読んだり、書いたり、編んだり 

晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ・出張編/サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ

晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)晩夏に捧ぐ
成風堂書店事件メモ
出張編

(2006/09/30)
大崎 梢

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サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ (ミステリ・フロンティア)サイン会はいかが?
成風堂書店事件メモ

(2007/04)
大崎 梢

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『配達あかずきん』に続く、成風堂書店シリーズの二冊目と三冊目。
これも、一度読んだ本だが、また読みたくて借りてきた。
謎解きものだが、話のあらすじはおぼえているものの、読んでいて、結末がどうだったかを自分が忘れていることに気づく。
もう一度楽しめてたいへんお得。

いや~また読んでもオモロイな~
本屋で働いてみたくなるのであった。

吉野北高校図書委員会

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)吉野北高校図書委員会
(2008/08/21)
山本 渚

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図書館の新着リストから、「図書委員会」というのに引っかかって借りてきた本。
ダ・ヴィンチ文学賞編集長特別賞、というのをとった作品に書き下ろしを加えた一冊。

青春ものである。
本の話で高校生がもりあがっているところが、よかった。

(10月1日読了)

日本人を考える 歴史・民俗・文化

日本人を考える日本人を考える
(2006/03/16)
宮本 常一

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宮本常一の60年代、70年代の対談や鼎談を集めた本。

私はこんな旅をしてきた(向井潤吉)
“夜這い”こそ最高の結婚教育(大宅壮一)
地方人意識の変貌(浦山桐郎)
日本人(草柳大蔵;臼井吉見)
庶民の生活と文化―歴史のなかの江戸時代(速水融)
逃げ場のない差別のひだ(野間宏;安岡章太郎)
日本の子育ての知恵を訪ねて(青木一)

てっぺんまでもうすぐ


てっぺんまでもうすぐ
渡辺やよい
\1,365
アメーバブックス
2005年

渡辺やよいの、これは「自伝小説」らしい。私小説?

けっこうきつい内容から始まる。
内田春菊の『ファザーファッカー』みたいな…

でも、最後まで読んで、読後感はわるくなかった。明るさがあった。読むなら最後まで読まないと、かえってきつい。

渡辺やよいは「あとがき」でこんなことを書いている。

▽こどものころ、私の周りの大人はみな、自信満々に生きているように見えた。そして私に、「こどもはこうあるべきである」「大人はこうあるべきである」「人はこうあるべきである」「女はこうあるべきである」と、「あるべき」生き方をぎゅうぎゅう押しつけてきた。

 おどおどしたこどもだった私は思った。
「大人になれば、私もきっとあるべき人間になるにちがいない」

 しかし。
 人生を半ば過ぎて、私が知ったことは、おどおどしたこどもはおどおどした少女になりおどおどした女になりおどおどしたおばさんになり、このままではおどおどしたおばあさんになるしかない、ということだった。

 私は未だにひとに、自信満々で「こうあるべき」などと語ることはできない。
 私は「こうかもしれない」としか、言えない。
 でも、今、私は思う。
「あるべき人生なんてどこにもない。その人のそのままあるがままの人生しかないのだ」

 そう分かるのに、40年もかかってしまった。そう思えるまで、あるべき人間になれない自分をずいぶん卑下した。自分で自分をおとしめた。

 もうやめよう。
 自分をいとおしんであげよう。
 おどおどしたおばあさんも、いて、いい。今私の子供たちに、私が言えることは、
「そのまま生きてもいいんだよ」
(pp.220-221)


(9月29日読了)

竜神七子の冒険


竜神七子の冒険
越水利江子(作)
石井勉(絵)
\1,575
小峰書店
2006年

何年か前に読んだ本だが、業務上の必要もあって久しぶりに読む。
もう一度読んでも、おもしろかった。

人物がよく描けてると思う。
主人公の七子もエエし、七子のハハ・麟子さんもエエし、かんのんのおばちゃんもエエし。

▽「なにひとつ、所有せえへんのやもの。財産もお金も家も家族も、他人がほめてくれるような事もなーんにも。失うものがないってことが、自由ってことなんよ。自由って、楽やないのよ。もしかしたら一番つらいのが自由かも…」(p.208)

(9月28日読了)

鹿鳴館の貴婦人大山捨松 日本初の女子留学生


鹿鳴館の貴婦人大山捨松 日本初の女子留学生
久野明子
\1418
中央公論社
1988年

著者の曾祖母は大山捨松。日本の女性で、最初にアメリカの大学(バッサーカレッジ)を卒業した人である。
旧姓は山川捨松。
津田梅子や永井繁子とともに、明治5(1872)年、12歳で女子留学生としてアメリカへ渡った女性だ。
帰国後は、大山巌と結婚し、鹿鳴館の花とも言われた。

