読んだり、書いたり、編んだり 

6月に読んだ本

6月に読んだ(読み終わった)本のリスト:
○浦河べてるの家『べてるの家の「非」援助論 そのままでいいと思えるための25章』医学書院
○井上一馬『天職をつかんだ9人の女性』中央公論新社
○手塚治虫『人間ども集まれ!』講談社 ?~?
○秋月りす『OL進化論 ?』講談社
○秋月りす『OL進化論 2』講談社まんが文庫
○つんく『LOVE論 あなたのいいトコ探します』新潮社
○オバタカズユキ『何のために働くか』幻冬舎文庫
○秋月りす『OL進化論 1』講談社まんが文庫
○青木光恵『えっちもの』ぶんか社
○秋月りす『かしましハウス』竹書房 ?~?
○秋月りす『奥さま進化論』講談社
○秋月りす『OL進化論 ?』講談社
○秋月りす『OL進化論 ?』講談社
○秋月りす『OL進化論 ?』講談社
○井上輝子・上野千鶴子・江原由美子(編)『日本のフェミニズム? 表現とメディア』岩波書店
○中島唱子(写真 荒木経惟)『脂肪』新潮文庫
○荒俣宏『目玉の思想と美学 図像学入門』集英社文庫
○塩谷信幸『美容外科の真実 メスで心は癒せるか?』講談社ブルーバックス
○松沢呉一+スタジオ・ポット(編)『売る売らないはワタシが決める 売春肯定宣言』ポット出版
○横森理香『エステマニア』幻冬舎文庫
○群ようこ『肉体百科』文春文庫
○大塚ひかり『太古、ブスは女神だった』マガジンハウス
○長新太『海のビー玉』平凡社ライブラリー
○横森理香『恋愛は少女マンガで教わった』集英社文庫
○酒井順子『煩悩カフェ』幻冬舎文庫
○久保ミツロウ『3.3.7ビョーシ!!』講談社 ?~?
○松原惇子『クロワッサン症候群』文春文庫
○と学会編『トンデモ本 女の世界』メディアワークス
○松本侑子『読書の時間』講談社文庫

カレー鍋(II)

 昨日の行きしなに読み始めた『トンデモ本 女の世界』(メディアワークス、1999年)を帰ってきてから読み終える。かなりおかしい。こないだK女子大の授業であつかったような、開運モノも取り上げられていて、笑った笑った。
 眠くてとろんとしながら、H子に借りてきた松本侑子の『読書の時間』(講談社文庫、1994)年を読む。松本侑子は6つ歳上なのだが、この本のもとになった「乱読日記」という連載をしていた当時は20代の半ばで(親本が出たのが1991年)、当時の松本の年齢をすでにすぎた30代の自分が20代半ばの松本が書いた読書日記を読むと、なんともフシギな感じがする。ずいぶん昔読んだ『巨食症の明けない夜明け』は、松本のデビュー作だと知る。

 昨日も今日も、降ったりやんだり、時折かなり強く降ったりで、梅雨らしい空。ワールドカップ大会が終わった。

カレー鍋(I)

 土曜の夕刻よりカレー鍋大会を開催。開催地は神戸。中高同期の友H子の自宅である。別の中高同期の友M子&そのオットと、うちの妹1号(1学年違いで中学が同じというよしみ)、うちの同居人が集まり、H子の母上も交えて、泊まりがけの宴会。
 そもそもカレー鍋大会の開催は一昨年からずっと延期になっていた。一昨年の暮れに「次はカレー鍋で新年会!」と決めたあと、うちの同居人の病気が発覚し、入院・手術という羽目になったためである。カレー鍋はそのため無期限延期に入っていた。今年ももう折り返しというこの週末、ようやく開催の運びとなった。

 2年越しでカレー鍋、カレー鍋と言いながら、実のところ「カレー鍋」がどのようなものかはしかとは分かりかねていた。M子が「うちでやってる鍋、人に教えてもらって、てきとーにつくってる」などと言っていたきり、「こんどこそカレー鍋しよう!」というのは合い言葉になっていたが、結局のところどんな鍋なのか分からぬままだった。

