へ寄って、マンガのとこへ行き、積んである一番上を買ってきた。

1巻の帯は「おうちでたべよう。」 だった。
2巻の帯は「食べるは、幸せ」である。

いや~あいかわらずおいしそうで、かつ話もおもしろく、たのしくよんだ。

ゲイカップル、シロさん(弁護士)とケンジ(美容師)の関係もおもしろいが、シロさんが引き受ける仕事(たとえば男性DV被害者の話)も、よしながふみは、意図してかせずしてか、DV被害者は女性も男性も同じことを言うとか、考え方がおかしくなってしまうとか(帰らないと殴られる…などと)、DVというのが人間をどういためつけるかをそう言う風にしてかいてみせる。

2巻でおもしろかったのは、「ゲイの愛されファッション」(短髪・ヒゲ)は、モテファッションという意味では、女の子の「ななめ前髪のセミロングに甘めのワンピを着ている」のと同じようなもんだ、という話。

よしながふみを入れてない女性センターは少なくないようだが、いろいろ差し障り(?)があるならば男の料理マンガの振りをしてでも、ぜひ入れてほしいものである。

2巻の帯には、『大奥』4巻が12月24日に出るとあった!
『大奥』も、3巻まで読んで、4巻を待っているのである。
あ~来月がたのしみだなあ。

何食べブログはここ
http://blog.livedoor.jp/nanitabe_blog/

きのう何食べた? 2 (2) (モーニングKC)きのう何食べた? (2)
(2008/11/21)
よしなが ふみ

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きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)きのう何食べた? (1)
(2007/11/22)
よしなが ふみ

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山田泉さんが亡くなった

山田泉さんが亡くなったと知らせをうけた。
『We』の2007年の暮れの号に「団子を売るように保健室にいました」という菅井純子さんによるインタビューで登場した山ちゃんである。

私はことしの6月に、菅井さんが福井で山ちゃんをよんで講演会をしたとき、シフトを替わってもらって、福井へ日帰りで行って、初めて山ちゃんに会い、ライブの話を聞いた。
出勤シフトだったので迷っていたが、もう会える時間はそう多くないよと聞いて、シフトを替わってもらって、行った。

山ちゃんが登場した1年前の『We』の見返しに、サインをしてもらった。

「ひとりから」

いつもこれを書くの、なにごともひとりから始まるから、と山ちゃんは言っていた。
そして、あの日が山ちゃんに初めて会って、最後に会った日になった。

山ちゃんが登場した151号(07年12-1月号)の『We』は、山ちゃんがたくさん売ってくれたので、もうフェミックスには在庫がありません。うちには貴重なこの号が(山ちゃんにサインしてもらった自分の分以外に)あと1冊だけあります。この号が欲しい!方は、コメント欄でお知らせください。 (追記)12/6にこの号も売れました。ありがとうございます。

『We』の在庫はありませんが、『We』に掲載されたこのインタビューは、ことしの5月に出た山ちゃんの本『いのちの恩返し』の巻頭に収録されています。山ちゃんにはもう1冊『「いのちの授業」をもう一度』という本もあります。

これから公開される映画「ご縁玉 パリから大分へ」は、山ちゃんとチェリストのエリック-マリア・クテュリエの交流を描いた作品。関西での上映が決まれば、見にいきたい。

山ちゃんのブログ
http://yamachan.biz/

いのちの恩返し―がんと向き合った「いのちの授業」の日々いのちの恩返し―がんと向き合った「いのちの授業」の日々
(2008/05)
山田 泉

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「いのちの授業」をもう一度―がんと向き合い、いのちを語り続けて「いのちの授業」をもう一度―がんと向き合い、いのちを語り続けて
(2007/05)
山田 泉

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9年前、私と30違いの母が死んだ。
4年前、私より20年上の恩師が亡くなった。
山ちゃんは私より10年上。
生きているものはいつか死ぬけれど、はやすぎると思えて、かなしい。

山ちゃんの冥福を祈るのみ。

読む少女(岸本葉子)

『We』の入稿がなんとかなりそうだと確認して、遅番の出勤。
図書館を経由し、さらら~と読めそうな、軽い本を借りる。今日は各地の営業のためにメール便を送ったり、本を20冊運んだりで荷物がめちゃくちゃ重かったので、軽い文庫を1冊借りて職場へむかう。

それで、さらさらと読んだのが岸本葉子の『読む少女』。
この表紙絵を、どっかで見たことあるような気がするのだが、このタイトルにはおぼえがなく、ちらっと中を見ても、読んだおぼえがなかった。

