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読んだり、書いたり、編んだり 

心の命

 朝は薄曇りで、天気予報は雨が降るかもと言っていたけれど、晴れてくるのかなと思っていた。しかし、天気予報もあたるもので、帰りは雨がぽつぽつと降った。
 今日はちょっと確かめたいデータがあって、昨晩うちの古パソのハードから引っ張り出したデータファイルを職場でプログラムとかませて走らせてみた。出てきた集計表がじつに怪しい。2500人ほどを対象にした調査データなのに、なぜか5000ケース以上になって出てくる。当然のことながら、集計結果はめちゃくちゃである。いったい何がどうなっているのか分からず、何度かやりなおしたが、ファイルが壊れていますとアラートが出たり、データファイルの途中からぶっちぎれましたとメッセージが出たり、もう何が何やら。昼頃まであれこれファイルをさわってみて、修復の可能性をつかむも、あとひといきのところでフリーズしてみたり、またやり直し。またやり直し。今日は昼ご飯もパソコンの前で食べるはめになる。いくつか基本的な集計表を出したかっただけだというのに、結局ほぼ一日をつぶし、よれよれになる。不幸中の幸いで、ファイルは修復でき、集計表の出力まではこぎつける。

 帰りは返却期限の本を抱えて、大急ぎでN図書館へ向かう。借りていた本を返し、書庫にある本が出てくるのを待っている間に、閉館前の蛍の光が流れはじめる。書庫から出してもらったマーガレット・ミードの本を2冊と、新着コーナーで見かけた中山千夏の本を1冊借りた。

 職場の図書室で余りの「週刊読書人」をときどきもらう。昨日もらってきた2月8日号の書評で、これは読んでみたいと思い、帰ってから1冊注文。近藤道生の『平心庵日記』(角川書店)で、評者は鴨下信一である。その冒頭部分がよかった。

▽日本人の命はすこし前まで、今よりはずっと長かった。生物学的な寿命のことではない。
 子が親のことを知りたがる、親は口下手ながらポツリポツリと話す。以前ならごく普通のことである。しかし、親の話を聞いている子は、この時、たしかに親の代までさかのぼって生きているのだ。親は、そのまた親の時代のことまでは話すから、結局この<心の命>は都合三代、百年をゆうに越すまで伸びることになる。親子の会話が途絶して、最近の日本人はひどく短命になった。(週刊読書人、2月8日号、7面)

 おぼえているあいだに、母ちゃんの話やばーちゃんの話を書き留めておいたほうがいいかな、と思う。
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想像力と年の功

 朝から曇り空、ちらっと雨も降ったらしい。気温は高めで、セーターを着ていると、ちょっとあつすぎるくらいだった。
 ミードの『地球時代の文化論』(東京大学出版会、1981年、org.1970 & 1978)を読み終える。明日が返却期限なので、付箋がびらびらになったところをもう一度めくって、書き抜き帖をつくる。その一節:

▽今でも、若者に向かって大人はこう言うかもしれない、「わたしが若かったことはあるけど、おまえさんには年寄りの経験なんてないのだから」。すると若者はこう答えることができる、「あなたが若かったことはあるでしょうけど、今の世の中で若かったわけじゃないし、今さら若くもなれませんしね」。これこそ、開拓者とその子供たちによくある経験である。この意味からすれば、一九四〇年代以前に生まれ育ったわたしたちはみな、今日の文化のなかでは時間的な意味での移民なのだ。わたしたちが教えこまれた技術や価値観は、一代目の開拓者の場合とおなじように、この新しい時代にはごく一部しか通用しない。にもかかわらず、わたしたちは年長者として今もなお権力を行使し、社会を支配している。そして母国から移住した開拓移民とおなじように、結局は子供も自分たちのようになるのだという考えから抜けきれないでいる。(81ページ)

 経験の強みをもって有無をいわせぬ物言いをする場面を見聞きすることは、たくさんあるように思う。しかし、「今の世の中で若かったわけじゃないですしね」。年寄りにはこう言うとして、”経験の強み”を持ち出される場面は、それだけではない。「経験のない者には分からない」式に言われてしまうと、(人間のもつ想像力をナメてやがる)と思う私。
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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