読んだり、書いたり、編んだり 

私は美人


私は美人
酒井順子
\525
朝日文庫
2007年

もともと私が酒井順子を知るきっかけをつくった友人が、つい先日「読みますか~?」と貸してくれたので、読む。

調査のやり方は相当テキトーなれど、巻末におさめられている「『日本海側美人一県おき説』をめぐる考察」はおもしろかった。

秋田は美人がやはり多かった、そうです。

水平社宣言・解放歌 「水平社宣言」「解放歌」の意味と誕生の背景 水平社創立の熱い心


水平社宣言・解放歌 「水平社宣言」「解放歌」の意味と誕生の背景 水平社創立の熱い心
守安敏司
藤田正
朝治武
\1,890
解放出版社
2005年

近所の図書館の「リバティ・コーナー」をふらりと通りかかると、この本があって、表紙に「著作権者の了解が得られなかったので、CDは貸し出しできません」と紙が貼ってあった。
ぱらぱらと本を見ると、CDには「解放歌」「母は闘わん」「差別裁判うちくだこう」(これらは音楽行動隊によるもの)、さらにソウル・フラワー・モノノケ・サミットによる「水平歌~農民歌~革命歌」と、解放歌のカラオケ、水平社宣言の朗読が入っているというのだ。

「解放歌」も「母は闘わん」も「差別裁判うちくだこう」も、むかし歌ったことがあるけど、メロディーはぼんやりとしか思い出せず、本を持ってカウンターへ行く。

「館外貸し出しはできないそうですが、館内視聴はできますか?それもだめなんでしょうか?」
近所の図書館にはCD視聴の装置があるのだ。館外貸し出しはできなくても、館内視聴はできるというビデオもあるのだから、CDも同じなんじゃないのかと思ってのこと。

調べてみます、たぶんできると思いますと言われ、聴けるなら館内で聴きたいのでと頼んで帰る。それが月曜のこと。

今日図書館へ行ったら、CDが届いていた。著作権者にダメと言われたきり、館内視聴可ともせず、購入した館でただ眠らせていたらしい。図書館員だれも気づかなかったのかよ~!

で、館内視聴できますというので、本をぱらぱらと眺めながら、リピートして小一時間聴く。

「解放歌」にはこころをゆさぶるものがある。
「差別裁判うちくだこう」は、冒頭にシュプレヒコールも収録されていた。
そして、歌っている音楽行動隊のメンバーが巻末に載っていて、ボーカルのひとりの名前にぐぐっと目がいく。
トムさんだ。

館内視聴できますと表紙に貼ってもらって書架へ並べたほうがよいのではないでしょうか、私もまた聴きたいし、とお願いして帰宅。

ソウル・フラワー・モノノケ・サミットの「レヴェラーズ・チンドン」というのがどっかの図書館にないかと探してみるが見当たらず。「デラシネ・チンドン」が他館相貸なら借りられそうなので、こんどリクエストしてみようと思った。

チンドン調の解放歌もまたよかった。

まんがキッチン Recipes,Essays and Comics for Girls


まんがキッチン Recipes,Essays and Comics for Girls
福田里香
\1,680
アスペクト
2007年

まんが作品のコマに描き込まれている「食べもの」「お菓子」、食べる人たちの関係性…そういうのを「こんな食べものにしてみました」という本。
まんが家との対談も4本収録。

表紙絵は羽海野チカ。

戦後腹ぺこ時代のシャッター音 岩波写真文庫再発見


戦後腹ぺこ時代のシャッター音 岩波写真文庫再発見
赤瀬川原平
\1,680
岩波書店
2007年

しばらく前に、復刻された岩波写真文庫の一冊を借りてきて見た。それで興味をもって、図書館にあった古いのを(といっても、これ自体が再版されたものだったけど)借りてきて見た。