「とにかく本が好きで、いつも読んでいる」という、同級生のアラカワさんの話がさいしょに書かれている。
アラカワさんの母上が、岸本葉子の母親に「本が好きで、困ったもんだ」と言うので、本が好きだなんて羨ましいくらいだと岸本母が述べると、「とんでもない!」とアラカワ母は首を振ったのだという。

▽「学校の勉強もそっちのけ。ご飯のときも、本を開いたまま、箸をうごかしているんですからね。親が何を話しかけても、上の空。わが家はほとんど親子断絶状態です」
 「目もどんどん悪くなるし、困ったもんだって、溜め息をついていらしたわ」(p.7)

アラカワさんは、とにかくいつでもわが道を行く本読みだったそうだ。
授業中も先生の話をろくに聞かずに、机の下で本ばかり読みふけっていて、しょっちゅう注意されていたというアラカワさん。

「まえがき」と「あとがき」がアラカワさんの話で、その間に収められているのは岸本自身の「読んできた」話。

林芙美子の『放浪記』と、『風琴と魚の町』の話がある。
『放浪記』の出だしは「私は宿命的に放浪者である」、だそうである。
むかし何度か読んだ本だが、そんなフレーズがあったことは記憶にのこっていない。

でも、町から町へと流れ歩く芙美子の話を、ひさしぶりに読みたくなった。

岸本が父親について書いた章も、印象に残った。

▽近頃は、父に関する記憶の中でも、父の神経質さにふれたできごとを、ことさらに数え挙げ、
 (そうだ、昔からああいう人だった)
 (だから、こうなった)
 と、家族は至るべくして今に至ったと、自分に思い込ませることばかりしていたが、それは偏っていた。
 少なくともはじまりは、そうではなかった。
 父は私たちが生まれたことを、心から喜んだだろうし、だいじに育てようと思ったはずだ。でなければ、勤めで疲れきっているのに、誰がわざわざ、赤ん坊を風呂に入れようか。
 そのように慈しんだつもりの娘が、面と向かって口答えこそしないけれど、心の中で父に背き、なるべく家にいない方がいいとまで思っているのだから、親というのもかわいそうなものである。(pp.97-98)


本をしまいまで読んでみると、この文庫は、もとはポプラ社から出た単行本『本だから、できること』を改題したものだそうである。このタイトルにはおぼえがある。表紙くらいはどこかで見ていたのだろう。

読む少女 (角川文庫)読む少女 (角川文庫)
(2006/11)
岸本 葉子

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MRIの結果

先週の水曜にMRIを撮りにいき、今日はその結果を聞きに行きました。
なんと、脳のなかにヘンなもんがありました。えええっ

「なんもない」と言われると思ってたのに、なんか「あった」ので、ビックリでござる(@_@;)

水?がたまった袋?みたいなものらしいです(のう胞と言われた)。
ただ、場所が三半規管や蝸牛といった耳関係ではなく、くも膜あたりで、これが今回のめまいと
関係あるかどうかや今後どうなるかといったことは耳鼻科ではわからないので、脳神経外科へ行った方がよいということでMRI造影に引き続き、また紹介状を書いてもらいました。

来週の休みに行く予定。

めまいそのものはこの10日ほどは収まっており、日常生活は平穏に送っています。

次号『We』入稿前

次号の『We』の入稿前で、追い込み。

昨晩、ファックスの用紙(感熱紙の巻紙)が切れてしまった。いつもは必ず予備の巻紙を1本買い置きしているのだが、中畝本の校正でぞろぞろとたくさんのゲラを受信していたら、すごいいきおいでなくなってしまったのだ。

昼にとりあえず駅前の文具屋へ行ってみると、合うサイズの巻紙がない! えええっ!と困って、駅の向こうにもう一軒ある文具屋さんを思いだし、そちらへ行ってみる。
なんとか合う巻紙があって、買って帰る。

いつもは300円で買う巻紙が、なぜかこの店では700円もするのだった。メーカー違いとはいえ、値段ちがいすぎないか? 何が違うとこんなに値段が違うのであろうか。

『We』『ヒューマンライツ』も原稿がすんで(まだ『ヒューマンライツ』の校正はすんでいないが)、ココロは一昨日図書館で借りてきた『世間師・宮本常一の仕事』に飛んでいるのだが、もうちょっと、あともうちょっと…