 カレー鍋。ひとことで言うなら「寄せ鍋に、カレー粉を入れたもの」である。だしはカレーうどん風。そこに、なんでもいれる。野菜(葱、白菜、人参、大根、カボチャ、しめじ、エリンギ、えのき茸)、肉(豚、鶏、鶏つくね)から、はんぺんやシュウマイ(安物がなおよい)、きつね揚げ(あまからく煮てあるあのきつねうどんにのせる揚げさん)、ソーセージ、マグロ、うずらのゆで卵、豆腐、等々。カレールーも少々投入された。とにかくなんでも合うことに驚いた。具がほどよく煮えたところを、汁ごと食べ食べ、汗をかく。ビールがこれに合う。
 ちょっと多すぎるかというほどの具を用意したのに、7人でとりかかると、次々と胃袋にはいっていき、締めのきしめんまで、用意した具材のほとんどすべてを食べ尽くした。

 さらに、H子のホームメイド・ティラミス(製作協力・シェフ同居人)も食べ、夜中すぎまでうだうだとすごした。布団に入ってからも、しばらくしゃべっていて、やや寝不足。

 昨日は電車に乗り継いで会場へ向かったが、今日はH子がちょうど友達と一緒にウチの方面へ出かけるというので、クルマに便乗して送ってもらった。途中でH子おすすめのケーキ屋でパイを3つ買ったのが、これがたいへんおいしかった。

雑誌の影響力(II)

 もうすこしおもしろい本かと思っていたが、正直いって、なんじゃこりゃと思うところが多かった。「女は理論に弱い」「女は感覚的な人間である」というノリで女性を語るのである。当然「男は文字から学び思考し行動する論理的人間」だと書く。で、グラビアだとかクロワッサン御用達の女性文化人(←謎な呼び名である)の生き方をこれでもかと見せられて、そんな気分になった夢見る夢子ちゃんたちは、今、アタシの人生これでええんかしら?とモヤモヤしている、という話が「30代独身OL」への取材によって書かれているのだ。さいごのほうは、なんというか、先取りした“パラサイト・シングル批判”のようである。
 雑誌の影響力はたしかに大きいだろう。しかし、なんというか、そうかあ?と思うところも残る本であった。

 おもしろいと思ったのは、取材された「30代独身OL」の一人、中村さんのこんな表現である。

▽「会社って、女人禁制の高野山みたい」・・・
 「高野山は男性の道、けもの道。女性は途中まで登れても、必ず“結界”にぶつかる。そこには『ここから先は、女性立ち入り禁止』のたて札が立っているんですよ。私は今、けもの道をのぼっているところです。たまに後ろをふりかえると、若い女の子たちは、山の下の方でロープウェイができるのを待っているんですよ」(154ページ)

 中村さんは、大手生命保険会社に14年間勤めてきたのだという。1980年代の後半である。均等法ができて2年ほど。
 高野山は、あまりかわっていないような気もする。

雑誌の影響力(I)

 久しぶりに暑くなる。半袖にもどる。出勤のクルマのなかは、ほかほかとしていた。午前も午後もエイゴの本・読み。午後のほうはなかば業務命令で、一緒に読んでるDちゃんと「ここはどういう意味なのか分からなんだ」という話をえんえん続け、2時半に始めて、気が付くともう5時をまわっていた。行動主義(behaviorism)の考え方とは違うところから自己概念(self-concept)の考え方は出てきている。取り出して確かめたりすることのできないもの・目には見えないものだが、その存在を想定することによって説明できることがある。たとえば「服装の乱れは心の乱れ」という警告は、selfというものの存在を導入してはじめて出てくる発想なのだろう。