岩波写真文庫は1950年に始まり、全部で300冊ほどあるらしい。近所の図書館にもそれはさすがに全部なさそうだが、手に入るものはぼちぼち見てみたい。

この本は、その300冊ほどの写真文庫のなかから、赤瀬川が24冊を選んで、あれこれと書いたものである。

とりあげられたのは順に

5『アメリカ人』1950.6 南博(監修)
3『南氷洋の捕鯨』1950.6
8『写眞』1950.7 木村伊兵衛(写真)
190『家庭の電気 実際知識』1956.6
35『野球の科学 バッティング』1951.7
94『自動車の話』1953.9 いすゞ自動車株式会社(写真)
65『ソヴェト連邦』1952.9 日ソ親善協会(写真提供)、ソヴェト研究会(監修)
21『汽車』1951.4
118『はきもの』1954.7
78『近代藝術』1953.1 岡本太郎(監修)
44『蛔虫』1951.10
183『日本 一九五五年十月八日』1956.4
68『東京案内』1952.7
34『電話』1951.6
194『パリの素顔』1956.7 柳宗玄(監修)
49『石炭』1951.11 西日本新聞社(写真提供)
67『造船』1952.6 三菱造船株式会社長崎造船所(写真)
13『心と顔』1951.2
199『子供は見る』1956.9
101『戦争と日本人 あるカメラマンの記録』1953.8 影山正雄(編集)
48『馬』1951.12
143『一年生 ある小学教師の記録』1955.3 熊谷元一(写真)
193『塩の話』1956.7 日本専売公社(写真)
213『自然と心』1957.1 島崎敏樹(監修、写真)

タイトルの前の番号は、写真文庫の番号(出た順だと思う)

彩乃ちゃんのお告げ


彩乃ちゃんのお告げ
橋本紡
\1,470
講談社
2007年

彩乃ちゃんという、小学5年の女の子が出てくる話。彩乃ちゃんの祖母は教祖様。彩乃ちゃんは祖母の力をつぐ教主様。

事情があって、彩乃ちゃんがしばらくの間預けられた3つの場所。そこで、彩乃ちゃんが告げたのは、「誰かの人生に関わって、ほんのちょっとだけ方向を変える」こと。ちょっと先までわかってしまう彩乃ちゃん自身は幸せなのか…?

『猫泥棒と木曜日のキッチン』の人だなーと借りてみた。

乙女なげやり


乙女なげやり
三浦しをん
\1,470
太田出版
2004年

二ノ宮知子が表紙を描いたこの本は、数年前に読んだけど、三浦しをんの小説をせっせと読んだところで、久しぶりにエッセイを読みたくなって借りてきた。

よしながふみの『愛すべき娘たち』についても、この本でコメントがあった。

▽さまざまな女性たちの姿を描いた、連作漫画集。きんじょのKと語ったことがあるのだが、よしながふみのなにがすばらしいって、フェミ的にばっちりOKなところに加え、出てくる女性のしゃべりかたがすごくリアルな点だ。この漫画では女の子同士の会話がいっぱいあって、そのどれもが、「そうそう、女の子だけのときって、いつもこんな完治でしゃべってるよ!」と、ガクガク納得しちゃうものばかりだった。…(p.145)

自分の書いた小説とエッセイで「エッセイと小説とで、たまに全然人格が違いますね」と聞かれることについては、こんな風に書いてあった。

▽流浪する人物の物語、という系譜がある。たとえば、『ポーの一族』のエドガーとアランとか、『たのしいムーミン一家』のスナフキンとか。
 彼らの孤高の精神と、そこはかとなく漂う哀愁にはとても憧れたものだが、私は自分が流浪には向いていないことに、早くから気づいていた。…[中略]
 …あてどなくさまようスナフキンと、ひたすら一つの場所に居続けたいと願う私は、悲しいかな、お互いの存在を知らぬままに暮らしていくしかない、ということを言いたかったのだ。
 私は、身のまわりに起きた楽しいことやおかしなことを、エッセイとして書きとめる。どこかをさすらうスナフキンのことは、小説として表現する。スナフキンは、暗闇に浮かぶたくさんの窓の明かりを見て、そこに暮らすひとについて想像することがあるかしら。明かりの下で、スナフキンの旅路について思いを馳せている者がいると、想像することがあるかしら。などと考えながら。(pp.234-235)


