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読んだり、書いたり、編んだり 

本読みデイ(II)

 この文章を読む頃には東京の知事さんも決まっていますが、あたしは候補者の公約を聞いていて、息が詰まりそうになりました。老人福祉とか言って、ボケ老人対策のために生きがいを与える施策を打つと真面目に考えているんだもんね。何かい!老人はボケないために生きがいを見つけなけりゃいけないのかい?何にもしないでゴロゴロしてちゃ、いけないのかい。ボランティアとか地域活性のために貢献しつつ、自分の健康を考えて長生きしなきゃいけないのかい?[中略]
 そんな息の詰まりそうな社会なんかで、あたしは生きたくないですな。前向きな言葉なんかクソ食らえってなもんです。大兄も騙されてはいかんですぞ。後悔しない人生のために、なんていうのがもっとも手に負えないやつですな。後悔しない奴がいると思っているのかね。後悔しないなんて、そんなツルンとした人生なんて味気ないって。十年も生きれば、後悔は三億くらいしているはずで、だからこそ後悔という言葉に騙されるなということを考えてもよさそうだと思いませんか。後悔いっぱいしてるけど、ま、けっこう楽しいし、いいじゃん後悔。悩むことないってという感じで、適当なことをヘラヘラと若輩に振れ回って煙に巻くのが老人の役目だから、せいぜいいい加減な態度で生きてくださいよ、とどうして言えないのかね。(332-334ページ)

 私はまだ老人というには早いし、この言葉にそうそうそうとついていくとまずいだろうか?

 今日は注文していた本が2冊入り、2冊とも読んでしまった。汐見稔幸編の『里親を知っていますか?』(岩波ブックレット、2001年)と、家庭養護促進協会の『信じあって親子・語りあって家族』(エピック、2001年)である。里親を経験した人の話や、里子として育った人の話。地域で子育て支援というのは、こういうところからだと考えやすいように思う。里子を受けいれるというのは里親個人とかその家族だけのことではなくて、里親家庭が存在するその地域とかご近所とか近隣の関心というのも大事で、それがないと里親制度も広がらないやろうと思った。
 ついでに数日前から読みかけていた汐見稔幸の『幼児教育産業と子育て』(岩波書店、1996年)を読んでしまう。

 本読みデイということにして、本読み風呂でこれも今日入手した荒俣宏の『プロレタリア文学はものすごい』(平凡社新書、2000年)をちょろりと読む。なんだか斎藤美奈子風の書き出しだ。
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本読みデイ(I)

 帰るコールをして帰ったのに、シェフがなかなか晩ご飯づくりにとりかからず、私は半時間ほどウトウトした。帰宅して2時間もしてからようやく晩ご飯にありつけた。また「タイの台所」キットで、タイ焼きそば。夜食には昨日買ってあった小玉西瓜を4分の1ずつ食べる。みずみずしく、うまい。皮は薄くて、緑のところの際まで赤い。

 今日は4冊読み終える。あと少しだけ残っていた『オヂがパソコンを買うという暴挙』(アスキー出版局、2000年)を読み終える。このしゃべくり調の文章は苦手な人もいるだろうが、身辺雑記風のだらだら書かれた中に、なんとも鋭いツッコミがあったりして、やはりおもしろい。

▽「なんだかね、いつまでたっても変わらないねぇ」と言われる時、言外に見下した韻が込められているか、それとも尊敬の韻なのかでモノはモノになれるかどうかが決まると思うわけです。なんでもそうですが、世間の目に曝されるという時間は非常に大切なわけです。曝され続けていると、そのモノが持つ力によって世の中の方が変化するということのなんと多いことか。そういうモノと周囲との対話によって社会なんていうものは成り立つとあたしのような古風なオヂは信じたいです。(268ページ)

 これは、マック(Macintosh)にしても、クルマにしても、「数年は使おうというモノがころころと意匠を変えてしまっては世間の目に馴染んでいる時間がないと思う」という話のところだ。「変化自体が目的になってやしませんかね」と田淵オヂは皮肉たっぷりである。

 田淵オヂが勤めていた会社を定年退職でない退職でしりぞいて、お別れ会で「気概を持ってがんばれ」と言われまくって考えたところなどは、そうそうそう、そうよと思う。

▽がんばろうとか再生とか気概とかね、一見すると前向きに思える言葉で物事を考えるのはもういいやっていう感じ。[中略]
 仕事がないから生きがいが持てない。そういう公式の背後には、がんばろうとか再生とか気概という言葉が暗躍しているんですな。前向きの言葉には多かれ少なかれ、人を強迫して平気でいられる強者の論理が隠れています。あたしは、生きがいなんかなくてもいいし、がんばりたくはないし、再生したいとも思わないし、気概なんかとっくに捨ててますもん。がはははは。あたしはあたしです。[中略]
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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