 K女子大の来週の授業はどうするかな~と思いつつ、帰宅。帰ってみるとシェフは一心不乱にマンガ読みに取り組んでいて、ぜんぜん晩ご飯にありつけそうにない。18巻もあるコワそうなマンガを読んでいるのだった。しかたがないので「おなかがへったー」を時折主張しつつ、酒井順子の『煩悩カフェ』を読む。「女であることを利用したい煩悩」という項がなかなかおもしろかった。8時半頃になってようやく、豚バラをじゅうじゅう焼いたのが出てきた。これに「チシャ味噌(というものをシェフが買ってきていた)」をちょろりとつけて、サンチュでくるんで食べる。ウマーイ。お供はビールである。続いて、麺を茹でるだけ、スープも具もパックされているという冷麺。これがなかなかいけるのだが、難点はゴミがたくさんでることだ。

 食後、シェフが先日買ってきた久保ミツロウの『3.3.7ビョーシ!!』を4冊続けて読む。週刊マガジンに連載中のマンガである。その後、なにか授業の参考になるかと思いつつ、すいぶん前に買っておいた松原惇子の『クロワッサン症候群』(文春文庫、1991年)を読みかける。ざっくり言えば、「時代の影響をモロに受けた女性たちのその後」という話である。1970年代末から80年代にかけて“女の生き方”を前面に出した誌面展開を続け、とりわけ“自立した女性”絶賛路線をあゆんだという雑誌「クロワッサン」が、当時20代だった女性たちに無視できない影響を与え、その結果として30代になってウロウロしてる独身女性が多くうみだされた、という調子の本。親本は1988年に出ている。ちょうど私が大学に入った年である。

雨の降らなかった日

 気温は低めだが、昨日までよりは高いようだ。雨は降らなかった。夕方になって少し陽も射した。と学会編の『トンデモ本 女の世界』(メディアワークス、1999年)を入手。
 帰って洗濯。シェフはPS2の世界でゴルフやパチスロを楽しんでいて、なかなかご飯にありつけず。ゴルフ場では秋風が吹き鈴虫が鳴いているそうで、季節感がおかしくなりそうである。
 エイゴの予習にいそしむも、あと6ページを残して本日の業務は終了。

 同居人が扶養からはずれて再び国保と国民年金に加入する。現在住民票では私が世帯主なので、これまで得ていた知識(国保のインデックスは世帯主)によれば、私が国保加入者でなく同居人だけが国保の被保険者であっても、私=世帯主の名が表に入っている保険証が私=世帯主宛に届く、のだと思っていた。もしかしたら世帯分離したほうがキミの保険料安いかもねと言っていたところ、住民票をいじらなくても似たようなことができる制度があるそうだと聞いて同居人が帰ってきた。もらってきた用紙に私の名前を書いて印鑑を押せという。「擬主変更」と横に書いてある。ギヌシ?ギシュ?なんじゃそりゃ。

 調べたところでは、「擬制世帯主の変更」ということらしい。国保法だか厚生省通達だかで決めてあるらしい(と書類のはしっこに書いてあった)。自分が聞いたのではないから詳しいことはいまいちわからないのだが、ネットでこういう記述を発見。

◎擬制世帯主の変更を希望するとき
住民基本台帳での世帯主が、会社員や公務員など被用者保険に加入している場合、国保制度では、擬制世帯主として、納付義務や各種の届け出義務が負わされています。次のような一定の条件のもとで、国保の擬制世帯に属する被保険者を世帯主とすることができるようになりました。

▽世帯主の変更届が提出できる条件
 国保の世帯主変更を希望される被保険者は、擬制世帯主の同意を得ており、かつ擬制世帯主が保険料をすべて完納されていること

 こうしてやると私=擬制世帯主の所得に応じた保険料ではなくて、同居人=国保の被保険者の所得に応じた保険料計算になるらしい。つまり、同居人の昨年度の所得は限りなくゼロだから(病気療養のため昨年1月末で休職、2月から扶養認定)、保険料がお安くなると。
 扶養に入れるときにも、いろいろベンキョウになるなあと思ったことであったが、ほんまいろいろとベンキョウになる。

太っ腹

 帰ってきたら、シェフが「着衣のマヤ」のように寝そべっていた。少しばかり収入があったので、今晩は焼き肉を奢ってくれるというのだ。近所の焼肉店Gで、生レバとカクテキとナムルに上タン、カルビ、バラ、そしてビビンバでしめ。お供はビール少々。満足。シェフに奢ってもらうことなど久しくなかったせいか(外食希望と言われても、財布係は私である)、心おきなく食えるものだなアと実感。