アメリカのホストファミリー、ベーコン家の、歳の近かった娘・アリスと捨松は生涯の友となったいう。

曾祖母・捨松の生涯を、会津藩のサムライの娘だった時代から留学を経て、結婚し、晩年にいたるまで、発見されたアリス・ベーコン宛の手紙をもとに辿った本。

7月だったか、8月だったか、毎日新聞の日曜折り込みで「大山捨松」の連載があり、その際に、この本が引かれていた。
父がそれで興味を示し、読みたいという。
むかし文庫本で持っていたはずだが、影も形もないので、図書館で借りてしばらく父宅に置いていた。

私もついでに読む。

12歳でアメリカへ渡り、その時期に英語での生活を送った捨松は、日本語より英語のほうが上手だったそうだ。
津田梅子が生涯独身をとおし、津田英学塾(現在の津田女子大)を成したのに比べ、帰国後すぐに結婚してしまった捨松や繁は、国費留学生だったのに大した活躍をしていないと言われることもあったという。

この本を読むと、3人は終生互いに協力しあい、時代の制約(とくに女性に対する制約)のなかで、自分にできることをと努めた様子がよくわかる。自分でも学校をつくりたかった捨松は、梅子の英学塾には相当の力を傾けている。

戦争に対する姿勢は、夫が陸軍大将を務めたこともあり、時代を考えると、こんなものかなと思うが…

気楽に生きるための悪妻愚母ノススメ レディコミの女王が伝授する24時間だらだら活用術


気楽に生きるための悪妻愚母ノススメ レディコミの女王が伝授する24時間だらだら活用術
渡辺やよい
\1,260
インフォバーン
2004年

『ピーター・ノースの幸福』が思いのほかおもしろかったので、渡辺やよいの本をいくつかリクエスト。近所の図書館にないやつもあって、とりあえず3冊届く。

小説を読もうかなと思ったが、『東京島』に続けて読むとちょっと疲れるなと思い、先にエッセイを読む。

タイトルどおりの内容。

渡辺やよいには、現在のオットと結婚する前に、婚約までいった男がいた。

▽…いよいよ結婚しようかというときに、その婚約者がある日言った、なにげないひとことに引っかかったことがある。

 「もちろん仕事はしていいよ、でも、家事もちゃんとしてね」
 私は内心、「ちゃんとなんかできるわけねーだろっ、そもそも『していいよ』ってなによ、あんたのお許しがいるんか」と、突っこんでいたのだが、その引っかかりの原因は、お互いの両親が会談する場で、はっきりした。

 彼の方のご両親は、お父さんがお勤めでお母さんが専業主婦の方だった。だからというわけでもないのだろうが、お母さんは「息子の仕事は大事で…」と、しきりに口にし、「そちらのお仕事は、息子の世話の支障のない程度に」、婚約も「うちの息子の昇級試験が終ってから」と、いうことになったのだが、別にそのことに異議はなかったのだが、私の中にはなにか「ちょっと違うかもしれない」と、いう思いが残った。

 それは、相手のお家から辞去した帰り道、私の父親がズバリ、口にした。
 「うちの息子の仕事は仕事は、って、なんだ、そればっかり。うちの娘も仕事をしているじゃないか、やよいの仕事は大事じゃないのか」
 私の実家は、自営業で両親共働きだった。
 母も言った。
 「いい人たちだけど、ああいうご両親だと、お前が苦労しそうな気もするよ」

 私は、両親の言いぐさに、それまで売れ残りの娘に、結婚しろ結婚しろと連呼してきたくせに、ここにきて、それはないだろうー、と、思ったが、親なりに娘の幸せを第一に考えてのことだったのだろう。

 まあ、結局その人とは、結婚しなかったわけだが、今なら、私の両親の言いたいことはよくわかる。
 彼も彼の家族も、結婚したら譲歩するのが私だけだと、ごく当然のように考えていたのだ。結婚とは女性が男の生活に合わせるべきだ、そういうものだと、当然のように言ったのだ。

 じょーだんじゃない。
 その当時、私が私らしくどうにか踏みとどまって生きていられたのは、仕事があったからだ。仕事で必要とされている、それだけが私のアイデンティティーだった。それを取り上げて平然としていられるのは、私を全然理解していないということで、私を飼い殺すことなのだ。もしあのときあのまま、「なんだか違うかもしれない、でも、ま、こんなもんだろう」と、結婚したら、きっと私は息苦しさのあまり、結局逃げ出していたかもしれない。(pp.127-129)


