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ありのままの子育て 自閉症の息子と共に 1


ありのままの子育て 自閉症の息子と共に 1
明石洋子
\1,785
ぶどう社
2002年

「超多動」の「自閉症」をもつ長男を育ててきた明石洋子さんの記。
その長男・徹之さんは、いま川崎市職員として働いている。

転居して入った新しい小学校の、最初のクラス懇談会で、洋子さんは他の親から「そんな子のために養護学校があると聞いていますが、どうして、この学校に来ているのですか? たとえこの学校に来る理由があったとしても、せめて、うちの子の斜め前の席にいることだけはやめさせてください。席替えをして欲しいです」と言われてしまう。

自分がここで泣いては、「不幸な子を持った、不幸な母親」と同情されても、正しく理解してもらえないと思い、勇気を出して洋子さんはこのように伝える。

▽…確かに障害に対する特別な配慮と指導は必要かもしれません。でも私たちは、それ以上に大切なのは、人間として、子どもとして、あたりまえに家庭で、そして地域で、生きていくことではないだろうかと考えて、この学校を選び、教育委員会も許可してくださいました。

 徹之は自閉症という障害で、現在の医療では治すことができるものではないのです。ですから、そういう学校や病院や施設に預けても、治してもらえるわけではありません。地域の中で生活しながら一つ一つ学習していくしかないのです。それには、子どもを地域社会から、特に家庭から、切り離してはいけないように思います。

 徹之は、毎日一緒に生活している人といる時は安定しています。初めての場所や見慣れない人たちばかりの中に置かれますと、状況がわからず不安になり混乱するため、奇異な行動をとったり、指示も耳に入りません。…

 …少しくらい子育てが大変でも、みんながあたりまえに暮らしている地域の中で、一つひとつ経験を積んで、社会のルールや人との付き合い方など、自立に必要なことを学習させていきたいと願っています。

 …徹之は、まわりの状況を認知することが苦手で、模倣もしにくい子どもです。それでも耳からよりは目からのほうが情報が入りやすく、それに大人よりは子どものほうが模倣する相手としていいようです。普通の子どもでも、子どもの発達から模倣を取り除くと発達は難しいと聞きます。その模倣も下手で、ことばでの指示が耳から入りにくい徹之ですから、せめて同年齢の子どもからの刺激を少しでも多く受けさせたいと思っています。

 できる限り普通の環境の中で、人間らしく成長させてやりたいと、親として切実に願っています。…(pp.110-111)


「地域で生きる」、「子どもは子どもの中で育つ」というのは、こういうことだろうなーと思う。
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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