 太っ腹シェフは、その後買い物して、それから本屋に寄ったら、なんか買ってくれると言うのである。とりあえずナンシー関の遺稿になった顔面至上主義が載っている「噂の真相 2002年7月号」を買ってもらうことにする。平積み台やら文庫棚をぷらぷらしていると、「もういいの」とまでシェフが言うのだ。「まだなんか買ってくれんの、まだなんか買ってくれんの」と鼻息あらく、新刊文庫を見渡して、酒井順子の出たばかりの『煩悩カフェ』(幻冬舎文庫)をとる。「もういいの、もうレジするで」とシェフに言われ、あーこれこれと実は昨年末から文庫棚でときどきさわっていた宮部みゆきの『平成お徒歩日記』(新潮文庫、奥付では2002年1月1日発行)を買ってもらう。

 さすがに頭がカユくなってきたので、がしがし洗って、少しだけ『煩悩カフェ』で本読み風呂。エイゴの予習をしようと思って、コピーを持って帰ってきたのだが、やはり明日だ。

「そんな時」(II)

 で、これをネタに、男性には/女性にはどんなコンプレックスがある(と思われている)か?、そのコンプレックスにどう対処すべきと指南しているか?、体験談の特徴は何か?という作業をまずしてもらう。さらに、グループに分かれ、これらの広告の「リアルさ」「うそっぽさ」を具体的に指摘する作業を続けた。

 広告を見て、友達と話し、「すべてがうそっぽい」ような気がするという学生が多かった。が、よくよく聞くと、「こういうの全部信じてました」とか「昔、胸を大きくするキカイを買ったことがありますが、ぜんぜんだめでした」とか、カモになったり、カモになりかけた経験を複数の学生が持ってもいた。男性誌の広告には笑うだけでも、女性誌の広告にはどこか真剣になってしまうところがあるという学生もいた。
 今日は私からはそこまで言わなかったのだが、学生の話を聞いていると、「雑誌の本体(本文)と、こういう広告」という感覚があるようだった。私などからすると、いやー本体のほうも広告とかわらんよ(とくにカタログ化したファッション誌などは)と思えるのだが、そのへんは来週ひとこと言おうかな、と思う。

 帰って、晩ご飯には焼きうどんとサラダをつくって食べ(シェフはPS2の世界へいってしまった)、長新太の『海のビー玉』を読み終え、横森理香の『恋愛は少女マンガで教わった』(集英社文庫、1999年)を読み終える。横森理香はかなりフィットすることを発見。あと何冊か読んでみたい。

「そんな時」(I)

 梅雨寒の日がつづく。今日は長袖で出稼ぎ。このところ出稼ぎの日は雨ばかりである。今日乗った乗り物はどれも冷房が切られていた。真夏日連続で半月ほど続いたあとに最高気温が20度になると、からだにこたえる気がする。
 教育実習もすんで、久しぶりの全員集合(といっても2人休んでいたが)で、さわがしい。昨日、あれこれの「コンプレックス広告」のメインコピーと体験談を授業の資料用にと入力していた。ビックリマークばかりの文である。体験談を10人分か20人分入力してみてよく分かった。「そんな時に」である。おそらくは捏造であろう。

例文:ワタシはこれこれこーんな不幸な(デブだとかもじゃもじゃだとか想う人に好かれないとか胸が小さいとか借金だらけとか)境遇にあってもんもんと悩んでおりました。<b>「そんな時」</b>オタクの会社の何タラに出会い(友達に教えてもらったりオヤから勧められたり広告で見つけたり)、半信半疑でしたが(他社のアレコレも試してみたあげく、藁をもすがる思いで、ダメもとで)買ってみたら、あ~~ら不思議!3日で復縁したり、食いまくる日々なのに1週間で10キロも体重が減ったり、すべすべのお肌になったり、ばーんとミサイルおっぱいになったりして、もう何タラには大感謝です!!大感激です!!

