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読んだり、書いたり、編んだり 

疑問点

 『発達とはなにか』を読んでいて2カ所、ハテと思い「?」を書き込む。  
 ハックルベリー・フィンやピーター・パンは「お母さん」「天国」「家庭」と重なるような「子どもイメージ」の例だろうか?私には逆のように思える。それとも、『ハックルベリー・フィンの冒険』や『ピーター・パン』に出てくる、「ふつうの子どもたち」のことが言いたかったのだろうか。ハテ?
 もう1カ所は「行動主義(behaviorism)」の「行動」についての説明のところ。(古い)心理学が「行動」をカウントしたり観察したりする対象とし、「思考」や「感情」を研究対象からはずしてきたのは、「行動」が目に見えるもので、「思考」や「感情」がそうではないから、だったと思うが、こんな記述があるのだ。
▽「行動」とは、考えていること、感じていることのように、個人の心の中にあって、他人からは観察できないことを指している。(204~205ページ)
 ここ1行抜けたんかなと謎でしかたない。「行動」とは・・・観察できないことを[指すのではなくて、観察できることを]指している、ではないだろうか。ハテ?
 
 永野は、原ひろ子の「ヘヤー・インディアン」の調査研究にも大きな刺激を受けているらしい。この本は、高校の頃か、大学に入ってすぐくらいの頃に図書館で借りて読んだ気がするが、この本で永野があれこれ引いているヘヤーインディアンの子どもたちの話はほとんど思い出せない。もう一度読んでみたい。ヘヤー・インディアンの社会では、「教える」「教えられる」概念がない(だから、それに相当する言葉「だれだれに教えてもらう」とか「だれだれから習う」もない)という。
 人がやっているのをよく見て、ためしてみて、「自分でおぼえる」というのがヘヤー・インディアンの世界では当たり前のことで、永野はこの話を、「教える」という行為を前提としない「学ぶ」行為もあるのだということの例として書いている。
 こういう「あ、そういうやり方(考え方)もあり得るんやな」と思える話がいくつも出てきて、そこがおもしろい。

 読み終わったら、空腹感。おなかへったな。
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新しい心理学

 朝から洗濯。昼ご飯は葱と卵のチャーハン。その合間に永野重史の『発達とはなにか』を読む。おもしろくて、そのまま読み終わる。『子どもの学力とは何か』をひとまわり壮大にして、くわしく書き込んだ本、という感じ。扱っているエピソードのいくつかは、『子どもの学力とは何か』と重なっているのだが、いっそう丁寧に書き込んである。大ざっぱにまとめると、永野は「これまでの発達心理学はもうあかんやろ」「こういう考え方で発達とか心とか考えていかなあかんのちゃうか」と書きたいために、「古い発達心理学」のどこがどうあかんのかをしつこいくらい説明し、こういう考え方で「人間」のことを考えていくと、人間がまるで「人でなし」になってしまうとあれこれ書いている。”科学的”というのは眉唾なことが少なからずあるからよくよく注意せえとも書いている。永野がここまで批判的説明を書き続けるのは、「古い発達心理学」ではもうあきませんと分かってきているのに、教育(とくに学校教育)の場面や育児にまつわる「神話」には、こういう古い考え方が「はびこっている」と言っていいほど根強くあるからだろう。新しければいいというのではないが、教育政策なんかに「新しい研究成果」なんてぜんぜん反映されていないらしい(としか思えない)。
 私は「心理学」というのをかなり毛嫌いしているが、こうやって丁寧に説明してもらうと、私が「あーきもちわる」と思っていたのは、心理学のなかでも古いやつや、行動主義的なモデルでとらえようとしてきたやつらしい、というのが分かった。私が嫌いな心理学は、「個人」のことばっかりぐちゃぐちゃ言って、「できへんのはお前がアホやからじゃ」とか「親が悪いんじゃ」とばかりに、イケナイ子どもやイケナイ親を責め立ててみたり、イケナイ子どもを何とか「矯正」しようとしたりする。「個人は真空のなかで生きている」かのごとく、生活場面とは縁のないようなことを憶えさえたりする。 新しい発達心理学はこういうのと比べるとずっとおもしろそうである。

発達とはなにか

 今日の入荷本。永野重史の『発達とはなにか』(東京大学出版会、2001年)。あと『ぎりぎり合格への論文マニュアル』と一緒に注文した渋谷恵宜の『卒論応援団』(クラブハウス、2000年)。帰ってからぱらぱらと眺めてみた『卒論応援団』は、私にはあまりおもしろくなかった(じっくり読もうという気にはならなかった)が、まあこれも業務用。他の人からも聞いていた話だが、この本は「使うのが1回こっきりで、あとは本棚のコヤシになるようなものをわざわざ買うのは、ムダな出費」と書き、「研究の役に立つのは”書籍”ではなくて”文献”、つまりそこにかかれている中身だけなのですから、図書館や研究室にあるものから、必要な分だけコピーすればいい」と続ける。なんとか「1冊の本の半分以上コピーするのは著作権法に触れる」ということは書いてあるが・・・
 で、『卒論応援団』はおいといて、『発達とはなにか』のほうは、『子どもの学力とは何か』が品切れだったので、近そうな本を注文してみたやつで、読みはじめてみると、『子どもの学力とは何か』をもっと丁寧にきっちり書いた本らしい。あーそういう考え方はおもしろいなーと思える本。これは「人間の発達」というシリーズの一冊で、帯によるとこの本でもってシリーズの全12巻が完結。このシリーズの別の本(東 洋『日本のしつけと教育』)は、だいぶ前に買って読んだので、「まえがき」に書いてあったように、迷い挫折したあげくにまとめられた、時間をかけて書かれた本なのだろうと思った。
 いま読みかけの久田邦明『教える思想』で言及されていた「子育ての書」のことが、この本でもふれられていて、次は東洋文庫に入ってるというこの「子育ての書」を読みたいなと思っている。

高校の図書室

 今日は仕事で近所のS高校へ行くことになった。日本の高校を視察するという研修団の付き添い。校長先生の話を聞き、授業を見学し、校内見学。図書室が広くて明るかった!うちから歩いていける市立図書館のH分室の10倍くらいあるんちゃうか!という広さであった。私が通った高校の図書室より広くて明るい!(今は校舎が建てかわったので、明るくて広い図書室になってるやろか。)本棚をじろじろ見てまわる時間がなかったのが残念だった。なにをやってるのか分からなかったが、図書室で授業やってるクラスもあった。
 昼でこの付き添い仕事がおわり、午後は誘導の仕事、そのあと人の原稿の校正。人の書いた文章で笑うのはアレやが、「インパクトに衝撃を受けた」。これは実にインパクトのあるフレーズであった。手近の英和辞典でimpactを引いたがな。
 
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在91号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第65回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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