FC2ブログ
 
読んだり、書いたり、編んだり 

若者と大人・子どもと親(II)

 留年すると言ってきた学部生に「親は知ってるの」と訊ねた。「親は関係ないです、自分の人生ですから」と言うので、(学費も安いとはいえんのに、出す親も大変やなあ、出してもらって何を言うてるねん)と思っていた。「学費も大変やろ」と言うと、「いま親からは一銭も援助なしで、学費も家賃の分も生活費も全部バイトで稼いでるんです」との答え。親がかりで何年も大学に”滞在”する学生ばかりだと(そしてその学部生も当然親がかりなのだと)思い込んでいた私は、少し恥じた。エライ!と思った。
 お金を稼いで、生活をたてて、それでこそ一人前と、容易にはいえないのだが、やはり親は「お金を出したら口も出す」ものだ。学生の身で「家出」して、アルバイトや奨学金で生計をたてていた日々は、不安定ではあったけれど、親から離れたじゆうさを感じたな、と思い出す。若者とお金の関係は、一筋縄で論じられないのだけれども。

 今日は仕事帰りにN図書館へ寄り、書庫から出してもらった本など9冊借りてきた。ひさびさに”若者論”がらみの本を借りた。
 本読み風呂のお供は、父ちゃんがくれた高島俊男『漢字と日本人』(文春新書、2001年)。この人の「お言葉ですが・・」という週刊文春の連載は、買ったときにはいつも読む。漢語(漢族が使うことば、という意味での漢語=中国語、とよばれるものと同意)と英語はそれなりに似ている。日本語と英語もそれなりに似ている。漢語と日本語はほとんど似ていない。そんな話から始まる。同じような”字(漢字)”を使っているからといって、漢語と日本語は似通ったものではないのだ、というのは大変おもしろい。
スポンサーサイト



若者と大人・子どもと親(I)

 2日続けて雨。大阪の冬には珍しい。天気予報では今日からまた冷え込むようなことを言っていたが、湿度が高く、「なまあたたかい」と表現できるようなじっとりした一日だった。
 暮れからちびちび読んでいるジョーンズ&ウォーレスの『若者はなぜ大人になれないのか 家族・国家・シティズンシップ』(新評論、1996、org.1992)を読む。英国の本で、しいていえば”若者論”。今日読んだところでおもしろかったのは、「家族」と「世帯」の語が互換可能なものとして用いられて、家族の定義やイメージが事実とは違ったもののように見られるようになったという話。
▽近年、人口統計的および歴史的研究は、前産業社会における家族生活のイメージも、産業社会における家族生活のイメージも、事実より神話にもとづいたものであることを示してきた。前産業社会の家族は、現在の家族よりも大きいものではなかった。混乱は、「家族(family)」と「世帯(household)」の用語を交換可能なものとして用いることから生じた。というのは、多くの前産業社会の世帯、とくに裕福な世帯には、世帯メンバーとして生活していても必ずしも親族ではない使用人が含まれていたからである。産業革命直前の世帯の大半は、平均五人で構成されており、両親と子どもから成り立っていた。このような理由から、「核家族」は産業化の結果ではなかったと、ラスレットはいう。(訳書、123-124ページ)
 
 それから、若者と”依存”の話。
▽親が適切な援助を与えられるかどうかは、主として親自身の経験によるであろう。最低卒業年齢を越えて学校に通う子どもの親は、子どもと同じ経験を持っているのがふつうである。また、親の職業やその業種と、その子どもの職業との間には、ふつう何らかのつながりがある。といっても、それは父親と息子の間に言えることである。というのは、女性の労働市場への参入の性質は、変化するからである。その結果、職業階級上の地位は、世代間で安定している。しかし、同じメカニズムの結果、失業もまた親子双方がこうむる可能性がある。(訳書、135ページ)
 
 
プロフィール
 
 

乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
    乱読ブログバナー
本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第66回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

amazonへリンク

 
 
最新記事
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
Google検索
 
 


WWW検索
ブログ内検索
Google
 
 
本棚
 
 
 
 
リンク
 
 
 
 
カウンター
 
 
 
 
RSSリンク
 
 
 
 
月別アーカイブ