昨日、仕事の合間に途中まで読んだ。

世間師・宮本常一の仕事世間師・宮本常一の仕事
(2008/09)
斎藤 卓志

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今日は、『ヒューマンライツ』で書いた「渡辺やよいの本」の、その渡辺やよいさんから、コメントをいただいた。
おおおおお、渡辺やよいさんや~!と驚く。

『ピーター・ノースの祝福』は、最近読んだなかではイチオシの佳作です。

ピーター・ノースの祝福ピーター・ノースの祝福
(2008/07)
渡辺 やよい

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Genre : 本・雑誌 雑誌

広告批評330号(2008年10月号)

「広告批評」の330号(2008年10月号)は、何かが読みたくて図書館にリクエストしていたのだと思うのだが、届いてみたら、いったい自分が何を読みたかったのか、まったく思い出せない。
特集は「ファッション・コラボレーション」。
私は何が読みたかったのだろうか。

はしからページを繰って、ながめてみる。
この号では、私が図書館で借りたこの表紙を含め、3種類の表紙で発行しているそうだ。本屋へはどんな風に配本されるのだろうか?個人や図書館などの定期購読にはどの表紙が届くかお楽しみなんだろうか?…などとしばし考える。

巻頭には、長いこと連載している橋本治の「ああでもなくこうでもなく」が載っている。
時評だから、すこし時間がたって読むと、(あぁそんなこともあったなア)と、そう古いことでもないのに思ってしまう。

この号で橋本治は、北京オリンピックのことと福田康夫が「自分を客観的に見ることができる」と言って辞めたあたりの話を書いている。

橋本治は、北京へ行ってオリンピック取材をしないかと持ちかけられて、即座に「やだ、そんなの」と答えたそうだ。

ずっとページを繰っていって、しまいの方の「広告のページ」とわざわざ書いてあるページで、養老孟司の「『ああでもなくこうでもなく』を読む」というテキストがある。

「ああでもなくこうでもなく」は時々まとまって本になっていて、私はそのうち最初の赤い一冊だけもっていたはずだが、どこへいったか本棚に見当たらない。

最新刊は6冊目で、『最後の「ああでもなくこうでもなく」そして時代は続いて行く-』というオレンジの本。

養老が、著者(=橋本治)にも「わからないこと」がある、その筆頭が年金問題だと書いている。なぜかというと、橋本治には「年金をもらいたいという発想が欠如」しているからだ。
橋本治はそこのところをこんな風に書いているらしい。

私は自営業の三代目だから、「定年」という発想がない。つまり、私の中には「倒れるまで働く」と「倒れても働く」があって、それ以外の選択肢はない--子供の時からない。だから、「働く期間が終わって、年金をもらう」という発想がない。「働く期間の終わり」とは、ほとんど「人生そのものの終わり」でしかないから。


久しぶりに、「ああでもなくこうでもなく」をさかのぼって読もうかなーと思った。

広告批評 330号(2008年10月号)
koukoku.jpg

最後の「ああでもなくこうでもなく」―そして、時代は続いて行く最後の「ああでもなくこうでもなく」―そして、時代は続いて行く
(2008/10)
橋本 治

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Genre : 本・雑誌 雑誌

ず・ぼん14号(ポット出版)

『ず・ぼん』という雑誌(号数がついているので雑誌と思っているが、流通上はISBNがついていて本扱い)を時々読むようになったのはいつからだったかな。

バックナンバーの目次を見てみると、『ず・ぼん』4号の特集「どうする、どうなる? 大学図書館」を最初の職場(某大学)にいた頃に注文したおぼえがあるから、たぶんそれが最初だろう。

「図書館とメディアの本」とサブタイトルのついたこの雑誌(本)は、だいたい年一回くらいのペースで出ている。とりあげられている話題は、この10年余りの図書館付近のうごきをよくあらわしていて、委託、コスト、非常勤職員、といった運営問題から、図書館=無料の貸し本屋という非難、図書館の自由、蔵書廃棄事件など図書館そのものの問題まで。

そして最新号の14号は「指定管理の現場」を特集。

指定管理では、運営費を、それまで公務員で運営していたときに比べて相当削って指定管理の事業者にまかせるという、安ければそれでエエのか?図書館の公共性って何?公務員って何?と思える問題もよく議論されるが、それとともに、公共図書館はどうあればいいのか?という話もこの号にはいろいろと載っていて、どの記事もおもしろかった。