それにしても、妄想炸裂なエッセイだ。笑ってしまうぜ。

恋する車イス 未経験のまま下半身不随になった僕の物語


恋する車イス 未経験のまま下半身不随になった僕の物語
木島英登
\1,500
徳間書店
2005年

著者とは昨日の宴会で会った。
1冊目の本を貸してくれた友人より、2冊目の本を借りてくる。

表紙には小さく「Sex in wheelchair」とあるように、この本のほとんどは、女性にモテたい話とHの話。セックスの経験がないまま17歳で下半身不随になったせいもあるのか、それとももともとの著者の性格か、「女性にモテたい」ということと、「セックスがしたい(恋愛がしたい)」ということの2点で突き進んだ十数年が縷々綴られている。その2点が、著者のアイデンティティを確固たるものにする光明であるかのように…

最後の章でさらりと書かれている「運命の人」と、子どもさんが昨日は一緒だった。3冊目の本を準備中と聞いたが、それはどんな内容なのだろうか。

ひとりの時間 My Fifteen Report


ひとりの時間 My Fifteen Report
華恵
\1,050
筑摩書房
2007年

「Webちくま」での連載を加筆修正してまとめた本。華恵が中学3年生の1年間を綴ったもの。
『小学生日記』『本を読むわたし』に続く3冊目。

机がぐちゃぐちゃ(片づけられない)という話を読んで、前の2冊よりも親近感をおぼえる。それから、web上などでたまに見かける手書き文字は(私はあれをみて「華恵ってこんな字を書くのか」と思っていたが)、華恵のものではなくて、華恵の母の友人であるすがわらけいこさんのものだとわかる。この本の挿し絵もすがわらさんのもの。

女たちの21世紀 No.51


女たちの21世紀 No.51
【特集】女性が半数を超えた外国人研修生・技能実習生
アジア女性資料センター
\1200
2007年

業務上の必要(この特集号の紹介文を書く)もあって、読みなおした雑誌。
アジア女性資料センターの機関誌である。

女性労働の視点から、外国人研修生問題をとりあげている。
外国人研修生の“研修”が、研修という名のもとに労働法で規制されない“労働”になっていることは少しずつ知られるようになってきた。合法的な研修制度という中での「もう一つの人身売買」とも言われている。そのなかでも、外国人男性に対するよりも、外国人女性に対する歪みは大きく、平均して受け取っている“手当”の額も男性と女性で数万円の差がある。これは、日本の労働の場における女性差別に加え、外国人とりわけアジアの女性たちに対する差別感情が重なってのことだろう。

強く印象に残ったのは、彼女たちを「救済すべき犠牲者」とみるのではなく「働く仲間」としてみることだという意見と、「よりよい生活を求めての移住という選択の自由が保障されなければならない」という意見。前者の意見は、日本国内の労働の場に、権利や自由を制限された労働者がいることが、労働基準という考え方を破壊してしまう、つまり彼女たちの悲惨な問題というだけでなく、私たち自身の働く環境につながっているということを指している。

▽もくじ

人身売買としての研修生問題 竹信三恵子
データで見る外国人研修・技能実習制度の変容 川上園子
複合的差別が生む外国人女性研修生の人権侵害 早崎直美
女性外国人研修生と外国人研修生制度 日本人が居なくなった後に 上林千恵子
外国人研修制度のいびつさ 旗手 明
〔インタビュー〕働く仲間がものを言える多民族多文化共生社会を 鳥井一平
韓国における外国人研修生制度と移住者政策 イ・ヘジン
〔インタビュー〕研修生問題と女性労働 法律家として日本社会を問い直す 大脇雅子
外国人女性の人権~北海道から 牧下徳子
〔インタビュー〕労働する主体としての移住女性 レニー・トレンティーノ

三春人形

三春人形
坂本万七(撮影)
小沢太郎(編著)
東峰出版
\4800
1964年

中川善之助の『民法風土記』の文庫が見当たらないからと図書館で借りてきた親本には、目次の脇に、函の図版は坂本万七撮影の三春人形と書いてあった。図書館のことなので本の函は残っていないが、どういうものがこの本の函にあったのか興味津々で「坂本万七」「三春人形」をたよりに図書館で他館相貸で借りてくる。