 もうげっぷが出そうなくらいおなか一杯な広告群なのだが、メインコピーといい体験談といい、あまりにもそっくりな構図なのでほんとうに笑える。笑いの種はこれだけではない。なぜか一重に悩んでいたはずの体験者が二重になったらお断りしてもお断りしてもデルモ勧誘やら男にモテまくったりするという喜びの声で終わったりするのである。開運効果のあるリングだかペンダントを手に入れた人のうち、99.3%が復縁に成功し、99.8%がギャンブルやパチンコで大勝ちし、99.6%が想う人とシアワセになったというのである。こういう数字がまがまがしく並んでいる広告は笑ってしまうが、とにかく小数点第一位まで数値を書き、かつそれが99%で、しかも複数回答とことわってあったりするのだ。ということは、広告のみから論理的に考えると、買った人はほとんど全員が復縁に成功し&パチンコでも勝ち&想い人と結ばれていることになる。どんな購入者やねんとツッコまずにはいられない。

雑誌広告(II)

 まとめて10冊、15冊というレベルで広告の立ち読みをするとたいへんおかしい。女性誌のほとんどすべては「やせたい!」広告がバンバン載っていて、年代別のバリエーションとして、「やせ」の方法にもいろいろある(何タラを飲んだら楽々とか、これで汗をアホほどかいてとか)ほか、美顔やら色白がどうのとか、バストがどうのとか、この○○(何とかの念が入ったペンダントやら、不思議な力をもつブレスレットやら)で彼とヨリが戻っただの、宝くじが必ず当たるだの、友とツッコミつつ笑いつつ広告ページをせっせとめくっておもしろがっていた。やせたり、色が白くなったり、毛がなくツルツルだったりすると「毎日5~6人の男の人から声をかけられ」とか「憧れていた先輩に告白され」とか、男とどうのこうのなるという御利益が多い。
 
 男性誌では、ちび・はげ・でぶ・もじゃもじゃ・ホーケイはNGというのが相場で、プチ整形や筋肉もりもりマシーンの広告もかなり多い。女性誌同様、おまじない系のものもけっこうある。「すべすべになって彼女ゲット」だの、「背が高くなって、モデルになった」だの、「このブレスレットで金と女をゲット」だの、こちらもうるさいくらいおかしい。ごちそうさまというくらい広告ページを見て笑いまくったあと、とりあえず20代前半あたりをターゲットにしてるらしき男の子向け雑誌を1冊買ってきた。
 「そんなにわしを笑わしたいかー」と思うくらい、読んでいておかしい。10年くらい前だと、ここまで「つるつる、すべすべな男がイケてる」というのはなかったような気がするなあと友と語った。「もじゃもじゃが男らしい!」ちゅう時代がやってきたら、今度は毛はえ薬でも売るんかねえ。

 カモにされるネタは何で、どういう層がカモになっているのか、男女でターゲットの違いと似通っているところと、そんなあたりを授業で使おうかと思案しつつ、とりあえず雑誌広告には笑える。

 風が冷たいくらいで、冷える。なんだか秋がきたような涼しさである。昼間は真夏日でもいいから、7月も8月も9月も、夜には適当に気温が下がってくれれば文句ないのにと思う。

雑誌広告(I)

 ひさしぶりに昼過ぎまで寝た。その後、横森理香の『エステマニア』(幻冬舎文庫、1999年)を読んでしまい、続けて群ようこの『肉体百科』(文春文庫、1994年)を読み、大塚ひかりの『太古、ブスは女神だった』(マガジンハウス、2001年)を読み終える。群ようこのこのエッセイは、もと「夕刊フジ」に載っていたものだそうである。読みながら、かなり笑ってしまった。さすが群ようこ。酒井順子の『ニョタイミダス』と同じ系列の本やなと思う。大塚ひかりのこの「ブス論」は、以前『鳩よ!』に連載されていて、その頃にも愛読していた。『全日本アホバカ分布考』と同じくらいおもしろかった。