前千代田図書館長・柳与志夫へのインタビュー「公共図書館の新しいモデルをつくりたかった」(聞き手は『ず・ぼん』編集委員でポット出版代表の沢辺均)は、図書館のヘビーユーザーを自認する私には、ドキンとさせられる内容だった。

・特定の人の本購入の肩代わりをしていないか
▽沢辺 …実は図書館って、ヘビーユーザーはリクエストから予約から、それこそ骨の髄までしゃぶりつくすほど使うんだけど(笑)、それ以外の人はほとんど縁がなかったりする。(p.67)

・公共図書館は「世界を案内する窓口」になることができる
▽柳 …千代田図書館の大きなコンセプトは、「天動説から地動説に変われ」ということなんです。千代図書館への批判に「蔵書が少ない」というのがあるんですけど、じゃあこれが三十万冊とか五十万冊あったら十分なんですかといったら、現在の情報量や知識量のなかでは、そんなに大した数じゃないんですね。だったらむしろ、「世界の情報を得られる」ことを第一に据える…
 …ようするに「世界を相手にする」窓口に、公共図書館がなるんだ、と。今後はそういうふうにしていかないと駄目だと思っています。極端な言い方をすれば、これまでは自分のところの図書館の蔵書になければ、それで終わりだった。もちろん相互貸借などのシステムはありましたが、いままでの公共図書館は、自分のところの蔵書しか見ていなかった。その発想を逆転させる。それが「天動説から地動説へ」ということなんですね。(pp.84-85)


そうです、私はしゃぶりつくしています。
自分が納めている住民税は図書館に捧げていると思うくらい使いたおしてます。
平均して週に3度は図書館に寄ります。
予約や未所蔵本のリクエストはしょちゅうしていて、本をもりもりと借りるのが主だけれど、レファレンスも時に利用。
自分でもいろいろ調べてみたが、なにかほかの探す手だてはないかと期待してお訊ねしたり、どうしてもどうしても気になったことを知りたくてお訊ねしたり。

自分の本棚が、図書館に延びているような感じ。感覚としては「ウチの書庫」。
借りる、読むというだけではない、新しい図書館像を考えてみるのに、こんどの『ず・ぼん』もおもしろい。

ず・ぼん 14号ず・ぼん 14号
(2008/08/19)
ず・ぼん編集委員会

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『ず・ぼん』の記事は、最新号と一部の古い号をのぞき、ほとんどがwebで読める。ぱらぱらと手にとって読むには、やはり本のかたちをした紙媒体がいいなあと私は思うけれど、近所の図書館にない号(行方不明なのか未購入なのか、ない号がある)の記事をちょっと読みたいときには、便利だ。
ず・ぼん全文記事(バックナンバー)
Genre : 本・雑誌 雑誌

トランスがわかりません!!/恋愛のフツーがわかりません!!(ROS)

少々体調不良で、原稿を待ってもらっていたのを、やっと書き終える。
次の「乱読大魔王日記」では、この2冊の紹介です。
あぁ、これからイラスト描かないと。

トランスがわかりません!!  ゆらぎのセクシュアリティ考トランスがわかりません!!  ゆらぎのセクシュアリティ考
(2007/03)
ROS

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恋愛のフツーがわかりません!! ゆらぎのセクシュアリティ考2
ROS.jpg
Genre : 本・雑誌 雑誌

『ひげのおばさん子育て日記』ができました!

中畝常雄さんと中畝治子さんの
障害児もいるよ ひげのおさん子育て日記』
ができました!

おもしろい本です。
笑えて泣けて、
いつのまにか元気になります。


私は校正を手伝いました。
『We』での連載中から愛読していましたが、本になるにあたり、校正しつつ二読、三読し、追悼文集『祥太といた時間』も出してきて読みかえしました。

nakaune.jpg

夫婦で日本画家、仕事も子育ても交代で、いろんな人たちの助けをひきこみながらの、障害のある祥太くんを含む3人の子どもたちの子育ての日々。おじさんとおばさんを行きつ戻りつするうちに男の枠を抜け出して帰る場所がなくなったことを開き直って楽しむ常雄さんと、同じく日本画家の妻・治子さんの辛口コメントとの絶妙のかけあいは、泣けて笑えて、いつの間にか元気になれること請け合いです。
いまどきのワークライフバランスの究極モデル、子育てに悩む若い世代への〈がんばらなくていいよ〉というエールです。

A5判並製・160ページ
本体1,600円+税
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第39回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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