奥付には「限定1,000部発行のうち本書は No.142」とある。

本の前半には三春人形の図版(原色版=カラーと、単色版=モノクロ)があり、後半には「三春人形覚え書」「三春人形について」「三春人形と私」というテキストが収められている。単色版の図版には、人形だけでなく、木型もある。

中川善之助の本の函につかわれたのは「春駒」という人形だったらしい。
原色版にひとつ、単色版にひとつ、それぞれ「春駒」という人形がのっているが、どっちだろうか…。

原色版の「春駒」については巻末の解説にこうある。

▽春駒の人形は多いが、これが造形的にもっともよろしい。たづなの破損は、大事な部分なので大変残念である。顔の表情は生き生きとして楽しげである。(p.149)

単色版の「春駒」はこう記されている。

▽原色版の名和氏の春駒に比べ、多少時代の下ったことを示している。右手の竹は春駒をつけたものであり、ここから右手まで厚紙の手綱があったものである。顔の向きが駒と対称的であることが佳い。(p.153)

三春人形は、福島の三春でかつてつくられていた張子の人形である。巻頭の「三春人形讃」という武井武雄のテキストによるとこういうものだ。

▽…全くかつての日本の郷玩は尤玩名玩に溢れていたが、その中でも特筆したいのがこの三春人形である。三春駒の名は知る人が多いのだが、張子の方は存外に知られていない。これ等の名作は概ね過去の遺産だからである。
 張子は型に貼って抜く関係から造形的には極度に単純化され、動きは殆どなくて安定感だけが強調される気味がある。達磨などがその代表的なものである。ところが三春人形だけはこの制約にとらわれる事なく自由にのびのびと優雅な肢体に美しい律動を描き出している点で一寸張子の仲間に類例のない個性をもっている。そしてその平和な円みと適度の甘さとが人を魅了せずにはおかないのである。…(巻頭)


福島へは二度行ったことがあるが、三春は未踏の地。
梅と桃と桜が一度にひらくという三春。
春の福島はたしかに、水仙かられんぎょう、桜にツツジまで、西日本であれば三月から五月にかけて順に咲くものが、いちどきに開花していて、春がいくつもきたようであった。

産んでよかった!「高齢出産」 「産む前」「産む時」「産んでから」不安解消、幸せバイブル


産んでよかった!「高齢出産」 「産む前」「産む時」「産んでから」不安解消、幸せバイブル
大葉ナナコ
\1,470
祥伝社
2004年

このところ続けて40前後での妊娠の話を聞いたので、図書館で見かけた本を読んでみた。

横文字でいうと、高齢出産は「ミッドライフ・バース」というらしい。
出産年齢としては高齢でも、一生からみると中ごろ、「ミッドライフ」ということかなと思う。

5人生んでいる著者の大葉ナナコと、30代の終わりで生んでいる桜沢エリカ、横森理香の3人での子連れ鼎談がメイン。

桜沢エリカは、夫婦で話し合って、桜沢が経済的な大黒柱となり、夫が専業主夫になって子育てを中心に担うことを決めたそうだ。その夫による『青木パパの育児伝説』という本もあるらしい。

空飛ぶ車イス 元ラガーマン、世界39カ国の旅


空飛ぶ車イス 元ラガーマン、世界39カ国の旅
木島英登
\1,680
IMS出版
2001年

▽車イスでの旅となると大変なことが多いと思われるだろう。確かに、ホテル探し、交通機関の利用、街での段差など、困難なことは非常に多く、どこでも人の助けが必ず必要だ。なぜそんな苦労までして旅に出るのか?
 実は、「車イスだから人の助けを借りなければならない」=「現地の人と接する機会が多い」と思えば車イスでの旅も悪くないものになる。少し考えを変えるだけで逆境も楽しく開かれていく。(p.3)

そういう精神で旅をしている人の本。
この著者と、明日の宴会で会う予定。

 『恋する車イス』という本もあるそうなので、そのうち読んでみるかな。

著者のサイト
http://www.kijikiji.com/
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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