▽現代日本は、かつてないほど外見がモノをいう社会になっている。それは一つには美しいものを美しいと愛でることに対する後ろめたさが減ったからだろう。日本人を縛ってきた儒教道徳が薄れ、社会全体が豊かになったことで、快楽を味わうことに対する罪悪感が少なくなってきた。美という快楽を大手を振って追求し、外見で人を判断することへの呵責の念が少なくなってきたのだ。
 また、身分社会の消失で、従来は特権階級、お姫様・お殿様階級に独占されていた「美」を、すべての人が均等に目指せるようになったことも、影響していよう。身分制度なき今、人をひれ伏させる手っ取り早いパワーは「美」であることを本能的に知っている人々は、他者との差別化のために美を目指すようになった。
 見た目主義が普及したことも見逃せない。自分のカラダは自分の精神でコントロールすべきだという欧米の影響で、美しいカラダは自分で作れる、作れない人は怠慢であるという考え方が蔓延した。(220ページ)

 大塚の指摘する「現代社会の特性」は、なにがブスと言われ、どういう像がブス一般として定着し、それはいつ頃どうだったかというような歴史的な話の最後に置かれていて、印象に残る。大塚のいう「醜パワー」で読み解くブス論、かなりおもしろかった。

 空腹をちょろちょろとおやつで満たしつつ、日が暮れて本格的に空腹がやってきたので、結局外食に決定。お古の女性誌をくれるという友と落ち合って、鍋焼きうどんなどを食べにいった。お古の女性誌は、広告を見るために(授業資料用に)くれくれともらったのである。その後、一緒に本屋へ行き、そこいらの雑誌広告を見てまわった。

白髪とわかめ

 昨晩は髪を洗ったら、広げて乾かしているあいだ、同居人が「わかめをかぶっているようだ」とぬかすのである。とにかくめんどくさくて放置してもう1年ほどたつ(去年の5月に知り合いのカット好きに軽く切ってもらったのだ)。周りに言わせると髪が伸びるのがはやいらしく、「ぜったい1年で20センチくらい伸びてますよ」と言われる。たしかにぞろぞろと長い髪になっている。長い髪をたらしているという「女記号」のおかげで、外でトイレに行っても「もしもし間違えてますよ」などと声をかけられることもなくなった。短髪の頃には、何度間違われ、訝られたことか。髪の長短くらいで「男に見えたり」「女に見えたり」することも、考えてみればおもしろい話である。
 一昨日の晩は「白髪発見!」と言われ、どうやら複数の毛が白髪になっているらしい。髪の量がそう多くないのは父親似で、このまま白髪が増えていくならそれは母親似ということになるのだろう。そのうち白いわかめをかぶったようになるのだろう。
 
 今日はからっとした涼しい風が吹いていた。風だけ感じると、秋のようにも思えた。
 昼頃に一度古本屋へくりだし、文庫を9冊と、授業の資料用(ダイエットやら幸運グッズやらの「コンプレックス広告」を見るため)にと古雑誌を1冊買った。買った本は、
  長谷川時雨(杉本苑子編)『新編近代美人伝(上・下)』岩波文庫
  森茉莉『記憶の繪』ちくま文庫
  森茉莉(中野翠編)『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』ちくま文庫
  横森理香『恋愛は少女マンがで教わった』集英社文庫
  横森理香『エステマニア』幻冬舎文庫
  群ようこ『肉体百科』文春文庫
  斎藤学『「家族」はこわい』新潮文庫
  香山リカ『眠れぬ森の美女たち』河出文庫

 とりあえず横森理香の『エステマニア』を読んでみる。この数日、大塚ひかりの『太古、ブスは女神であった』も読んでいる。誰にとっての「美」か、何のために「美しくなろう」とするのか、そんなことを考える。『エステマニア』は、レベンクロンの小説とはまた別のタイプだが、おなじようになかなかシビアな小説でもある。

 夕刻、同居人ともども、職場付近の飲み会に誘われて、でかける。風はつめたいくらいだ。そして、珍しくカラオケへもついていって、久々にブルーハーツを5曲ほどうたった。ああ久しぶり。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第41回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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