私の見聞の範囲では、お父さんがお勤めでお母さんが専業主婦の方だからということも多少は関係あるかもしれないが、両親が共稼ぎでも、なぜか(私にとっては「なぜか」)こういう態度の人はいる。


で、こうい渡辺やよいでも、「父兄」って使うのが、ちょっと残念。こないだのマンガでも使ってた言葉。

東京島


東京島
桐野夏生
\1,470
新潮社
2008年

ちらほらと書評が出ていて、「無人島で、男ばっかりの中に、一人だけ女がいるという状況を書いた話」というくらいは知っていた。

近所の図書館では300人以上のリクエストがついている。
来年か再来年か、ほとぼりが醒めた頃にでも読むかと思っていたら、いつもの同僚さんが地元の図書館で借りた本を「返却期限までに読むんやったら」とまた貸してくれた。

先に読んだ同僚さんは「救いのない話」とも言っていたが、「荒唐無稽で、おかしい」とも言っていた。

これは、桐野夏生の、思考実験のようなものかもしれない。
いや、ほんまに荒唐無稽で、しかし、それはないやろうとちょっとツッコミたくなるようなところもあり、まあ小説やしなあ、とも思い、フシギな読後感。

青空感傷ツアー


青空感傷ツアー
柴崎友香
\1,365
河出書房新社
2004年

柴崎友香をまた読んでみる。これも、当然のことながら関西弁小説。
「音生(ねお)」という名の(ついツッコミたくなる名前やけど)、いなかの電車に乗ってたら男子高校生がうじゃうじゃと寄ってきてパンダ状態になり、電車を降りたら高校生たちが男子も女子も窓にはりついて見る…くらいのものごっつい美人と、「芽衣(めい)」という名の、自分の顔は十人並み、ちょー面食いでキレイなもん好きゆえに、キレイで美しい音生の言いなりに、ふりまわされる子と、二人の話。

なぜか二人が、あちこちと旅をする。
会社を辞める手続きをして東京から大阪に戻った芽衣と音生の二人が、 トルコ→四国→石垣島とうろうろとする。

なにか、おかしみがある。

(9月26日読了)

謎の会社、世界を変える。  エニグモの挑戦


謎の会社、世界を変える。  エニグモの挑戦
須田将啓
田中禎人
\1,680
ミシマ社
2008年

ミシマ社、という、社のロゴ(?)が、まるで笑いじわのできた人の顔みたいな会社が、おもしろそうだというのは、ちらりほらりと聞いていた。
http://www.mishimasha.com/

読んだことがあるのは内田樹の『街場の中国論』、そのうち読もうと思っていたのが鳥越俊太郎としりあがり壽の『本当は知らなかった日本のこと』。

で、最近は『Re:s』という雑誌の巻頭でミシマ社の特集があったりもしたらしい。
この「りす」という雑誌も、なんかおもしろそうなのである。
http://www.re-s.jp/

で、ミシマ社で、あっという間に6刷だというこの本を借りてみた。
エニグモ、という会社ができるまでと、できてから作ってきたものについて書いてある。

ソーシャル・シェアリング・サービス「シェアモ」ってのと、口コミ広告を組織したような「プレスブログ」ってのが、おもしろいと思った。
「シェアモ」は、松井孝典が書いていた「レンタルの思想」に通じるものかも。

▽シェアモの大きなテーマは「日本人の善意への挑戦」である。
 似たサービスとしてはオークションや物々交換があるが、「誰かの所有物」と「みんなの共有物」というように、モノに対する捉え方がシェアモと大きく違う。オークションや物々交換は「所有」のサービスである。所有という考え方を続ける限り、結局、一つのモノを持てる人は一人で、取引が成立しなかった人は使うことすらできない。「みんなの共有物」であれば、順番を待てば、誰でも使うことができる。使いたいときに使いたい人が使えばよい。(p.232)

図書館の本も、そんなモノだろうか。
ちょっと違うか?
 
 
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乱読ぴょん

Author:乱読ぴょん
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本ネタのミニコミ誌『ブックマーク』を編集発行しています(1990年9月創刊~ 昔は隔月発行でしたが、今は年2回発行で、現在87号)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2014年4月(313号)より「本の道草」を連載中(現在、第37回)。

月刊誌『ヒューマンライツ』で、2004年3月(192号)より2014年3月(312号)まで、本ネタ「頭のフタを開けたりしめたり」を連載(全119回、連載終了)。

『くらしと教育をつなぐWe』誌で、1999年4月(71号)より2014年2月(188号)まで、本ネタ「乱読大魔王日記」を連載(全118回、連載終了)。

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